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71Dead『反省』

「はーい、ちゃんと押さえててねええ」

「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! ヤメテエエエエエエ!!」

「暴れるな、望腕ごと落ちるぞ」

「大丈夫、指が今日全部無くなるだけだから」


と言って嫌がる望を無理やり押さえつけているアレックスとレベッカの目はかなり冷たい物であった。

そして、剣子はマジギレズッパアアアンを構えて


「じゃ、行くね」


と言って深呼吸をした。

望は


「ちょおお!! ちょっと待ってって本当に待ってってて!! お願いだから!! 指斬らないでえ!! 斬るなら首の方がいいよ!! 死んだ方がいいよ!! 幻肢痛とか本当につらいって聞くから!! お願いだからやめてえよおお!!」


と言って泣き喚きながら暴れて抜け出そうとするが明らかに望よりもレベッカとアレックスの抑え込む力が強くてビクともしなかった。

和子は


「大丈夫だよ、指の10本が無くなるぐらいだから、幻肢痛もいつかなれるから大丈夫」


と止めるようする気は全くなさそうに言った。

アンジェリスも


「ごめんね、望……庇えない」


と一言言った。

望は


「ちょ!! 指落すとか常識的に考えてあり得ないだろうが!!」


と言ったが

剣子は


「何を言っているんだ? ヤクザの世界では普通だぞ?」

「お前らヤクザの血筋じゃねえだろうが!!」


と異常な言葉に望は当然のように言った。

剣子は


「ス―――」


と再び深呼吸を続けた。

望は


「ちょ!! 本当に! マジで!!」


と涙を流しながら震える。

すると


「ちょっと待ってくれないか?」


と1人望の指を斬るのを止めてくれた。

それはエルゲスターであった。

望は


「じっじんぶざまあああああ」


と泣きながら見上げる。

エルゲスターは


「確かに彼のせいで聖草は燃えた、しかしもしこのまま燃やさなければあの怪物は倒せなかったしどうせ聖草を取られてしまって無意味になっていた可能性もある、そう考えると彼の行った行為は悪い事ではなかったと思う、違うかね?」


と聞いた。

5人は


「……まあそうだけど」

「確かに、あのままだと奪われていたわね」

「それは確かにそうだけど」

「うん……」

「そう考えると燃やした方が良かったのかもしれないし……」


と納得していた。

望は


「そっそうだよな!! おい! 俺を責めるのはどうかと思うぞ!」


と言ったら


「それはお前が言うことじゃない!」

「ちょっと考えて物を言いなさい!」

「今は黙りなさい」

「エルゲスターさんはあなたの為に庇ってくれてるんだよ?」

「今は余計なことを言わない、分かる?」


と結構ガチな感じで望は皆に怒られた。

望は


「……はい」


と言って黙るしか出来なくなってしまった。

エルゲスターは


「えっと……いいかな?」


と聞くと


「大丈夫です」

「お願いします」

「どうぞ」

「ごめんなさいね、希咲君が……どうぞ」

「よろしく」


と言って5人はエルゲスターの話を聞こうとする。

エルゲスターは


「では……それにもしかしたら、この中にまだ残っている聖草があるかもしれない、根っこの方まで燃えているかもだがそれでも全く希望が無いわけじゃない、今の間に聖草が無事な物を見つけて君らで分析と品種改良を使ってより完璧な物に出来る可能性が今考えられる手段だと思う」


と言った。

アレックスは


「だがこんな状態で無事な物があるのか?」


と聞いた。

エルゲスターは


「さすがに分からん、だが希望を捨てるだなんて辛いじゃないか? なら希望を持って探してみるのもいいかもしれませんよ? どうせ他に方法が無いわけですし出来ることをやっていきましょう」


と言ってエルゲスターは望を庇う。

そして


「それでは我々も手伝います」

「そうですね」

「希咲、お前はここで待っておけ」

「あ、私が見張るね」

「私は探す方を手伝うよ、小さいし探しやすいと思うし」


と言って探す者と望を見張る者で別れた。

望は


「いやあ、俺に構わなくても流石に余計なことはしないよ? ねえ?」


と言ったら

和子は


「ねえ? 分かる?」


と聞いた。

望は


「えっと……何が?」


と聞くと和子はニュッと顔を望に近づけた。

望は


「え……そんな……皆が見てないからって……」


と照れると


「違う……本当に指を摘めて貰うよ?」


と言われて


「ふざけてすみませんでした……」


と謝った。

そして和子は


「本当はね、エルゲスター神父があなたを庇うだなんて普通じゃないんだよ?」


と言った。

望は


「えっと……それはどういうこと?」


と聞くと和子は


「エルゲスター神父はあなたと会ったのは今日が初めてで本当に怒るべきなのはエルゲスター神父ってことだよ? そして私達があなたを庇うっていうのが普通だったんだよ?」


と言った。

望は


「えっと……はい」


と取り敢えず返事をする。

そして続けて和子は


「それなのに君に罰を下そうとしたのは私達だった……そしてそれをエルゲスター神父があなたを哀れに思って庇った……ここまで言えば分かる?」


と聞くと望は


「えっとつまり仲間である自分達が庇うのが普通なのに俺の普段の行いのせいで信用が皆無だったってこと?」


と聞くと和子は


「そう……君の迷惑を掛けられるのはもう慣れたけどよそ様に迷惑を掛けるってあり得ないよね? 今回は上手く言った部分もあっただろうけど……それがずっと続かないのは分かるよね?」


と言った。

望は


「はい……」


と返事をする。

そして和子は


「つまり私が言いたいのはちゃんとエルゲスターさんに君自身謝罪をするべきだってこと……いくら君の行った行為で上手く言った部分もあるとはいえやらかしたことはちゃんと謝る……分かったね?」


と言われて


「はい……謝ります」


と反省したように望は頷いた。

和子は


「じゃ、この事に関しては私も君を擁護するように皆に説得するから次からは気を付けてね……」


と言った。

望は


「はい」


と返事をした。


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