世界がゾンビ感染に侵される中、俺はゾンビになることを決意しました。

75Ｄｅａｄ『責任』

ベルゲザズは

「うむ、どうやら海中の怪物は手に入れれたようだな」

『ハ！　余計な者もついていますがどうしますか？』

「捨てるな……それに対しては完璧に処分しろ……我々に反抗したんだ、レリアはきっちりと消せ」

『了解しました！』

と部下と通信をしていた。

そして、通話を切り

「で？　私が与えたおもちゃが潰れたと？　どうしてかね？　答えて見たまえベイエーン」

と振り向かないままベイエーンに問いかけた。

「えっと……それは……」

とベイエーンはおどおどとしていた。

すると

「お嬢様……ここは私が」

と言ってエイズアが名乗り出た。

それを見てベイエーンは

「エイズア……ありがとう……」

と頬を赤らめて言った。

そしてエイズアは

「ベルゲザズ様……この度は与えて貰った物と有効に活かせず壊してしまい申し訳ございませんでした……」

「……」

「すべては独断で行動したベイエーン様に非があります……」

「そうだな」

「……え！！」

とベイエーンは呆気にとられたようにエイズアを見た。

「ンフフフフフフフ！！　とっとにかく！　ベイエーン様の失態で得られたこともあります」

「話せ」

「！！」

そして、エイズアは呆気にとられているベイエーンをそっちのけにして

「ハイ、以前ベルゲザズ様が自ら行かれた教会にゾンビ化を防ぐ草、聖草があることが分かりました……ベイエーン様の失態で後手に周りおそらく聖草もこちらが入手するのは困難でしょう」

「そうだな……」

「ちょ！！　エイズア！！　私の代わりに謝ってはくれたけど……全部私の責任なの！！」

と話を聞けないでベイエーンは焦った。

エイズアは

「お嬢様……残念ながら部下の失敗であろうがお嬢様の失敗であろうがそれは全て上司であるお嬢様に非が行くのです……私だって辛いんです……お嬢様に責任ばかり取らされるのは……しかし信じてください！！　これもお嬢様を立派な淑女に育て……ンフフフフフフフフ！！　る為なんです！」

「おい！！　その割にはいつもの笑いが出てる……」

「そうだぞベイエーン……お前が悪い」

「！！！　はい……」

と涙目になりながらベイエーンは俯く。

するとベルゲザズは

「だがお前はまだ子供だ、許してやる、なーに子どもで言えばヤルの方がお前よりバカだったよ……お前は自分の身を守るために遠隔でクリーチャーを操作していた、そして我らの邪魔となる聖草の情報の入手も手に入れた……その点は褒めてやるさ」

と言ったことでベイエーンは

「叔父さん！！　うん！！　私これからも頑張る！」

と言った。

ベルゲザズは

「調子に乗るな……本当なら持って帰るのが定石だろうに」

と少しドスの効いた声で言われた。

ベイエーンは

「は……はい」

と言って俯く。

エイズアは

「そうですね、とにかく私はベイエーン様のサポートに徹し、ベイエーン様がまた新たなクリーチャーで戦う方法を取った方がよろしいでしょうか？」

と聞いた。

ベルゲザズは

「いや、直接出向け」

と命令をした。

ベイエーンは

「ドっどうしてですか！　叔父さん！」

と聞くと

「簡単だ……お前みたいな甘ちゃんは現場で一度酷い目を見れば成長するってことだ」

と言った。

それを聞いてベイエーンは

「叔父様……分かりました！！　私！　頑張ります！」

と言って

「行くわよ！　エイズア！！　そして後でお説教ね」

と言った。

エイズアは

「オー怖い怖い」

と煽るようにベイエーンに行った。

ベイエーンは

「舐めてるでしょ！！　私のこと舐めてるんでしょう！」

と言って叱り付けながら

バタン

と部屋を出た。

そしてベルゲザズは

「いくらあの小娘でもクリーチャーを持って失敗するというのは考えにくい……またあの小僧か……面白い、思い通りにならないのはお前だけではないぞ？」

と言ってニヤニヤと笑っていた。

そして

「おい、クリーチャーをベイエーンに密かに付かせろ」

『よっよろしいのでしょうか？』

「構わん」

『ハ！！　分かりました！』

と言って部下に命令をしてベイエーンの後を付けることにした。

「見せてくれお前のしょうも無い欲望が砕ける瞬間を……一度だけじゃ分からないからな……」

と言ってベルゲザズはワインを飲む。

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望は車の中でもぞもぞしていた。

それに気づいてアンジェリスは

「え……まさかまたトイレ……頻尿なの？」

と聞いた。

望は

「いや……違うよ……うん……違うんだけど……近い」

と言った。

和子は

「近い……て何……何が近いの……？」

と聞いた。

すると望は

「アレックスさん……今回ばかりは分かるんじゃないですか……」

とアレックスに向かって話しかけた。

アレックスは

「……」

と黙って運転していた。

望は

「……近いんですね……」

とジト目でアレックスを見た。

するとアレックスは

「ああそうだよ！！　俺だって男だ！！」

と言った。

それを聞いてアンジェリスは

「ああ……男の憩いね……」

と言った瞬間

「は？」

「まさか……」

「最低」

と３人の女性陣が引いた。

アンジェリスは

「いや、それに関しては仕方ないでしょう……彼らだって男だし……」

と言った。

和子は

「しっ知ってたんだ……そういうことも……」

と言うと

「私も流石にコウノトリが運んでくるなんて聞いても信じられなかったから自分で勉強したわよ」

と言った。

和子は

「でもあの時アレックスさんとレベッカさんが裸かもって希咲君が言ったとき分ってなかったんじゃ？」

と聞くと

「そりゃ興味あったから」

と素直に言った。

望は

「うむ、将来が有望だな」

と言って褒めた。

アンジェリスは

「まあ、お屋敷にいる時飛虎さんと留子さんが寝静まった後にそういうことしているのも知ってたし」

と言った。

それを聞いて望は

「オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ！！」

とその場で吐いた。

車内はゲロで溢れた。