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98Dead『痛みの分かる人間』

置いてた食べ物の中から望はチョコを食べた。

望は気づいた。


(これは!!)


べナは笑いながら


「気づいた? これ結構評判の店のチョコだったの……」

「俺の嫌いな洋酒入りチョコじゃねえか!! 別の!! 別のチョコはない!! 本当に嫌いなんだ!! アルコールが鼻に当たる感じが本当に無理なんだ!!」

「……そう」


とべナは少しがっかりしていた。

和子は


「嫌いなのは分かるけどさすがに言い過ぎよ」


と言った。

望は


「エリンギの咲き乱れある!! あれが食べたい!」


と言い出した。

剣子は


「むしろ安くなってるがいいのか、お前は」


と呆れながら聞くと


「俺……むしろ高級チョコって無理なんだよね、なんか外国のチョコをお父さんが買ってきたんだけど無理だった……それ以来駄菓子屋のチョコが俺の最高の甘味であった」


と言った。

べナは


「無いわね、流石に……」


と言って望は


「そうか……無いのか……やはりこんな状況だと手に入りにくいのか、むしろチープ菓子は……ネット注文もダメ?」


と聞いた。

べナは


「今ネットが開けないわ、流石にそれをするとこの場所がバレるわ、ネットを接続せずに今ここにある研究材料だけで頑張っている物、さっきの女の子も出来たら捕まえておきたかったんだけど」


と言って和子と剣子が


「ごめんなさい」

「次は気を付けます」


と言った。

べナは


「大丈夫よ、この場所を狙ったのは多分あなたたちを狙った結果でしょうし! それにここからまた移動すれば場所も分からなくなるわ! そのために今研究道具を移動させてるのよ!」


と言った。

望は


「へえ? いつの間に……気づかなかった」


と言うとべナは


「この研究所自体レリアさんが用意した移動式の研究所よ、だから作りもそこまで大きくはないわ、だけどここなら優秀な人員を用意出来ているから研究自体には支障はないし優秀なガードマンもいるわ、今のところ問題はないわよ」


と言った。

望は目をキラキラさせた。

そして


「移動先にエリンギの……」

「無いわ」


とべナに即答されてしまった。

望は


「チ……」


と舌打ちをした。

するとべナは


「そうね、色々と不満よね、さっきは嫌な態度を取ってごめんなさいね、少し犬をモフモフできなかったからイライラしてたのよ、でも今なら優しく出来るわよ」


と言って望の耳に息を吹きかけた。


「おおうん!!」


と望は顔を赤らめて変な声を上げ

和子も剣子も


「チョっちょっと? どうしました? べナさん? さっきまでセクハラ嫌がってませんでした? 変態って言ってませんでした?」

「そうですよ、からかわないでください」


と冷や汗を掻かせながら言った。

べナは


「そうね、さっきまでイライラしてたからかな、でも今はスッキリしているからいつもの調子に戻ったわ、そしていつものように思春期の子供をからかうのも楽しいからね」


と言って望の首をクイっと上げた

望は


「ゴクン」


と唾を飲み込む。

そしてべナは先程までかけていたメガネを外した


「!! これは!」


と望はものすごく興奮した。

だが


「……からかいがいが無いわね、こうすればどうかな?」


望にいたずらした


「あら?」


と言ってしまった。

望はある事がバレて


「……う……うう……うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!! いいいいい!! 言うなよおおおおお!! かくじでだのにいいいいい! ばがあああああああああああああああああああああ!!」


と言って部屋から飛び出してしまった。

そしてべナは


「ふう、やっと相手にした痛みが分かったかな……」


と言った。

剣子は


「え? どういう……」


と戸惑っていると


「ああいう子はね、ちゃんと自分がどれだけ相手に嫌なことをしてるか分からせないといけないのよ、でもあの子はもう分かってしないんじゃないかと思うわよ」


と言った。

和子は


「なるほど……でも意味ないと思いますよ、希咲君だし」


と言った。

べナは


「そう……」


と少し自分がやった事の無意味さに悲しさを覚えた。

望は和子の言う通り意味が無かった。

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