表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/470

74Dead『新たな目的地』

望は一応は許された形となり自由行動もとれることにはなった。

だが


「希咲……自由に行動しても良いが必ず誰かと一緒に行動することは忘れないでくれるか?」


とアレックスに言われた。

望は


「……何で?」


と聞いた。

レベッカは呆れるように


「いや、別に希咲君だけが一緒に行動しないとダメってことじゃないわよ……あなた以外はすでに皆一緒の行動してるわよ……こんな状況で単独行動自体が普通と思わないでくれる?」


と普通に答えられた。

望は


「マジか……そんなこと知らんかったよ……」


と言ったが和子は


「いや、普通に考えれば分かることだと思うけど……まあ希咲君だしな……」


と呆れるように言われた。

アンジェリスは


「それなら私が望を見張ろうか? 皆は戦闘に集中するだろうし私は戦闘に向いてないし……そうなると私が望を見張る方が効率的に良いと思う」


と言った。

レベッカは


「大丈夫? アンジェリスちゃん……この子相当よ……」


と心配そうに言った。

恐らく大人でも手を焼くことを伝えるために聞いたのであろう。

そう感じ取ったアンジェリスは


「でも戦闘に集中している間に勝手な行動してたんだから私が着くしかないと思うよ……」


と言って皆が納得するしかない状況であった。

和子は


「希咲君……これからはアンジェリスちゃんの目に入る場所にいてくれる?」


と聞いた。

望は


「まあいいけど寝ぼけてたりしたら忘れる可能性があると思うよ……」


と言った。

和子は


「はあ……ごめんね……アンジェリスちゃん……多分休む暇が無くなる気がする」


とすまなそうに言った。

すると剣子は


「まあ眠る時とかは見張りを立てるわけだし希咲を見張りながらゾンビが来ないかを警戒する必要があるだろうな……」


と言った。

そしてエルゲスターは


「お待たせした……これも持って行ってくれ」


と言って聖水を渡した。

それを見てレベッカは


「良いんですか? 私達が持って行ってしまって?」


と聞くとエルゲスターは


「おそらく私はここが死に場所になるだろう……私がいた方が邪魔になる……それに私は弟やナンシー、ナリザがいたこの場所で死にたい……すみません」


と頭を下げる。

望は


「まあ確かにこんな状況で必ず生きれるってことは難しいしそういう選択は間違ってないと思いますよ……今では死にそうな患者は家で死にたいって答える人も多いと言いますし……」


と言った。

エルゲスターは


「そうだね……ここは私と弟が捨てられて以来ここが私の家みたいなものだった。ナンシーとナリザがいて弟と私がいた……特別な場所だ……だから私はここで死ぬ……だが君たちの様な生きる為に動くものも凄いと思うよ」


と言って望の頭を撫でる。

望は


(俺もゾンビ化するか死ぬかを選びたいんですが……)


と考えた。

そして、エルゲスターは続けて


「そしてその犬」


と言って俊敏性犬の方を見た。


「がう?」


と首を傾げながらエルゲスターを見る

望は


「俊敏性犬が何か?」


と聞くと


「もしかしたらこの犬も昔話に出た勇者と同じかもしれない……」


と言った。

和子は


「俊敏性犬が?」


と聞くと

エルゲスターは


「この犬はゾンビ化しているんだろうけど望君を守るために自分自身の体自体に抗体を持っている可能性がある……だからこそこの子がこの世界を救うヒントになるかもしれないよ」


と言った。

望は


「つまりこの犬を犠牲にして世界を救えると?」


と言った。

それを聞いた皆は望を


ゴツ!

ゴ!!

ガツン!

ボコ!!

ベシ!!


一発ずつ入れた。


「ごばああ!!」


と言ってその場で望は倒れる。

エルゲスターは


「いや……そういうつもりで言ったんじゃないんだ……すまない」


と言って謝罪する。

5人は


「「「「「良いんですよ……こいつのことは気にしなくて」」」」」


と言ってエルゲスターを励ました。

俊敏性犬は


「グウウウ」


と言って毛づくろいする。

それを見てアンジェリスは


「もしかして俊敏性犬は生きていたころを思い出してゾンビではなくなってるんじゃない?」


と言った。

アレックスは


「そっそうなのか?」


と気になり見るが

俊敏性犬の目は未だに白目であった。

だが


「確かに白目だが……何か意思の様な物を感じる……アンジェリスの言う通り今はゾンビだけど取り戻してきてるのかもしれないな……」


と言った。

レベッカは


「そうね……このスイッチの謎も解いてゾンビたちの進行も止めれるといいんだけど……」


と言ってボタンを見た。

和子は


「そうだね……そのためにはレリアさんから言われた研究所に向かわないんと」

「え! 研究所に向かってたの!」


と望は驚いたように言った。

望は


(だっ大丈夫か!! 俺ちゃんとゾンビ化出来るのか! もしかして平穏な毎日を送れると勘違いしてそこに留まってそしてゾンビに襲われて絶望するんじゃないのか!! いや! 心の中でちゃんとこの世界に絶望してゾンビになった方がいいという想いを咲かせ続ければきっと絶望せずにゾンビ化出来る! 忘れるな! この世界では希望を持った方が苦しむということを!)

「いや……気づいてなかったの……」


とそんなことを考えている望に対して和子は頭を抱えていた。

そして


「まあ希咲はいつも通りだ……そろそろ行こう! 敵も待ってはくれないだろう!」


と言って車に乗るようにアレックスは言った。

そして、皆は車に乗り


「気を付けてくれ」


とエルゲスターは別れの挨拶を言った。

5人は


「「「「「行ってきます!」」」」」


と言った

望は


「血……落としたい」


と汚れた服を見て言った。

和子は


「少し我慢しなさい」


と叱るように望に言った。


ブオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


と車は発進して見えなくなった。

エルゲスターはその車を見て


「必ず取り戻してくれ……この世界を……」


と祈った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ