小麦粉作り
「 凄い!本当に野生の小麦を見つけられた!
これからの事を考えると、食べやすく、栄養価も高くしたいなあ。
それに、種も沢山欲しいし 」
< 可能です。錬金釜にいれて見てください >
「 出来るんだ!神様ありがとうございます!
じゃあまず、沢山種が欲しいから、小麦を入れて、栄養価の高い小麦をイメージして.... 」
―ポンッ
錬金釜いっぱいに小麦の種ができた。
次に、小麦を刈り取るための鎌も、木と鉄を入れて、鎌をイメージして作り、
収穫した小麦を引く石臼を作る為に、大きめの石と取っ手用に鉄と木を入れて、石臼の完成。
「 出来た!鎌もよく切れそうだし、これで粉が挽けるね。
全粒粉は栄養価が高いから欲しいけど、それだけじゃあ固いパンになっちゃう。
引いた後にふすまの破片を取り除きたいんだけど、それも出来るのかな? 」
< 可能です >
「 やっぱり出来ちゃうんだ!
錬金釜だけでも生きていけそうな気がするよ。
チート過ぎて、びっくり!! 」
< 一人で生き抜くには戦闘能力も必要です >
「 確かにね。
て言うか、普通に会話してたけど、ナビさんもチート? 」
< チートの意味は分かりませんが、一人で生き抜くために必要なナビだと思って頂ければ >
「 神様の一人で生きるのに必要な力と私が思っていたのと、なんだか差がすごいんだけど、気にしたらダメなとこなのかな? 」
考えても仕方ないので、よく切れる鎌で次々と小麦を収穫していった。
本来、脱穀するのに2週間待たなくてはいけないが、食料事情を解決するのに、どうしても小麦が欲しかったので、錬金釜を信じて入れてみることにした。
収穫して小さな束にした小麦をどんどん釜の中に入れていくと全て収納することができた。
「 風を入れて、乾燥させたんだけどどうしたらいいかな? 」
< 風をイメージしながら、ウィンドと唱えて見て下さい >
「 ......ウィンド 」
と唱えると小さな竜巻のようなものが出てきて、釜にすいこまれていった。
―ドンッ!
という音を立てて小麦の束が出てきた。
収穫したての小麦は黄金色をしていたが、薄い茶色になっていた。
確認のために鑑定してみると、水分量20%の乾燥された小麦の束に変わっていた。
それを脱穀するのに手で最初は穂をしごいてたけど、時間の短縮をしたくて、鉄を錬金釜に放り込んで、小麦を梳ける金櫛を作って、どんどん脱穀していった。
ゴミを取り除くの実とは、ウィンドを釜に入れた。
「 後は小麦を粉にする前に、熟成させるんだっけ? そんなに待てないしどうしよう? 」
< 錬金釜の右下の方にレバーが付いていて、上に上げると時間経過、下に下げると時間を戻す仕様になってます >
「 万能か!?
とっても助かるけど! 」
実際とっても助かっているので素直に錬金釜に頼ることにした。
そしてようやく石臼の出番が来て、全粒粉が出来上がった。
二割を残し、あとを釜に入れ、ふすまをウィンドを使って飛ばし、一般的な白い小麦粉がようやく出来上がった頃には、日も沈みかけて暗くなって来ていた。
慌てて戻り、なんとか夜になる前に家に入ることが出来た。