97Dead『モフモフ』
望は牢屋から出ることが出来た。
しかし
「なあ……この手についている物は?」
と聞いた。
剣子は
「手錠に決まってるだろ」
とあたかも当然のように言った。
望は
「だから何で俺に手錠がついてんだよ!! 明らかにやり過ぎだろうが!! 別にセクハラしないよ!! しかも腕すら縛られてんだけど!!」
と喚いた。
アンジェリスは
「それはあんたが重罪を犯したからよ」
と言った。
望は
「何言ってんだ!! セクハラが重罪っておかしいだろうが!! あの拷問だってやり過ぎだ!! 何処があれの過剰防衛だ!! いくら俺でも今スゲエ怒ってんだからな!! 血を採ったら取り敢えず自由にしてくれよ!!」
とさらっと要求する。
すると研究者は
「チ」
と舌打ちした。
望は
「ふざけんじゃねえぞ!! 何舌打ちしてんだよ!! お前に俺が何をしたってんだ!!」
と怒ったが研究者は無視をした。
良く見ると女の人であった。
恐らく先程の人質の際にセクハラ行為で気持ち悪がっているのだろう。
望は紳士的に
「大丈夫ですよ、貴方にあんな卑劣なことはしません、安心してください」
と言ってみた。
すると研究者の女性は
「どうだが」
と笑顔で答えてくれた。
望は
(うーん……取り敢えず大人しく血を採られるか)
と研究者の女性から血を採られた。
研究者の女性は
「ったく、どうして私なのよ……こういうのは男の仕事でしょうに……」
とブツブツ言っていた。
望は
「誰がやっても同じではないのかな?」
と再び紳士的に話すと
「確かに……こういう仕事は女男関係ないでしょう……相手が変態でなければ」
と言われてしまった。
望は
「アンジェリス! この人いじめる!! けが人だよ! 俺!」
と文句を言った。
和子は
「だったら俊敏性犬に噛んでもらったら?
と言うと
「もういいよ、こいつ俺にとって何にも与えてくんないし……糞じゃん」
と不貞腐れて俊敏性犬を睨む。
俊敏性犬は落ち込んだかのように
「クウウウン」
と鳴いた。
すると研究者の女性は
「……」
じっと俊敏性犬を見つめていた。
望は
「御嬢さん、触ったらいいんじゃないのかな?」
と言った。
研究者女性は
「!! いえ別に」
と言って少し反応した。
望は
「遠慮なんていらないんですよ、ほら俊敏性犬、仰向けになってあげなさい、そして甘えるような声を上げなさい」
と言うと
「クウウウウン」
と言って俊敏性犬は言われた通りにした。
女性は
「!! い……今は血の採取が……」
とそっぽを向いていた。
望は
(やはりこいつ犬好きだ、だがこんな状況下でこいつは犬と戯れる機会がぐんっと減った、だから今この反応はただの犬好きの状態ではない、緊迫感のせいで真面に自由な時間とリフレッシュ時間を取れず犬に飢えている目だ! 全く、だからこんな状況下で生き残れる可能性が低いんだよ、皆命がかかると自由な時間を普通に無くして戦おうとする……俺はこの状況下が嫌いだからすぐに死にないんだ……だがこれはチャンスだ、今生きている状態で俺が好きに行動できるようにするにはこの女に恩を売ることが一番いいだろう、ならば」
「遠慮しないで、疲れてるんじゃないんですか?? 血を採ってからすぐに俊敏性犬にモフモフすればいいじゃないですか、いくら命が懸った戦いとはいえ気持ちを静める為のリフレッシュを消してしまったら勝てる者も勝てませんよ、相手は贅を尽くして余裕の心で戦うでしょう、それなのにこちらの心が余裕が無くてイライラしている状態であればそれはすぐに決壊する、そうならない為にもほら」
と諭した。
それを聞いて女は
「……じゃ、血を採ったらちょっとだけ」
と言って望の血を採りシリンジにドス黒い液体が入って行った。
望は
「じゃ、これは3人の誰かが持っていくってことで」
と言って和子、剣子、アンジェリスに渡した。
するとアンジェリスは
「私が持っていくよ、望の言う通り仕事ばかりになってイライラしてるだろうしこれぐらいは……私も戦いは出来ないしこれぐらいでもして役に立つよ」
と言って血を持って行った。
和子は
「アンジェリスちゃんは十分凄いよ」
と言った。
剣子は
「そうだな、あいつは自分なりに出来ることを実行しようとしている、望の様な異常行動の末に役に立つのではなく純粋に頑張っている、あいつを見ると私も元気を貰えるよ」
と言った。
すると女は
「そうね、男共は仕事ばっかりだけど、確かに少しは肩の力を抜かないとね、いつまでもピリピリするのは良くないわ、あなた達お茶菓子ならあるけど一緒にどう?」
と優しい表情で言った。
3人は
「欲しい」
「食べたい」
「俺も食べようかな」
と言った。
女性は
「なら決まりね、私の名前はべナ、べナ・バリーレ、よろしくね」
と言って
「サッさっそくだけど、撫でても」
と望に聞いた。
望は
「いくらでも」
と言った。
べナは
「ううううん!! いいいいい!!」
「きゅうううん」
と鳴く俊敏性犬を撫でまくった。
するとべナのスカートから良いものが見えた。
望は
(俺もここで色々とリフレッシュできそうだ)
とバレないように見ていた。




