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Episode 2 月の御子

「......」

 8年の時は経った

 今の俺は、いや私は、いや、やはり俺

 俺はルナディア、貴族じゃないから姓氏はない、鍛冶屋のスミスと商人の娘ナンナの…その…娘

 いや認めるたくない!やはりミライヴィアに図ったなぁ?

 顔が妙にあの子に似たような、無二の美人だけど見た目はどうも脳天気で…なんでいうか…アホだな

 やはりあの時、あいつにやられたからこんな形になったのか?

 女になるのも、この顔も

 公的に恨みはないか、私的には撃ち返せねばならない

「覚えてやろう…ミライヴィア!」

 誰もいない川に向かい、勢いを貯めて叫びたいが、結局小娘の泣き声も同然

 物理的に小娘だから仕方ない…とかはさすがに認めたくない

 少々頭を冷やしたら、再び考えを取り戻した

 本来、生まれた後、すぐにでも整理すべき状況だけど、自分が女であることを知って、気絶した

 目覚めたからも、さすがにショックして、そいう気分になれない

 のちは基礎教育や家の店で手伝うとかでちょっと忙しくて忘れた

 そもそも、文献なしで過去の出来事を知るかのはほぼ不可能、買うにも金がかかる

 図書館があればいいかっと嘆きたいが、嘆いたところで何も変わらない

 って、今がその時だ

 民家の一娘としてちょうど小遣い貯めてるし、暇もある、自分一人で川辺で読書くらい、誰に見てもおかしくないことでしょう?

 さってっと…

 この世界はまだイール・エラン、年月的には約2300年くらい経った

 ううん、多分あの竜が放たれた1発の衝撃でヴィシュアが消失、超大陸も砕かれた、今やいくつかの大陸に分かれ

 ミライヴィアもう伝説になった、多分あの天竜アーゼリスの名前と交わって、今や聖王アーサーとして謳われ

 聖王アーサーは白き竜との戦いの最後、竜と共に失踪

 そして自分......<最後の暴君ギルベルト>......倒されたから数年、幾つの地方共々王を名乗り、帝国は内乱の中に崩れ

 ......竜め

 手元の書物を読むほど、あの白竜に対する怒りが滾る

 今やただのおとぎ話扱われった物語だが、私…俺には分かる、そこに眠る真実

 でも怒るだけで、何も変わらない

「ええーと、地図、地図…あっ、ここ」

 5歳ごろ、誕生日のプレゼントとして親父から貰った革製で素朴なショルダーバッグ

 やや小さめの書物と鍵のまみれに飲まれた地図を探し出して

 天竜神に砕かれた超大陸がいま、3つの大陸と無数の島に分かれ。

 地図から見ると一番西北方にいるのはアフタニア、ここはあの古戦場に近い大陸、その西北方にドデカイ三日月形の崖、恐らく、その分は跡形もなく消されたんだろう

 その次にいる、東方の大陸コラテヌ、多分衝撃で南北横断の真っ直ぐになっている。岩石が多く、火山活動も多いと聞く

 下…南方にいるゲラテクス、南極に近いし、水の都と氷の森といった奇跡が有名

 そして今いるのはここ、アフタニアの西南にいる、海辺の小さい漁村ソモン

 ううん、ギリギリ破損前のテトラニアと合わせたが、これまで年月が経ったし、詳しい古代地図もない、それにあの衝撃も大きすぎて、幾つの土地が酷く変わられ、どこまで当てるか本当に把握できない

 地図から見る僅かな距離でも、現実だと何日かかるかもしれない

 …やるか?ルナディア?

 できるか?ギルベルト?

 位置を合わせて、帝国時代の遺跡を発掘して

 町はともあれ、地下に隠された武器庫なら、あれほどの衝撃でも、1つや2つ、残してもおかしくない

 上手くいけば、なにか使える制式兵器が見つかるはず

 自分の装備を見つければ最高っと本音だが、まぁ、制式の程度で十分

 私の、俺の、余の誇りと勢いをかけて

「むむむ…」頭の中で全力サーチ、過去の布陣「一番近いのは......ここ?」

 ちょうど村から北方向へ1時間あたり

「この位置って、ガトラニア軍団の駐屯地」

 貰えるものの範囲を心の中で推測し、この先の計画を更に図る

 確かにこんな体で一人冒険するなんで危険、でもピンチの中で、何かを目覚めさせるかもしれない

 助力はほぼ得られない、奇遇に偽装するのも不可能だし

 一人でいくしかない

 思ったらすぐやる、昔からそうだ、ギルベルトという人は

 鍛冶屋の娘だから、小遣いは多少ある

 本当に地味な漁村だから上品ところか、並みのアイテムもほぼ売ってない

 最低限度で包帯とかを買って、残りはお家で剣くらい1本盗めば、戦うすべはある

 今日は準備、終わったらすぐに寝る、夜中に出掛けて

 上手くいけば両親が起きる前で戻れる

 無理無茶無策に無謀を上回るバカ作戦だな

 でもこうしないと、多分普通の娘としてこの田舎で暮らすしか道はない

 生憎どっちも御免だぞ

 っと......計画はこれなら、今は......寝る!

 どれに認めたくないのも、今は小娘の体、ちゃんと休めないと気力はない

「ぽんーー」

 あっさりと家に帰え、勝手に寝る

 両親が知らない内に、小っちゃいルナディアの冒険は今夜から始まる

 そして時は流れ......夜中へ

「よーしっと」

 誰にも気づかれないようによう、ルナディアは起き、こっそり北扉に向かう

 今でも見張りの防人があったが、大抵の注意は外側にいる

 灯火の影に忍んで檻のない水辺へ移し、音出せないよう、生足で水を渡す

「う、ううん」

 できるだけ声を抑えて

 生足で水を触れた時の触感、やけに自分が幼女であるを自覚した

「とにかく行くぞ!」

 余計な考えを捨て、外側に潜り込んだルナディアは周りの森に突っ込んむ

「何か小動物か?」

 もうここまで来て、防人に聞かれたところでなぁにもならん

「大したものじゃないだろ。見張りを続けろ!」

「はぁ!」

 ......追ってこない

 まぁ、どっちにしよ、全力全速で突っ走るぞ

 こうして、一筋の青き光は密林に走る

 一時間...いえ、あくまで十分程度

 カッコそうに見えるが、持久力が全然追いつかない

「はぁ…はぁ…もうだめ」

 急いすぎたか、私

 すべて準備万端っと思ったら、自分の体だけに気づいていない

 いや、気付きたくないだろう

 全身ぺたぺたで、筋肉も限界

「ガゥゥゥゥ」

 な、なにかくる

 獣の唸り声のような

 私、ここで食べちゃう?!

 さすがにこうなるとナレーションの真似もできない

 はい、実はこの前のナレーションぽい心声、それ、私なんだけど

「う、ううう」

 できるだけ自分を隠れ、両手で頭を抱いて

 本能がよこの姿?!

 …!

 だから俺と関係ないですからね!

「しゅー」

 何かに舐められた感じ

 暖かくてぬるぬる

「私を…食わないか...狼さん?」

 想像して見れば、自分にも自分に魅惑そうな顔

 無邪気な瞳を大きく開く、目の前の生き物に祈る

 銀色の髪が月明かりを映して、更に輝く、神秘で神々し雰囲気

 そんな狼が今、私の前に

 先に言っておく、これ絶対余の本音じゃない、この体が身勝手な行動をしただけよ?

 手を伸びて触りたいっと、狼がゆっくり口を開いた

 声が、口より直接頭に響く、狼の声

「待たせた、月の御子(ルナディア)

 私じゃない私を呼んでいたそう

「私を...知っている?」

「…」

 何も返事していない、ただ頭を振り返って乗れっと

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