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とある世界の転生記  作者: 覚醒ごま油
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ようやく

異世界転生を決めたはいいもの、どうやって行こうかな。うーん飛び降りは怖いし、窒息は苦しいし、できるなら苦しまずに一気に逝きたいよな。

と思いつつ両親の火葬が終わった。

自然と涙は出なかった。不届き者でごめんなさい。


やっぱし良いことしないといるかわからない神様に願いを聞いてくれないのかな。

というか、両親は異世界に行ったのか?

俺が今まで読んだ転生ものの小説は20〜30代くらいにこの世とおさらばしていたけれど、40〜50代はないかな。


よし、良いことをして転生しよう。

ボランティア中にコロッと行くか。


その日から俺は、学校を辞めて朝から夜までゴミ拾いに熱中した。

寝ずに続けることで過労死できるかもという浅い考えだ。

と考えつつ1日が終わる。


今日もまたゴミを拾う。毎日毎日続ける。 苦しくなってきた。 何でこんなことをしているのか。

何でこの方法なのか。 もっと考えればよかった。


歩道のゴミを拾う時、あるものが目に留まった。

子供が赤信号を歩いてる。 そこにトラックが突っ込もうとしている。


俺は走った。寝不足な体にムチ打って走った。

痛い。 身体中が痛い。 こんなんになっていたなんて気づかなかった。


スローモーションに見える。 ぶつかるまでが永遠に続くように思える。


ギリギリのところで子供の襟を掴む。 そして、グイッとこちら側に引く。

その時、俺は考えていなかった。子供を引っ張ると反動で俺が前に出てしまうことを。


『ドンッ』


鈍い音が響く。 女性の叫び声が聞こえる。 周りがザワザワし始める。

どうやら俺は轢かれたようだ。 嬉しいのか痛いのか。


ふと、轢いたトラックの運転手を見る。眠ってもいない、動揺してもいない。

そのまま走り出して行ってしまった。 轢き逃げだ。


でも、ようやくこれで異世界に行けるのではないか。


俺は喜んで意識を手放した。

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