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68Dead『別れ、新たな敵』

エルゲスターと5人は聖草の元へと急いでいた。

しかし、


「そんな……どうして……」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


1人のゾンビが道を塞いでいた。

エルゲスターはワナワナと震え涙を流してそのゾンビに向き合って


「ライベダ! どうしてお前まで!! 俺を! いつの間に俺を置いて行ってしまったんだ!!」


と叫んだ。


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


ライベダにはもうエルゲスターの声は聞こえていなかった。

すでに襲うだけの存在になってしまった。

アレックスは


「エルゲスター、俺が殺る……下がっていろ」


と言って銃を向けようとした。

すると


「待て」


と言ってアレックスの銃を手で押さえた。

それを見てアレックスは


「残酷なことを言わせてもらうと……あいつはもうお前の弟じゃない……あいつはもう血肉を喰らうゾンビだ……だからこそすぐにでも殺してやるべきだと俺は思うぞ……」


と説得しようとした。

エルゲスターは涙を拭い


「分かっているさ……だから止めたんだ……」


と言って胸ポケットから拳銃を取り出した。

アレックスは


「エルゲスター……お前……」


と言って黙った。


「ライベダ……もう何も言わない……お前と一緒に入れて、ナリザやナンシーと一緒にこの教会を守れて……幸せだったぞ」


と言って銃を


バアアアアアン!


と撃った。

乾いた銃声が鳴り響く。

ライベダの脳天にエルゲスターの撃った銃弾が当たり血が噴き出す。


プシュウウウウウウウウウウ!


そして、そのままライベダは倒れた。

すると


『キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! 弟を撃ったご気分はどうかしら!』


という声が聞こえてきた。


「!! 誰だ!!」


とアレックスとレベッカは警戒をした。

すると


「この声……どこかで!」


とアンジェリスはあたりを見渡す。

すると


ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!


と地響きと砂煙が舞う。


「エッホエッホ!!」

「うう!! 前が!!」

「みんな無事か!」

「気を付けて!!」

「私は……大丈夫!」

「私もだ!」


と皆の無事を確認し合った。

そして砂煙が止み前が見えるようになった。

するとそこには


「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


クリーチャー型ゾンビがいた。


『ご機嫌麗しゅう!! 愚民共! アンジェリス! 元気かな!』


と少女の声がした。

アンジェリスは


「あなた……ベイエーン……」


と呆れたように言った。

すると


『勘違いしないでくれる? 私がクリーチャーになったと思った? 違うわよ! ちゃんと音声をあなたたちに提供しているわ! 私は安全地帯からあなたたちを見ているの!! 見ていて滑稽よ!!』


と言った。

6人はクリーチャーをよく見ると首元に音声機器とカメラの様なレンズがあった。


『ようやく気付いたようね! でもおお!! でもでもでもおおおお! 遅かったわねええ!! あなたたちの話は聞かせてもらったわ! 聖草! そんなものがあるの!! まずはそれを回収するのが先決ねええ!! あなたたちはその後殺してあげるわ!! レイビン家でも石の事しか分からなかったしいい! ああ私ったら取っても運がいいわあああ!!』


と喚起するような声がする。

アンジェリスは


「あなたがライベダさんを殺したの?」


と聞いた。

ベイエーンは


『ええそうよ! 殺したの! 恨んでるでしょうけど残念! 私はここには居ないの! 取っても残念ねええ!』


と言った。

アンジェリスは


「あなた……私より2歳年上なだけでしょ? まだ13歳で人を殺したの分かってるの?」


と聞いたが


『はあ! そんなの分かってんだよ! だからどうしたってんだ!! 私は天才なんだよ! そんな細かい事気に留めるわけねえだろうが! 何か! 私に罪悪感を与えてえのかああ!! 舐めんじゃねえぞ! アンジェリス!!』


と怒鳴るように言った。

和子は


「どうしてそんなことをするの! ダメでしょ!」


と叱り付けたが


『私に説教するんじゃねえ!』


と聞こうとしなかった。

エルゲスターは


「何と悲しいことだ……この子はきっと人を殺すことに慣らされるような教育を受けてしまったのだろう……だからそんな悪魔のようなことを言えるのか……」


と嘆いた。

ベイエーンは


『もういいってんだろうが!! 話し進まねえよ! まっまあいいわあ! あなた達の言っていた聖草は私が貰うわ! それを研究してゾンビ達に効かないのするなんて我々を持てば簡単なのよ! オーホッホッホッホうぶ!! ゲホおお! 

ゲホ!! 気管に……!! はい!! ゲホ!』

「大丈夫?」


とアンジェリスが聞くと


『! うるさい! とにかく! 聖草は私が貰うわ! 行きなさい! クリーチャー!』


と言った。


「グオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


と言ってクリーチャーは走り出した。

エルゲスターは


「ま! まずい! あのクリーチャーに先に聖草を取られてしまう!」


と言った。

アンジェリスは


「!! 隠し扉になってるんじゃあ!」


と聞いたがエルゲスターは


「あの化け物の力ならもしかしたら叩き壊されかねない!! 急がないと!」


と焦ったように言った。

それを聞いて


「まさか!」

「急ぐわよ!」


とアレックスとレベッカが言った。

和子は


「そんな! 見つかるか壊される前に行かないと!」

「アンジェリス! 私の背中に! 負ぶった方が早い!」


と言った。

アンジェリスは素直に


「分かったわ!」


と言って剣子の背中に乗っかった。


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