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Episode 8 転生の罠

「前から聞きたいが、アーゼリスで、竜でしょう?竜の姿で私たちを運べばいいじゃん。」

再び動き始めたコロッサスのコックピットの中、またアーゼリスに抱かれ座っていたルナティアが問う

「秘密。まぁ、あの戦いに残した怪我と思っていい。」

「あっ、そうか。」

今更だけと、怪しくて脳天気っと思ったアーゼリスが外の風景に睨んつつ、悲しみに沈んだ顔をしている

変なヤツで敵と思ってたが、本当に若妻のように可愛がると恨みにならない

ちょぅ急にメス堕ちしないでよ私?

温泉で結構長い時間過ごしたし、空を見上げればもう夜

絶対これのせいだ!

アーゼリスが光の槍ーーアストラ・ミニアンドで充電してくれたおかげでコロッサスはその場でエネルギーフルチャージ、こうしてコロッサスに乗って一番近い大都会へと向かった彼女たち

その目的地はガトラニア王国の首都、ガトラニアン

前に戦った軍隊はロストしたか諦めたかしらないが、今ところ追ってこない

正式的な線路は正直知らないため、そのまま一直線で真っ直ぐに向かう

50メートルの巨体だから、森も山も川も物理的に越える

越えないヤツは越えるまで更に物理的に叩く

まぁ、その結果、周囲の生態を滅茶苦茶にした

歩く振動が地震と思われ、獣の群れが急に移動始めたとか

山を砕く砲撃の爆風があれこれの鳥をいっぱい落としたとか

二日の道程でもこんなに前途多難とは思わなかったなぁ

そいえばこんなデカブツ、街の中に運ぶ訳にも行かないし

ガトラニアンの近くにいる大森林にコロッサスを隠して待機、生身で町へ行く二人

「ちょぅーーこの軍勢、まさか私を捕まえてきた?」

城門前の道の両側で陣を取る、何かを待ち伏せたように凄く真面目な軍勢

「大したことが、本当にそうなったら余が薙ぎ払うまでだ。」

びくびくとこっそり歩いてくるルナティア、アーゼリスと共に近づいて城門を通る

「なんだお嬢ちゃん、何か怖いか?」

親切そうな兵士がルナディアに問う

「あっ、いや、いや...こんなに人がいてちょっと怖い。」

【余の演技も上手くなった】

自分が見事に人見知りの幼女に偽装したことに自慢したルナティア

どうやら狙いは自分じゃないようだ

「ああ、そっかぁ。怖がらないで、おじさんたちは森から出る巨大ゴーレムを待ち伏せていたよ。」

巨大...ゴーレム?

あっーー

自分がヤバい事をした予感

まぁ、出るはずのない敵を待ち伏せるのも並みの危険な戦いよりマシだろう?自分も、その、いや、悪いこととか、して...ないよなぁ?

このまま残ると罪悪感に潰されるので、ドカーンっと急に走り出したルナティア

一気に町中心の広場まで突っ込んだか、道を失った

「帝国の時と全然違うじゃんーー」

目の前にあるのは迷宮のように四通八達する分かれ道に高く聳え立つ扉と狭い街並み、視線を酷く阻いた

仕方がない、不本意だがあれを使うぞ!

「す、すみません~!この町の図書館は何処にいるのか、教えてくれませんか!」

再び人見知りの幼女に偽装し、見た目が上級そうな男性に問いかかる

見たことはないけどまぁまぁと清潔な服と黒い髪に、他の庶民と一線を画した自信。どこの貴公子だろ。

「ああ、いや、俺もここに来たばかりねぇ~」

えっ、この時代の貴族の常服と思ったら外れた?

「お嬢様こそどこから?なぜ一人でここに?」

まさかの質問が質問に返された

いや、まぁ、確かに見知らぬ8歳の女の子が一人で旅に出た方がおかしい...けど何だかいやな感じ

「えーと、私、うん、私はーー」

この時代の地名とか正直故郷の村しか知らないし、帝国時代の名前も使う訳には行かないし

あっ、あーー、コロッサスから聞いたローマだったらいいじゃん。

どうせこんな時代の人は貴族でも通信遅いし、相当な遠い地にして騙かしてやる

「私はローマから来た、そのーーコロッサスといいます。」

適当な微笑みで距離感を作り、後退しつつルナティア

そろそろ撤収だ、また別の誰かに聞こう

こいつめっちゃ面倒な予感!

「ローマ!ローマって、君も地球人だろう?!」

急に同郷と会えたように興奮した?!地球なんで知りませんよ!

「い、いや、違います、私、その…」

「おお、そうね!ローマの時代ならテラと言うんだ!」

テラって何っ!知りませんよそんな星!

「だ、だから違いますってーー!多分地名が重なってだけと思うーー」

こいつ面倒すぎ!全然強気で対処できない!

「俺、アマノカワ(天野川)リオ(理央)と申します!良かったら一緒に来ないか!」

なんかナンパした感じ?こいつ熱情すぎるーーって女の子をナンパする時だけ敬語にするなよこのエロガキ!

ってか私女の子じゃない!

「アハハ、どうもリオさんーーえっとーー」

ダメだ、これ以上は持てない

「名前呼んでくれたんだね!やっぱ俺たち地球人同士として、仲良くチーム組まないとーー」

いや名前を呼んだ覚えはないですけど?......?こいつ何してる?

空振り、いや、何もない場所でボタンを押すように手が動く

こいつの瞳ーーなぜか私にも見える、その瞳に映すパンネルの投影

まるで兵器の操縦メニューのようなものに幾つの数字を並んでいる

なにこれ?

...!

懐かしい、いや、忌々し神の気配

適当で一般市民に問い掛けたら、大物にぶつかった。余の運もそこまで悪くないなぁ

リオというこの人、こちらに目を向いたら、僅か魔法の気配を感じた。

対魔フィールドは正常に稼働し、その目に宿した魔法を食い止めた。あんまり小っちゃいな魔法のため、バリアに波紋を起こすことなく、そのまま効力が止まった。

「すごいよ!コロッサスちゃん!全てのステータスが未知!やはり俺たち転生者仲間だよね!」

そんなもの信じないですけど、どうやら余と異なる事情だが、異なる世界からこのイール・エランにたどり着いた。自分の魔法が失敗したのも分からない、どうやら誰かから授かれた模様。てことはただの駒かーー?

でもお前、自分の身体使ってるだろ?勝手に転生とか名乗るなよ!せめて余のようにこんな美しくて可憐な美少女の体になったからまた転生を名乗るよ!

いや、何考えてる俺

「......?ステータス?」

下手に聞くとバレる危険がある。いまは頭を傾いて知らん顔をチラ見せ、向こう自らの解釈を待ちいた方が安定。

「知らなかった?俺は転生直前に女神様から授かれた。ええとーー確かに固有アビリティはーー」

「どの女神に?」

「コロッサスちゃん、なんか怖い顔をしてーー」

殺意がバレた?

「普通の微笑みをしていると思いますけど。」

「あっそう。でも女神様は女神様でしょう?金髪のおっぱいデカイの。君を転生したのはどの神様か。」

冷や汗見たぞ?うん、少々プレッシャー掛けすぎたか。

「そうね、思い出した。私もその女神に転生された。ではここまで、私はまだ用事があるので。」

自分にも自分に惚れるほどエレガントなカーテシーを見せ、強引に対話を中断させ離れた私

必要な情報は得た、でもこいつにはまだ用があるから、出来れば私に惚れ惚れるように陥いた方が有利

目的のためなら、何でも利用するよ、余は

例え男としての尊厳を捨ててもなぁ(悲しいイケメン顔)

棒っとしたリオ、いや、前の対話から推測すると前の方が姓氏ね

棒っとしたアマノカワの傍からすり抜け、路地裏に消えたルナティア

フン、見た目だけを見ると何か素敵な出会いでも思わせたかな

ーー急に思いついた

今の私、8歳だったけ

こいつ、私に惚れ惚れしたら......ロリコンじゃ!

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