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14章
「なにぃ⁉レイモンドが悪魔に⁉」
帝都ではミュースがあわただしく己の怠惰しきった体を揺らしながら走っていた。
「すぐさまほかの領主を集めろ!皇帝も呼んで来い!」
ミュースの心の中は一つだった。きっとあいつに殺される。それだけだった。
しばらくしてレイモンド討伐会議が開かれた。
メンバーは皇帝やミュースをはじめ、レイモンドを嫌悪している領主が大半を占めていた。
「この会議の目的はレイモンドの処遇についてだ。意見のあるものはどんどん出していってくれ」
その言葉を皮切りに反レイモンド派の意見が飛び交う。
その雰囲気につられて何も知らない領主でさえも言い出した。
レイモンドを殺せ
それが全員の総意であり、皇帝が最終的に下した判断であった。
全員が、それに、乗せられていた。




