光の顕現
自分の甘さを身をもって痛感する。
世の中は弱肉強食で、弱い者は常に狙われているのだ。
世界の全ての人が悪い人とは思わない。
けれど、今、自分がこのような状態になっているのは、自分の甘さが招いた結果なのだ。
気持ち悪い・・・・・・・
押し付けられ、飲まされ、私は汚されてゆく。
涙はとめどなく流れ、私を絶望で包み込む。
助けは来ない。叫ぼうにも声は出ない。
受け入れがたいが、今はなされるがままだ。
一刻も早くこの事態が終わることを祈るばかりだった。
男は私の下半身の前に座り込み、一線を越えようとしている。
何をされるかは分かっている。
それだけは避けたかった・・・・
(レイト・・・・・)
レイトの顔が浮かぶ。
(こんなことになるなら。。。レイトと、、、、)
しておけばよかった・・・・・
バドラックの顔のほほが緩む。
そして、そこを破られそうになったそのとき・・・・・
「りああああああああああああああ!!!」
と、私の大好きな人の声が響いた。
何が起きたのか・・・・・
私もそうだが、バドラックもまた、驚き、硬直し、その声を方を振り向いていた。
キラリ・・・
と白刃が空を舞う
キィイイイイイイン
レイトの渾身の一撃を、バドラックは腰に差した脇差で防いでいた。
「リアに何をしているぅうううううう」
レイトの顔がおよそ見たことの無い怒りの形相をしていた。
そのレイトを脇差で弾き返し、バドラックは態勢を整え、レイトに対して構える。
バドラックの下半身は裸のままだ。
「ち、ジーンの奴、結界を掛けやがらなかったな・・・?」
ジーンの裏切りを感じ、バドラックは苦々しく言葉を吐き捨てる。
「リア姉ちゃん、今助けるからね」
バドラックから視線を外さずに私に声を掛ける。
(なんで・・・・レイトが・・・・・??)
ここに来てからというもの驚くことばかりだ。
しかし、この驚きは嬉しかった・・・・・。
(レイト・・・・・!!)
声はまだ出せなかったが、助けに来てくれたことを心の底から嬉しく思った。
「ち、しかし、、、王国騎士だろうが、、、なんだろうが・・・・ガキが。このバドラック様の楽しみを邪魔した事、今すぐに後悔させてやる。」
「俺は、男には容赦しないぜ??」
バドラックの自信は本物だと私は思った。レイトは確かに強く、王国騎士になれたほどだが、このバドラックと言う男からは百戦錬磨の凄みを感じる。
助けに来てくれたのは嬉しかったのだが、レイトが傷つく姿も見たくなかった。
(レイト・・・・逃げて・・・・)
このまま私は凌辱されても命は取られないだろう。。。しかし、レイトは、、、殺されかねないと思った。
それほどの実力差を感じてしまう。
(貴方に、死なれたら、、、わたしは・・・・)
バドラックとレイト…二人の姿が交錯する。
刃物の打ち合う甲高い音がこの洞窟に響き渡る。
剣撃というものはどうしても体重差がものを言う側面もある。
私の心配の通りに、レイトは劣勢に立たされてしまっていた・・・・
「てめえの見ている前でリアちゃんを犯すのも楽しみだがな」
武器を弾かれ、バドラックに組み伏せられて、レイトは身動きが取れなくなってしまっていた。
「てめえは腐っても王国騎士だからな。俺は油断はしねえ。」
「だから」
「死にな!!!!」
バドラックの右手に持っている脇差が、レイトの心臓に向かって振り落とされる。
どくん・・・・・・・・
スローモーションになる・・・・・
どくん・・・・・・・・・
一秒後に、レイトは死ぬ、、、、殺される、、、、、
ドクン・・・・・・・・・
私のせいで。。。。私を助けようとして、、、、、
ドクン・・・・・・・・・
私の浅はかさのせいで・・・・・・・・
ドクン・・・・・・・・・・・!!!!
「れいとおおおおおおおおおおおおおおおおお」
出なかった声が・・・・・出た
瞬間、私の身体は光に包まれていた・・・・・・