Episode 3 青銅の巨像
名もない神狼のおかげて、予定の三倍以上の速さで無事たどり着いた
送って来たらすぐ見つからず、謎だらけの野獣...いや神獣だろ
私の体、ひょっとしたら...?ううん、今は一旦さっておいて
目の前にある不自然をも感じる空き地、周りの森を無視して規則的な円の形を保つ
【ここだ!】
森が生えないのも当然、下は機械仕掛けの建物だから
パスワードなしで開けないし、「ここに帝国の建物あり」っと認識していない人間に対して、認識妨害のフィールドも備わっている
まぁ、今更どうでもいいこと
「ラス・イール・インペリューム」
システムを起動させる暗号を言い出し、地面が震えて動いた
草場に偽装した天弁が開い、中への通路も一階々降りていく
昔なら当たり前のことだけと、今や逆に懐かしくなる。冷たい金属の回廊に歩いたら心も静まる
今体小っちゃいから、近接戦の武器はやめおいて、銃器くらい使えばいい。弾の制限はいつだっていやだが、今の場合、体力で剣を振るうより持久戦に向いている
直接廊下のつきあたりまで辿り着く、そこにある特別な模様が描いた貯蔵室に入って、当たり前のようにコンテナに並んだ装備品を選び始めた
【元より当たり前のこと、帝国のものは余のもの】
今手にした拳銃、ダマスカス鋼に鍛えた表面に金色のラインが刻み込み、そこからケイオスクリスタル特有の黒い光のエネルギーが流れる、二千年の歳月を超えてもなお新品同然。将軍や総督にしか配ばない紛れもなくの上級品
この部屋にいる他の装備も大体同じ、今は自分一人だから全部運べないのも惜しい
まぁ、いつだってここにいるし、後でまたのんびりと運べばいい
貯蔵室から出たら後、上に上がる階段も見つからず、ただ同じ地下のどこかへと繋がる扉が1つ
元の道で戻すのも悪くないが、せっかくこんなところまで来たんだ、少々野放しさせてもらう
軍用の対魔フィールドとインナーを身に付き、爆発・魔力ジャマ・発煙のグレネードそれぞれ2枚をベルトに、拳銃1本とうちの店から盗んだダガー。全装備チェック完了、問題なし
扉のボタンを押して自動に開く、向こうは苔まみれの地下洞窟、川に沿って生えた苔の緑が生気なし岩の空間を彩る
更なる先はとても大く広がる大空洞、およそ数百メートルもある、ただ岩石で出来いる平地
道理でこんな地下に繋ぐ。兵隊の訓練も新兵器の研究も適している場所
自然の香り、滝の音、血の匂い
...!
一瞬だけ遠くへ睨んで、すぐ内側に戻し、扉を閉め
ローブを纏う人が3人、地に同じ姿で死んだ一人
凄まじい広がるこの地下空洞で魔法陣を描いて何かのしようとしている
生贄を捧げて......召喚?どうやら異世界、異空間から超自然的ななにかのバケモノを呼ぶ気。
帝国が崩れ、歴史になったこの時代、魔法を使うのも別に何か怪しいことではない。しかし血祭りまて捧げ、コッソリとこんな人知れずの地下奥で儀式遂行、どうにもまともな魔法使いと思わない。邪教徒かあるいは軍に属した特殊部隊
…!よっし!
僅かの時間で計画済み
「なにか妙な音......?バレたか?」
ローブを纏った男は仲間と語る
だか、答え得らずに、金色の光の弾丸が次の一瞬で男の頭を貫いた。首だった部位は完全に素粒子まで分解され、血も出らずに倒された
「敵襲!」
すぐに反応した他の二人、片手でバリアを張り、もう片手でそのまま手元から炎の大玉を溜めて
ワンド使わずに、僅かな時間で放たれた火の玉
【媒介なしで無詠唱…魔法使いの小賢しい技も進化したか】
しかし、ファイヤーボールがルナディアに装備した対魔フィールドにぶっつがった瞬間、ただ些細な波紋が広がり、魔力により生成した炎は一瞬で魔力へと還元し消えた
普通のファイヤーボールが通らないっと見た男たちは更に凄まじい魔法を溜めて、なにかドデカイ花火を放つ模様
通るかよーー!
ベルトから魔法ジャマのグレネードを取り下げ、投げて
着地も待たずに拳銃を挙げて撃つ
空中で炸裂したグレネードから磁気の霧のようなものが広がり
禁魔域、展開
星命力に似た性質だけと魔法の媒介になれない人造物質を撒き散らし、霧が展開した範囲内で魔法の発動と発動した効果を強制終了
魔法を発動する際の魔法使いにとって、それがまるで深呼吸した際に屁を吸い込んだ同然、強烈な不快感と様々な副作用を引き起こし
【ナイスカット、私!】
魔法使いたちが展開したバリアは一瞬で消え、そのタイミングに乗じて引き金を押したギルベルト、再起させる暇を与えることなく、男たちの頭を狙って二発のビームを次々と撃ち出し
ヘッドショットで一撃必殺、首なき屍になりて倒れていく魔法使い
しばらくの時間を待ち続いて、自爆やゾンビ化とかの隠れ手がないっと確認したギルベルトが倒れた四人と地上の魔法陣を検査し始めた
「これがどいうこと...?」
この人たちに見覚えがない、恐らくこの辺りの人じゃない。共通点はローブに付けた、反転した樹のような紋章のみ。
分からんーー紋章を持ち帰って分析したいか、変な魔法が施したらヤバい、やめておく
うん、魔法陣の方、見た目から見ると召喚系の魔法、召喚先は不明。1人を生贄にして魔法の効力を高め、より強いやつを召喚しようとしている
ギルベルトがしゃがんでより詳しく調べたいその時、急に魔法陣が光る
「...!いかん!」
迅速に魔法陣から距離を取って、岩の後ろに隠れて臨戦態勢
何かが...来るぞ!
--同時、???--
ハイテクそうに見える格納庫、静かに聳え立つブロンズ色の巨大ロボットの下、謎の魔法陣が勝手に現わして描き始め、光っていた
「司令、これは?」
「超遠距離から受信、三号機、伝送シーケンス止まりません!」
「コロッサス三号機、動きました!」
点滅繰り返すアラートの赤い光の下、スタッフに見えそうな人たちが急いて動く、必死に魔法陣の中の巨大ロボットを止めようとしている
「テストパイロットは何をしている!至急連邦軍本部に連絡!トリントン基地に未知の攻撃を受け、起動実験中の三号機が奪われた!」
司令官の格好をした中年男性も焦っそうに指揮をとる
「ユウ......!早く脱出を!」
心配そうな顔をしていた女一人がコックピットの中にいるパイロット格好の男を引っ張っている
「だめだ!コロッサスを守るのが俺の使命だ!最後の最後まで、諦めるもんか!」
「ユウ!」
「わあァァァ!」
謎の斥力が発生し、コックピットの中にいる男を外に弾いた
「俺を拒むのか、コロッサス...!」
次の瞬間、約50メートル高の巨大ロボットは魔法陣と共に消えた
跡形もなく、未知のどこへ飛んだ
--ルナディアのところへ戻す--
「こいつ...?」
あの巨人はただそこに立つ
何か邪悪な悪魔か敵の大部隊か出たっと思ったら、機械の巨人
魔法の気配も感じない
見た目から見ると、帝国よりも高度な文明が開発した超兵器と思う
ルナディアは機械巨人の周りで慎重に歩く、芸術品を見る目で巨人のパーツを観察
「すごい...」
どんな言葉を尽くしても、この機械巨人の美しさを表現できないっと思ったルナディア、語彙力尽くした果て、一番地味で実用な言葉が出た
直線的な外見、硬い表面に通じて鋼の強靭さが伝わる、硬度は100%ダマスカス鋼以上
ゴーグル型のマスクの下に隠された二つの目、張りそうな口
デカくて力に満ちた両腕、何の武器も装備していないけど、これだけで敵をワンパンで始末できそう
見た目だけで果てしなき強靭さが伝わる
【心がドキドキする~☆】
ちょっなにを!この心声絶対私じゃないからなぁ?!これじゃまるでデカイロボに発情したバカ痴女じゃないか!