16章
「よくやった弓兵!あとは任せておけ!」
皇帝は張り叫ぶ。
このまま放っておいても奴は死ぬ。それはお抱えの鑑定士が鑑定した結果だ。しかしこのタイミングで皇帝が後ろでふんぞり返っているのはダサい。後世に語り継がれたい。
「我々もお手伝いします」
そう言って反レイモンド派の領主たちも魔法陣の周りに集まった。
何が目立つか?どでかい光魔法だ。
本来、人間が打てる光魔法は発光、光を発するだけだ。魔力を導火線のように設置しておくことで、魔力を発光させることができる。
最近では大道芸で技術を使うことが多いらしい。
矢には魔力をあふれんばかりに詰めておいた。おかげで国一番の弓兵にヘッドショットを狙わせても胸を打つことになった。
いまここからあいつの胸まで魔力の滑走路ができている。
「食らえ!大魔法!超古代魔術!ホーリー…ライト…ドラゴニック…アロー!」
いま思いついたにしてはそれっぽい魔法の名前だ。ちなみに本来の発光魔法は第二階梯魔術のターンザライトだ。
まばゆい光が辺り一面を包み込む。想像以上の光度だ。
この出力ならあと5分は持つ。あいつが倒れるまで光を出し続ければいいだけのことだ。