第一回あの子を振り向かせたい会議
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです〜
ガルセイア王国、深夜の王宮。王宮どころか王都全体が寝静まったかのような静かな夜。
黒いローブを着込み、フードを目深に被った怪しい風体のその人物は、あろうことか王太子の居室から姿を現した。
滑るように廊下を進み、見張りの兵士たちを難なくかわすと、隙間から光が漏れている一室に体を滑り込ませる。
中には同じような服装の二人の男。
「待ったか?」
男は扉を閉め鍵をかけると、ローブを脱ぎ捨てながらそう言った。
現れたのは金髪碧眼の青年。
ギルバート・ガルセイア――この国の王太子だった。
「いいや、俺も今来たところだ」
次いで、部屋にいた二人のうち一人がローブを脱ぐ。現れた男は黒髪で、他の二人より幾分体格に恵まれている。
アール・ウェルズ――騎士団長の長子だ。
「同じく。それより、早く始めましょう」
最後に姿を現したのは、サラサラした肩までの銀髪の男。
マーティン・トンプソン――宰相の跡取り息子である。
三人は部屋に盗聴魔法の類がかけられてないことを確認すると、防音・入室不可の魔法を入念にかけ、大きな横長の紙を壁に貼り付けた。
その紙を背負うように席に着いた王太子・ギルバートは、長く息を吐いたあと、こう宣言した。
「それでは……『第一回あの子を振り向かせたい会議』を、ここに開催する」
***
ギルバート、アール、マーティンの三人は、言わずと知れた貴族令嬢たちの憧れの的だ。
全員が同い年の十八歳で、『王太子殿下のご学友』になるべく四歳から交流を始めた幼馴染。その関係は表面的なものではなく、それぞれ「親友」と言って憚らないほど。
王太子ギルバートは、一際美しい容貌と、次期施政者らしいカリスマ性が魅力。
騎士団長子息アールは、さっぱりした性格と逞しい体躯、戦闘力が魅力。
宰相跡取りマーティンは、智略に長けた頭脳と、青年とは思えない落ち着きと包容力が魅力。
――――と、言われている彼らにも、悩みくらいある。
「あ"ーーーー」
真面目な顔で『第一回あの子を振り向かせたい会議』の開催を宣言した直後、王太子ギルバートはおっさんみたいな呻き声を上げた。
ファンの女の子たちが聞いたら目を丸くするだろう。
「シルビアが、シルビアがな、俺に興味ゼロなんだ。もう婚約して十二年も経つのに……」
そう言って円卓に突っ伏す。ちなみに彼の普段の一人称は「私」である。
ギルバートは国内有力公爵家の令嬢・シルビアと婚約している。ギルバートの悩みは、その彼女が全く自分に靡かないことであった。
「やっぱりあんなに可愛い子は俺なんて眼中にないのかな……」
「あー、ギルバート、前からお前に聞きたかったんだが」
言いにくそうにしながら挙手したのは、騎士団子息アールだった。ギルバートが顔を上げる。
「お前、本当にあんなキツそうな女性でいいのか?」
「は!? お前ッ! 表出ろッ!」
「どうどう、ギルバート、どうどう」
瞬間、ギルバートが血走った目で身を乗り出す。宰相跡取りマーティンが宥める。
「シルビアはな、つんと吊り上がった猫みたいな目がとんでもなくキュートで! 王妃教育を完遂するほど努力家で! 最高の女性だわかったかこのやろッ!」
「怖っ……落ち着け」
アールは胸ぐらを掴まれながらドン引きした。
ギルバートは頭がキレるが、婚約者が絡むと途端にバカだった。
クソデカい横長の紙に『第一回あの子を振り向かせたい会議』とでかでかと書いたのも彼だ。
「次それ言ったら殴るからな」と宣言して、ギルバートはようやく席に着いた。
「そういうアールは最近どうです? エステル嬢と」
「あ、ああ、えっと……」
宰相跡取りマーティンが話を振ると、さっぱりした性格のアールが珍しく言い淀む。そして大きな手で顔を覆い隠した。
「商会の品物をいくつか渡されてだな、色んなところで使うよう言われてる……」
「ああ、広告塔としか思われてないな」
「良いように使われてますね」
騎士団子息アールに婚約者はいない。彼は将来的に子爵家も継ぐことになっているが、相手は平民でもいいので自分で見つけるよう両親に言われていた。
そんな彼が半年前のある日夜会で出会ってしまったのは、エステルという女性で平民――といっても、主に服飾関係を扱う大商会の一人娘。
しかも一筋縄ではいかない性格だった。
「デートの誘いをしようとしても、気づいたら商品をお薦めされてて、しかもそれが上手くて、つい買っちゃうし」
「あれ、広告塔っていうかカモ?」
「だめですねこれは。アールはまずその関係の脱却を目指してください」
マーティンが言い、ギルバートがうんうん頷く。
「マーティンはどうだ? 少しは改善したか?」
ギルバートの言葉にアールが顔を上げる。マーティンは妙に凪いだ目で遠くを眺めた。
「改善、してると思います?」
「いや……ごめん」
「してたらここにいないよな……」
幼馴染二人の気遣わしげな態度が、逆にマーティンの心を抉る。
「僕の婚約者は相変わらずで……僕と一緒にいると、まるで無表情、虚無です……」
宰相跡取りマーティンの婚約者ローレンは普段淑女を絵に描いたような侯爵令嬢だ。
友人相手には楽しそうに笑ったり微笑んだりするのを、男三人も学園で何度も見たことがある。
しかし彼女は、自分の婚約者であるマーティンに話しかけられたり近づかれたりすると、すぐさま表情筋の活動を停止する。
淑女の笑みはどこへやら。何を言ってもくすぐっても驚かせても究極の真顔。
マーティンが「僕、嫌われてる……?」と気づくのに時間はかからなかった。
三人が一様にお通夜モードに入る中、「でもさ」と声を上げたのは王太子ギルバートだった。
「マーティンの婚約者はさ、表情でお前を拒否するかもしれないけど、うちのシルビアみたいに言葉ではしないよな」
マーティンは少し考える。――――言われてみれば。
デートに誘うとき、絶対零度の無表情を返されそうと、答えはいつも「はい」だ。
「お前のとこはまだ何とかなるんじゃないかなぁ」
ギルバートはそう言い終えると、突如「やってられるか!」と叫び、持ってきた酒で瞬時に酔い潰れた。
「シルビア、シルビアぁ……」
うわごとがうるさいべろべろの王太子をアールと二人で部屋まで送り届けた後、マーティンは帰路で星を見上げた。
「『まだ何とかなる』、か……」
そして普段は鋭い幼馴染の言葉を反芻した。
***
ローレンは根っからの貴族令嬢である。早い段階で次期宰相の妻に内定していた彼女は、気品もあれば頭も良い。
――――しかし同時に、ただの十六歳の女の子でもあった。
「ああどうして、どうして上手くいかないのでしょう」
婚約者のマーティンと話したあと、彼女は必ずこう呟く。
彼の前で、自分はおかしくなる。出来ることができなくなる。緊張して舌がもつれる。
それはまさしく、苦しいほどの恋だった。
ある日ふとした瞬間に想いは決壊した。学園で友人と話していたら、ローレンは遠くから視線を感じた。
主を探せば、中庭にいる自分を校舎の窓から見ている、大好きな人と目が合った。
「――!?」
顔が固まる。笑顔が消える。
それでもマーティンは優しいから、いつも通り少しだけ笑って手を振ってくれるはずだった。
けどその日は違った。
ふい、と視線が外される。
――――無視された。嫌われた。愛想を尽かされた。
目の前が真っ暗になって、ローレンは訳も分からず駆け出した。
足はマーティンがいたところへ向かっていた。
中庭の曲がり角を曲がって、校舎に入ろうとした、そのとき。
「おっと」
誰かの胸板に額がぶつかる。ふわりと知っている香りが鼻をくすぐって、ローレンはすぐさま顔を上げた。
「ローレン嬢、今いいですか? 話したいことがあります」
事もなげにローレンを柔らかく受け止めて、マーティンはそう言った。
――――婚約破棄?
最悪の四文字が脳裏をよぎる。
――――動いて、顔。笑って。お願い。
必死に願っても意味はなかった。笑顔は作れず、弁明の言葉は出ず。
代わりに涙がぽろぽろ溢れた。
「え!? え!?」
マーティンが珍しく慌てふためいている。
ポケットに入れていたらしい包み紙を手早く開くと、何かをローレンの頬に押し当てた。
「……?」
それはエメラルドグリーンと白いレースのハンカチだった。
「これ、あなたの瞳の色のようで、プレゼントしたくて……。いやそんなことより、どうしましたか? 誰かに何か言われましたか? 教えてください、僕が必ずや相手を完膚なきまでに叩き潰してご覧に――」
「ふ、ふふ」
小さく漏れた笑い声が自分のものであることに、ローレンはまだ気づいていない。
ただ、嬉しかった。嫌われていなかったことも、ハンカチのプレゼントも、自分を心配してくれていることも。
だから気付かぬうちにとびきりの笑みを浮かべた。
「違うんです。ただ、マーティン様のことがとても好きで」
小さな声はそれでもしっかりと届き、マーティンは顔をじわじわと赤く染め上げ、最終的に茹で蛸になった。
ローレンはそれがおかしくて、またころころ笑った。
***
「――――と、いう訳です」
「いやどういう訳だ」
再び深夜の王宮。顔を突き合わせて話し込む三人の男。
マーティンが機嫌良く、つい数日前の出来事をギルバートとアールに語っている。
ただ一つ前回と違うのは、ギルバートの背後のデカい紙に描かれた文字が「第二回」に変わっていることだ。
「結局なんで無表情だったんだ?」
「さぁ……わかりませんが、自分で克服したようですし、そもそも無表情でもローレンは天使みたいに可愛いし、問題ないでしょう。それに僕は――」
マーティンは一度言葉を切って、幼馴染二人が自分の話を聞いていることを確認した。
「『とても好』かれてますから」
「ぐあっ!」
「ごふっ!」
鼻高々なマーティンの一撃で、今なお終わりの見えない片思いに苦しんでいる他の二人は大ダメージを負った。
「だからまあ、こんな会議出席しなくても良かったんですが? 弱者に手を差し伸ばすのもノブレス・オブリージュですから?」
「マジで急に偉そうだな」
「こいつ一回シメようぜ」
アールとギルバートが半ば本気で言ってもまるで効果がない。
「それで、君たちの恋路はどうです? まずギルバート」
「一昨日シルビアに『大好きだよ』って伝えたら、『わざわざ私の機嫌をお取りにならなくても大丈夫ですわよ、愛妾ならどうぞご自由にお作りになって』って言われた」
「その絶望的な誤解を解いてから出直してください! 次、アール!」
「エステルにまた商品を渡されたから、『俺は君にとって何だろう』と聞いたら、『良いカモ――失礼、友人として良いかもしれない方よ』と言われた」
「しっかり漏れてる本音!」
ちっとも良くならない状況に自然とため息が出る。そんな中ギルバートが顔を上げ、
「でもさ、俺のシルビアと違ってエステル嬢はアールと積極的に関わってくれるんだから、悪くは思われてないはずだよな」
と言った後、突如「シルビアに会いたい!」と叫んでわっと泣き出した。情緒不安定である。
マーティンと二人でギルバートを部屋に連行してから、アールは帰路で星を見上げた。
「『悪くは思われてない』……?」
そしてたまに核心をつく幼馴染の言葉に首を捻った。
***
「エステル殿!」
学園でエステルに会うことができないアールは、数日後の夜会で愛しい彼女の姿を見つけた。
「アール様、こんばんは。今日もあなたに似合いそうな小物をいくつか――」
「あの、なぜ俺を広告に使ってくださるんですか?」
アールの唐突な質問に、エステルが大きな目をぱちくり瞬く。
アールはいつも、ビジネスではない関係を築くにはどうしたらいいかを考えていた。
だから、『なぜ自分が彼女のビジネスに使ってもらえるのか』を考えたことがなかった。
エステルが「そうねぇ」と口を開く。
「あなたは美しいだけじゃないわ。誠実で、嫌味がなくて、男性からも好かれる。ただ女性に人気がある方は他にもいるけれど、あなたみたいな方は珍しいわ。――――何より」
彼女は商家の娘らしい理由をいくつか並べてから、
「そういう方を着飾るのは、とっても楽しいもの」
そう言ってふんわり笑った。
年頃の娘らしい等身大のエステルを、アールは初めて目にした気がした。
そして気づけば跪いて彼女の手を握っていた。
「俺を一生、あなたの広告塔にしてくださいっ!」
「あら、プロポーズかしら? よくってよ」
勢いで動いていたアールは、数秒ぽかんと口を開けて固まった。
エステルの白い肌が薄桃色に染まっていくのを目にして初めて、アールは自分が王都一幸せな男になったことを自覚した。
***
「残るはお前だけだぞ」
『第三回あの子を振り向かせたい会議』にて、幼馴染の立て続けの『幸せ報告』に胸焼けを起こしながら、ギルバートは頭を抱えた。
「俺は愛を伝えてるのにシルビアは、『だから私の機嫌をお取りにならなくても、あの男爵令嬢との仲を邪魔したりいたしませんわ』って言ってて……」
「あっそれ俺も思ってた」
「僕も」
「え?」
アールとマーティンが顔を見合わせる。
ギルバートはそんな二人を訝しげに見る。
「ギルバートとあの男爵令嬢、学園でよく一緒にいるところを見るが、仲良いのか?」
「えっお前ら、シルビアが言う『男爵令嬢』が誰のことかわかるのか? 俺さっぱりなんだが」
「「は!?」」
キョトンとするギルバート。他の二人が唖然とする。
ギルバートは「実はな」と前置きして恥ずかしそうに言った。
「俺、シルビア以外の女性はみんなジャガイモに見えるんだ」
「ジャガイモ……?」
「ああ。シルビアに比べたらみんなジャガイモだ」
「お前そんなで大丈夫なの? 王太子として」
アールは不安気だが、マーティンは納得した。ギルバートのバカにつける薬はないので、考えるだけ無駄なのだ。
「とりあえず、あの男爵令嬢をどうにかしろ」
二人の幼馴染にそう厳命されて、ギルバートは記憶を探った。
自分はこんなにも悩んでいるというのに、幼馴染二人は「彼女を今度どこに連れて行くか」とか「何をあげるか」とかをきゃっきゃっと話し合っていて、恨めしさで血涙が流れるかと思った。
「ジャガイモが原因……? 男爵令嬢の、ジャガイモ……」
***
翌日、学園。
脳の容量を授業中でも6割、授業時間外は9割「シルビア」に割いているギルバートは、例の女性を探すべく周りに意識を向けることにした。
すると、一人の女性が自分の腕にしがみついていることに今初めて気がついた。
「あれ、もしかして君が例の男爵イモ令嬢かな?」
「男爵イモ令嬢!?」
ぎょっとした様子で、小柄な女性がギルバートを仰ぎ見る。ピンクのふわふわした髪の知らない令嬢だった。
「ち、違います! 私はガイモー男爵家のジャンヌですっ!」
この子でアタリのようだ。もしかしていつも自分の腕にしがみついていたのだろうか? ホラーか?
考えても仕方ない。それより、彼女には自分を諦めてもらわなければならない。
「すまないね、ジャガ・イモンヌ嬢――」
「誰それ!?」
「私には最愛の婚約者がいるんだ。頑張り屋さんで、可愛くって、世界一素敵な女性だよ。だからね、君とどうこうするつもりは少しもないんだ」
ジャガイモはショックを受けたようだが、すぐにハッとして表情を引き締めた。
「いいえ、ちゃんと考えてみてください。あなたには癒しになるパートナーが必要だわ。だってシルビア様はただ能力があって、綺麗で、魔力が強くて、料理が上手くて……あれ、完璧?」
「ほんとそれな」
ギルバートが神妙に頷く。ジャガイモは一生懸命頭を振る。
「いえっ、いえいえ、だってあの女は――」
そして、『言ってはならないこと』を口にした。
「すっごく『キツそう』だものっ!」
「お前ッ! 次それ言ったらタコ殴りにするってこの前言ったよなッ!?」
「え!? いや言われてない! 言われてない!」
『優しい王太子』が豹変する。ジャガイモは本能で危機を感じたようだがもう遅い。
高濃度に圧縮された魔力がギルバートの体を満たしていく。
空気が蠢き、風が逆巻き、ギルバートを中心に魔力の竜巻が起こる。
「ギルバート!」
「何やってんだお前!」
慌てて止めに入ったのはマーティンとアールだった。ギルバートが男爵令嬢を認識できるか心配で陰から様子を見ていたのだ。
だがそうこうする間にも、ギルバートは光の化身のように変わり果てていた。
皮膚が魔力で発光して見えなくなり、ただ周りに「命の危機」を感じさせる。
「コレは、キュウキョクハカイマホウ……マワリのダイタイスベテをハカイスル……」
「なんちゅうもん繰り出そうとしてんですか!」
「お前それでも王子か!」
これは幼馴染二人にも止められない。
もうダメかと思われたそのときだった。
「あの、殿下……っ」
聞こえたのは、ともすれば聞き逃してしまいそうな、か細い声。
「シル、ビア?」
だが同時に、ギルバートだけは決して聞き逃さない声。
魔力の暴風に負けそうになりながらも、背筋をピンと伸ばして、黒髪の公爵令嬢が姿を現した。
「あの私、隠れて聞いていたんです」
「……ドコカラ?」
「男爵イモのくだりから」
「アア、サイショカラ……」
なぜかさっきから片言のギルバートに気後れする様子もない。
「私、ずっと自分に自信がなくて……! 殿下に愛していただけるか不安で、あ、愛妾を作ってもいいとか予防線を張ろうとして、だけど、本当は……!」
シルビアは普段の冷静さはどうしたのか、両手をぎゅっと握りしめて顔を赤くしていた。
ギルバートは「シルビア可愛い」に脳の容量が10割持っていかれるのを感じた。魔力にぴしりと亀裂が走る。
「あなたを、愛しています……っ!」
「俺もだよ……!」
二人は固く抱きしめあった。
その瞬間、ギルバートを覆い尽くしていた魔力の結晶が粉々に砕けた。バラバラ剥がれて、大気に溶けるように消えていく。
幼馴染の大団円に満足そうな顔をするアール、軽く涙ぐむマーティンは、大概恋愛脳だった。
ただ一人まともな感性を持っていた男爵イモ令嬢は、「愛の力か! 愛の力ってか!」と叫んだが、みんなあんまり聞いていなかった。
***
ガルセイア王国にはこんな言い伝えがある。
深夜の王宮には、時折決して入ることができない一室が現れる。中からは何も聞こえない。
だが確かに中に人がいる。
――――それも多分、青年が何人か。
第28代王であり、王妃とともに「おしどり夫婦」として歴史書にその名前を残したギルバート・ガルセイアは、その言い伝えについて次のように言及したという。
――――「そっとしておいてやれ」、と。
ありがとうございました!(誤字脱字等ありましたらどしどしお願いします…)