85Dead『白状』
望は
「わがdっだああああああ……はだじまずうううううう……はだずがだああああああ!!」
と泣きじゃくっていた。
和子は
「よし……どうぞ!」
と言って話させた。
望は
「実はゾンビ化しようと生き込んだんだけど……なんか噛まれた際大丈夫っていうか苦しむのかなって……思ってさ……最初は飛び降り自殺にしようと思ったんだけど……2Fだし骨折程度で済むだけで死ぬのにもゾンビ化するにも時間が掛かって死ぬかと思ってたんだけど……クラスの皆がまだ教室にいたんだ……だから説得すれば意外とコロッと騙せるかなって……思って……」
と説明をし始めた。
そして、
「それで取り敢えず皆に現状を伝えたんだ……自分たちがゾンビ映画の様な主人公のように生き残れる可能性の低さやゾンビ化したほうが楽であることや恐怖に支配されて生きるのかとか、自分の家族を殺すことになるぞって……そしたら全員じゃないけど絶望してゾンビ化することを受け入れたんだよ……ただ希望を持って逃げた人もいたけどまあ結局噛まれたっぽいな、血まみれになって帰ってきた人もいたし、それからまた絶望を煽って皆に選択の余地を無くさせてゾンビ化することを受け入れて貰ったんだよ……」
と説明した。
それを聞いて剣子は
「お前……結局人を盾にしたんだな……」
と明らかに怒りに打ち震えていた。
それを見て
「ああ……あああのおおお……痛い事しないで……するなら殺して……」
と願った。
すると
「まあ仕方ないんじゃない? それでゾンビ化受けれたならそれで」
と和子は言った。
それを聞いて剣子は
「か! 和子!! 良いのかこいつを許して!!」
と聞いた。
すると和子は
「え? だってさっきの話って少なからず起こり得ることでしょ? 私もそこまで考えたわけじゃないけど……その事実を受け入れられないのならこんな絶望な世界を生き残れるとは思わないよ……」
と言った。
剣子は
「じゃあ、和子は耐えれたの?」
と聞くと
「さあ? それは分かんないけど……まあ結局いずれかは受け入れないといけないんだしそれが早いか遅いかの違うだよ……自分は絶対に死なないとは思えないんだからそれを受け入れなかった人もいたって言ってたし……耐えれる人はいたのも事実だよ」
と答える。
そして続けて。
「それに、もし本当に生き残りたいなら話なんて聞かないで勝手に逃げればいいんだよそれが出来なかったからその逃げた人たちも噛まれたのかもしれないよ」
と言った。
和子は
「私ね、剣子ちゃんと会う前は1人で逃げてたんだよ……友達にも逃げようって言ったんだけど皆呆けてしまってて一緒に逃げれそうになかったんだ……だから私1人で隠れながら逃げてたんだけどどこに行ってもゾンビがいて逃げ場が無かった……そのせいでどうすればいいのか分からなくてその場に座り込んで絶望しながら助けを求めることしか出来なかったんだ……そんな時に剣子ちゃんが泣きながら私を助けてくれるって言って諦めるなって言ってくれたから生きることが出来たんだ……もしそれが希咲君でゾンビになった方が幸せだって言われれば私はそうしてたかもしれないし気持ちが楽になる方に言ってたと思う……結局運なんだよ……生きることが出来るかもしれないこともゾンビになってすべてを投げ出して楽になることも……考え方次第で二つの逃げ道だと私は思うな」
と自分の置かれていた状況と考えを述べる。
それを聞いて剣子は
「……確かにそうだな……結局この世界では運だ……運が良くないと死んでしまう、例え体を鍛えようともゾンビには通用しない……銃を持っていてもいきなり現れたゾンビに噛まれることだってあるんだ……そう思うと希咲が言っていた方法も一つの逃げ道だったんだな……」
と納得した。
それを聞いて望は
「そうだな……じゃ! ゾンビになろうぜ!」
と誘ったが
「「あ、それは遠慮しておくよ」」
と2人に言われてしまった。
和子は
「ま、それはそうとしてこいつって変な行動でたまに私達の役に立つし生かして置いて損はないと思うよ、吉と出るか凶と出るか分からないけどこんな世界なんだし」
と言った。
剣子は
「……そうだな! それは良いな! ということで希咲は生き残りそして我々の役に立てるようにしなさい」
と命令をされた。
それを聞いて望は
「あの……別に俺はゾンビ化しようとしていただけなんだけど?」
と言うと
「まあそうだけどそれが反って役に立つって言うか」
「そうだな……止めはするけどどう転ぶかによって考えるかもな」
と言った。
望は
「出来たら転ぶ転ばない関係なくゾンビ化させてください」
と言った。
「ぶ!! はははあっはあ!!」
「はははあははははははは!!」
と2人は笑った。
そして
「そっそうだ、これ一応レベッカさんやアレックスさんやアンジェリスちゃんにも黙っておこう! 初めて知った時の顔見てみたいし!」
「和子はなかなかな性格だな」
と和子の提案に剣子は苦笑いをしていた。
望は
「こいつはやはりドSか……」
と言った。
和子は
「ン? 何か言った?」
と言って傷跡を握った。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
望は再び泣いた。