食材探し
昨日は、疲れていて気付かなかったけど、天狼を倒したときに魔石も回収されていた。
色は、赤いルビーみたいで、直径5センチくらいの丸い水晶のようだったけど、結構いい魔石が手に入った。
コンロに使用するなら10年は持つと鑑定で出ていた。
「 天狼ってランクの高い魔物っだったんだ!
それを、スパスパと切るって戦闘は初心者でも技は熟練って事?
いやいや弱いのから地道にやんないと、死ぬ気がする。
だからこんなにチートスキルなんだろうし、きっと危ない世界なんだ 」
せっかく魔導コンロが使えるようになったので、調理道具が欲しい。
錬金釜に鉄をどんどん入れて、鍋やフライパン、お玉にフライ返しを作っていった。
次に木のお皿やお椀、スプーンやフォーク木べらなども作った。
「 こんなに色々作ったから、食材とってこよう 」
サーチを発動し、食材に的を絞って自由に森を散策していく。
家から少し行った所で、開けていて日当たりが良い場所があった。
「 ここに小麦畑を作ろうかな? 」
周りには落ち葉等もあり、腐葉土を作るにはちょうど良かった。
錬金釜で鍬やスコップ等を作っていく。
元々森だけに自然の腐葉土も少しはあったので、それに落ち葉をウィンドで集めてきて錬金釜に入れていく。
そこに小麦粉を作った時に出たふすまなども入れていく。
時間経過しつつ、時折混ぜる。
鍬で土掘り、出来た腐葉土と混ぜていき、時間経過させる。
時々混ぜていくと、ふかふかの土が出来上がった。
その土で畝を作っていき、10cm間隔で穴を開け、2、3粒ずつ種を入れて、パラパラと土をかぶせていく。
「 少しずつ広げていこう。
よし!だいぶ時間かかったし、食材探しに行こうかな? 」
近くに食材があるみたいだったので、そちらに向かうと、目つきの悪い黒い兎達がいた。
額には角があり、鑑定して見ると、角兎と書かれていた。
「 天狼もそうだったけど、何で目つき悪い魔物ばかりなのかな?
兎だからもっと和めてもいいのに...... 」
< この森には、誰も近づきません。
人や生き物をおかしくさせる瘴気が全体を覆っているので。
生き物たちも今までに影響を受けたのでしょう >
「 えっ?此処で採ったものとか肉も食べちゃったし、私もここ来て二日経つけど......
今の所変化は無いよ 」
< 神様のアイテムや、それで作ったものには、光属性が付きますので、浄化されているのです。
それにあなたには神様の加護があるから、大丈夫です >
「 そうなんだ......びっくりした!
でも瘴気が人もおかしくなるなら、ここには誰も来れないね。
てか、来たとしたらどうしよう? 」
< 瘴気を消せばいいのでは?
錬金釜にあなたの血を水と一緒に入れてみて下さい >
「 血は苦手......どうしよう...... 」
錬金釜にウォーターを入れた時、何かが目に入って、涙がちょうど釜におちた。
―ボンッ!という音とともになにかか出来、鑑定してみると、【聖水】と書いてあった。
「 涙でも良かったんだ。
これで誰かに会っても大丈夫かな? 」