83Dead『強者』
望は肩から出血しながら
「くぞおおお!! 誰だああああ!! よくもおおお!! 撃つなら頭だろうガアアアアアアアアアアアアア!! ふざけんじゃねえぞおおおおお!!」
と泣きながら床でのた打ち回る。
すると
「全く……何をしてるの……」
と呆れたように言ったのは
和子だった。
「全く……君も君だよ……」
と言って和子はベイエーンの頭を
ゴツン!!
「いったああああ!!」
殴った。
そして
「全く……ベイエーンって君の事なんだね……人殺したよね? 自分が何をしたのか分かってるの?」
と言うと
「う!! うるさ……いでええ!!」
と再び殴られる。
そして
「もう……取り敢えず希咲君……取り敢えず皆逃げるよ……」
と言ってエイズアの方を見たが倒れていた方向にエイズアはいなかった。
「え!! エイズアああ!!」
とベイエーンは泣きながら辺りを見渡した。
すると
ベッチャアアアアアアアアアアアア!!
と何かが弾けるような音がした。
「え」
「……」
「ぎゃああああああ!! いだあああああ!!」
そこには拳を握りしめたエイズアが血まみれになっていた。
そして、エイズアの前にいたであろうクリーチャー型ゾンビは血を吹いて体に大きな痣がありそこはへこんでいた。
そして、ピクリとも動かなかった。
それを見てベイエーンは
「……え? 倒せたの?」
とキョトンとしていた。
エイズアは
「ええ!! 倒せないって思ってたの!!」
とビックリしていた。
エイズアは
「まさか私が勝てない勝負をするって思ってたんですか!! ンフフフフフフフ!!」
「ちょっちょっと!! 囮になるっていうから!」
「いや、2人がいると邪魔だからさっさと逃げて欲しかったんですけどね……ンフフフフフフ!!」
と笑っていた。
望は
「いでええええええ!!」
と泣きながら床で転がっている。
それを見て
「私先に止血するね」
と言って和子が望の方へと向かう。
「全く……」
と言って自分の袖を破り撃ち抜いた肩を縛った。
「おまえええええ……撃つなら頭撃てよ……死んだ方がいいぐらい痛いよおおおお」
と泣いていた。
それを聞いて
「まあさっきの言葉を聞くと君は死ぬかゾンビ化したいみたいだけど」
と言った。
それを聞いて望は
「……聞いてたんだ……いてええ!!!」
と言いながらきつく縛られて望は苦しんでいた。
和子は
「まあ君が今までどんな考えで動いていたのか分かったよ……ちゃんと話聞かせてね」
「……それは剣子に聞いてあいつ知ってるし……痛いから少しゆっくりさせて……」
と言った。
和子は
「はいはい……取り敢えずそこに2人も連れていて来てもらうけど……」
と振り返るとそこにはもういなかった。
「!! 逃げられた!!」
と言ってキョロキョロと見渡すともうすでにエイズアに抱えられていたベイエーンはすでに遠くにいた。
そして
「今日のところは見逃してやるわよ!! いつか見返してやる! 覚えてなさい!!」
と言ってそのまま逃げて行った。
エイズアは
「それではさようなら」
と挨拶だけをしていった。
和子は
「……あれじゃ追いかけられないか……」
「はあ……もういいでしょうに」
と言って望は不貞腐れていた。