78Dead『洞察』
エルゲスターは血だらけにされていた。
「グググ……糞」
「神父様がそんな汚い言葉使っていいのかな? それよりも……本当に聖草は入手出来ないようね」
「そうですね、聖草を燃やすだなんて……これはおそらく意図せずに燃やした者でしょう……」
とベイエーンにエイズアが言った。
ベイエーンは
「? どうしてそんなこと分かるの?」
とエイズアに聞くと
「見て分かりませんか? 消火器を使ったような跡があるのに聖草の火を消したのはスプリンクラーです……おそらくクリーチャーが開けた瞬間にバックドラフトのせいでカメラが壊れて爆発的な炎のせいでクリーチャーは再起不能になったのでしょう……」
「クリーチャー?」
とその言葉を聞いてベイエーンは首を傾げる。
エイズアは
「お嬢様の横で燃え散らかってますよ?」
と言ったことに気づいて周りを見渡すと確かにベイエーンの横に燃えカスがあった。
「うわあああ!」
とベイエーンは驚いてその場を離れ、エイズアの後ろに隠れる。
エイズアは
「ンフフフフフフ! 大丈夫ですよ! もうンフフフフ!! 死んでますから!」
と笑いをこらえて教えた。
ベイエーンは
「そっそんあ!! そんなの知ってるしいい!!」
と言って強がった。
エイズアは
「とにかくこれは燃やしたというより燃えてしまったということでしょうね……」
と言った。
それを聞いてベイエーンは
「ちょっと待って! だったらこいつらは何であんなに必死になってクリーチャーを追いかけたの! 燃えたなら追いかける必要……そうか!! とどめを刺すために!!」
と言ったが
「大外れ」
「何でよ!!」
とエイズアは淡泊に言ってそれにベイエーンは起こった。
エイズアは
「おそらくあの時一緒にいなかった者の仕業でしょうね」
「……あの時いなかった者?」
とベイエーンは不思議がっていると
「ヒントは……ベルゲザズ様も不思議がってる」
「分かった!! 希咲っていう男でしょ!」
と言った。
エイズアは
「……おそ……いえ大正解です!」
「今遅って……まあいいわ」
と言って取り敢えずベイエーンは
「つまりその希咲って奴が燃やしてしまったって事? なら何でドアを閉めたの? 普通に考えれば燃えてしまったって言って皆で消火しようと正直に言えばいいんじゃ? それなら被害は最小限に済んだかもしれないのに……」
と言った。
それを聞いてエイズアは
「おそらく希咲という男は自分のした事を隠そうと思ってワザとドアを閉めたのでしょう……それがたまたま運よくバックドラフトと言う形で私達のマイナス方向へと動いてしまったのでしょうね……」
と言った。
それを聞いてベイエーンは
「確かに叔父様もあの不運か幸運か分からん小僧は気を付けないととか言ってたし……」
と言った。
そしてエイズアは
「もしかしたら運よく何か残っていて持っている可能性もあるので奴らの足取りを辿りましょう」
と提案した。
ベイエーンは
「ならここ一体の防犯カメラをハックして見てしまえばいいんじゃないの!」
とエイズアに言った。
エイズアは
「そんなの当たり前」
と言ってパソコンを見せた。
そこにはスーパーに入っていく車があった。
その中からレベッカとアレックス、そして4人と1匹が降りてくるのが見えた。
「よし! ビンゴね!」
「そうですね……では向かいましょう」
と言ってそのスーパーに向かおうとするが
「待て!! 行かせん!」
とエルゲスターはエイズアの足を掴んだ。
(この者は恐ろしく洞察力が良い……さっきの事も言い当てた点といいこの少女よりこの女をあの人達に会わせるわけにはいかないぐらいに!!)
と思い話そうとしなかった。
すると
「邪魔ね……潰しておきましょう……エイズア」
「ハ! 全てはお嬢様の為に!」
と言って隠し持っていた銃を使って脳天を撃ち抜いた。
ズドン!
ブシュウウ!
「があばあ!!」
エルゲスターは頭から血を流して倒れた。
「行きましょう……エイズア……レイビン家の未来のために」
「ハイ! 承知いたしました!」
と言って2人は車に乗り込み6人を追った。
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そんなことが起きていることも知らず
「じゃ、俺とアレックスさんはそういうコーナーに行くから」
「行ってくる」
と言って2人は物を探しに行った。
4人は
「はあ」
「全く」
「まあいいじゃない」
「私も行きたかった!」
と言っていた。
そしてアンジェリスの言葉を聞いて
「君はダメ! 年齢は低いでしょ!」
「そうよ」
「それに女のあればっかりよ」
と言った。
アンジェリスは
「だからこそ気になるのよ……私もそういう大人になりたいと思って……」
と言った。
そして、アレックスと望はついに見つけた。
「ありましたよ……アレックスさん」
「……ああ」
そして周りを見ると上の看板に
それを見て望は
「じゃ!! 10分後にここ集合で!」
と言って走ろうとするが
「待て!! 中にゾンビがいるかもしれないんだぞ!」
と言ったが
「大丈夫だろうと思うけど……まあ味わう前に死んでしまうのはあまりいいとは思えないし……仕方ない」
と言って武器を持っていない望は後ろに下がる。
そして
「お願いしますね……アレックスさん」
と言って人任せにした。
アレックスは
「お前も戦ってくれると嬉しいんだけど……やっぱり俊敏性犬置いて行くなよ……」
と呆れていた。