食材探し2
一安心出来たところで、さっきの角兎達にかけてみて、効果を確かめたくなった。
天狼の皮しかなかったので勿体無いが、ガラス瓶で投げて破片が刺さるのも怖い。
錬金釜に天狼の皮をいれ革袋の小さいものを作り、それを投げて空中でウィンドカッターで袋を破裂させた。
< ウィンドで飛ばせば良かったのでは? >
とナビさん。
早く言って欲しかった......
「 もうやちゃったし、いいの!
それより効果はあったのかな? 」
と見てみると角がついてつだけでクリッとした可愛い目の角兎になっており、とても解体はできそうになかったので、そおっとその場を離れた。
なのに後ろで音がすると思ったら、角兎の群れが着いてきてる!?
しかもピョンピョン跳ねる姿が可愛すぎる!!
生前の唯一の慰めが、飼っていたネザーランドドワーフだったので、気が付くと、立ち止まって撫でてしまっていた。
角兎の方も気持ち良さそうに撫でられている。
「 可愛いなあ......癒される......。
あれっ?何か色違いの小さな子がいる。
おいで、おいで。真っ白で可愛いね。
何で君だけ白いの? 」
鑑定してみる。
角兎(子供)群れのボス。
力が強い個体は真っ白な色が出るため、子供でも他の角兎達は従い、守る。
「 そっか、みんなこの子を瘴気から守って居たんだね。
もういっていいよ。
大丈夫だから 」
といっても通じてないのか一向に離れようとしないう角兎達。
< 懐かれたようですね。
連れて行ってはどうですか?
この辺は瘴気でおかしくなった魔物たちが沢山居ますし >
「 そうだよね......
君たち一緒に来る? 」
『 きゅーっ! 』
こうして一緒に暮らす仲間も増えて、癒されながら食材探しは続き、野菜も野生で生っているのを見つけ、葉物は角兎達用に、多めに採り、根菜系は少しずつ採っていく。
角兎達も木の実や果物なんかを見つけては、教えてくれるので、色々と採れた。
美味しい物は種を作って植えてみようと思う。
角兎達も安心して食べられる物の方がいいだろうし。
そろそろ家に戻ろうかと思ったところで、今度は猪みたいな魔物に出会った。
毛が火のように赤くなっていて、口元には大きな牙が見えた。
ちらっと鑑定すると、そのまま赤猪と書いてあった。
体当りされると、死ぬ、とも書いてあり、接近戦は危ないので足元を凍らせてみる事にした。
「 足を狙って、フリーズ!!
よし!!うまくいった!
動けなければ怖くない!あとは解体する!! 」
―スパッ!スパッ!と解体され、収納されていく赤猪。
ようやく片付いて後ろを見ると、自分たちが解体されるかのように、ガタガタ震える角兎達が居た。
「 そうだよね......怖いよね......
でも君たちには、何もしないよ 」
と言うと、白い角兎が先頭になり、地面に伏せた。
それに習い、他の角兎達も地面に伏せる。
「 えーっと...... 」
< 一生懸命働くので肉にするのは、許してください。ということですね >
「 だから食べたりしないよ!!? 」
やっと安心したのか、近くに寄ってきてくれた。