65Dead『奪われた石』
エルゲスターはいつものように教会で神に祈りを捧げていた時であった。
「いやあ、精が出ますねえ! 神父様はいつも神の為にどうしてそこまでできるんですか?」
と1人の男が聞いてきた。
エルゲスターは
「それは神を心の底から愛しているからですよ、そして神もまた私達に愛をくださります」
と答えた。
男は
「そうですか、全くマニュアルに書かれたような理由を述べますねえ」
と煽るように言った。
エルゲスターは
「どうしてそのような言い方をするんですか? 信じる者は救われるのです、そして必ずや天国へと迎え入れてもらえるのですよ」
と言った。
男は笑いながら
「ハッハッハ!! それだよ! 結局のところ信じる代わりに見返りを求めてんだろ? 昔の人だって罪を犯しても謝れば許されるというくだらない理由を使って自分を正当化している! 罪を認めることもせずにな! 欲を罪にするくせに人間に天国という欲を与えてるんだから悪魔と対して代わらねえよな!」
と言って神へと侮辱した。
エルゲスターはイライラとしながらも冷静に
「君はここに何を子に来たんだい? 神を信じるからここに来たのではないのかい? それとも僕等の様な聖職者をバカにしに来たのかい?」
と聞いた。
男は
「アアアハハハハ!! すまないすまない!! 嫌ぁ我慢できないなあ! 神なんていうあやふやな存在を信じる人間の心理を確かめたかったんだ……まあ今日来たのはそれが理由じゃないから安心してくれ! 来たのは別の理由だよ」
と言った。
そして男は
「私の名前はベルゲザズと申します、以後よろしくお願いします」
と言ってお辞儀をした。
エルゲスターは怪しみながらも
「ではどのようなご用件でしょうか?」
と確認を取った。
ベルゲザズは
「いやあ、何、ここにある恨みの石を貰いに来たんだよ」
と言った。
それを聞いてエルゲスターは
「あれはこの教会で一生封印するよう言い伝えられています、それを破るわけにはいきません、お引き取りを」
と言った。
ベルゲザズは
「でもこの教会にはあるんだ……いやあ、ここに絶対にあるという保証はなかったから良かったよ……でも諦めるわけにはいかないんだよなあ」
と言って拳銃をエルゲスターに向けた。
エルゲスターは
「どうせ教えなくても決めつけるのだろ? そのためにその拳銃を用意した……違うのかね?」
「さあ?? どうでしょうね?」
と言ってベルゲザズは
「死にたくなければ石の在り処を教えろ」
と言って脅した。
エルゲスターは
「私は死ぬ覚悟なんてこの教会に入り石を守るように仰せつかってからとっくに済ませている、好きにしろ、それに私が死ねば石の在り処は分からないだろ」
と言った。
ベルゲザズは
「ふーん、その時は私自身が探すがね」
と言った。
すると
「どうかしましたか?」
「エルゲスター? その方は?」
「兄さん」
と言って運が悪いことに3人がやって来てしまった。
「逃げろ! お前達!」
と言ったが
「ああ、もう遅いよ」
と言って1人のシスターを人質に取っていた。
「!!」
「姉さん!!」
「ナリザ!」
「糞!」
と一瞬の出来事であった。
何故か遠くにいたナリザがベルゲザズの腕の中にいた。
「さてと、どこにあるのかな? 教えて教えて」
と言って笑う。
すると
「ダメです! 教えないでください! 私はどうなってもいいから!!」
とナリザが言った。
すると
「ダメよ姉さん!」
と1人の女性が泣きながら言った。
するとナリザは
「ナンシー! これも運命です! 神は私達を試しているのです! だからこそ今この場でこの男に屈するわけにはいかないのです!」
と言った。
エルゲスターは
「ク!」
と悔しそうにする。
もう一人の男は
「兄さん!! どうにかしないと!」
と言ったが
「ライベダ、今は大人しくするんだ」
と言ってライベダに言い聞かせた。
エルゲスターは
「私は教えない……ここにいる2人もな!」
と言った。
ライベダは
「兄さん!」
と言って泣きそうになる。
ベルゲザズは
「おいおい、神様の試練で死んでちゃ意味ねえよな! どうせ生き物は天国に向かわず何もない無に向かうんだからよ! それに弟さんとナンシーさんは何も納得出来てないようだぞ!」
と言って銃を向けた。
「ク!!」
とナリザは悔しそうにする。
エルゲスターは
「この外道が!」
と言って睨みつける。
ベルゲザズは
「なら教えろよ、ほらほら、死んじゃうよ? 屈辱にまみれて死んじゃうよ?」
と言ってナリザの胸を鷲掴みにして
「ヒャアハハハハ!! いいいねええ!! シスターさん!! なかなかあるじゃねえか!」
と言って辱める。
ナリザは
「そんなことぐらいで屈するとでも……」
と言って苦しそうにする。
ベルゲザズは
「糞が……ああ、もう少し粘るか……お願いだからさ、恨みの石くれない?」
と再び聞いた。
ナリザは
「それは人間の手には余る代物です……あなただけの問題ではないのです、神の怒りを甘く見るべきではないですよ」
と言った。
ベルゲザズは呆れたように
「はあ、これだから脳みそ中世野郎は……宗教にのめり込み過ぎて考えることを止めてるのか?」
と言って
「もういい、死ね」
と言って
バアアン!
とナリザの脳天を撃ち抜いた。
「! 姉さん!」
「ナンシー!」
「ああ……ああああ……」
と3人は涙を流して死体に駆け寄った。
そして
「まあいい、もうここに来ることもないだろう」
と言って立ち去った。
エルゲスターは
「糞! 糞! あの野郎! 殺すだけ殺して逃げやがって!」
と歯を食い縛り言った。
ナンシーは
「ごめんなさい……ごめんなさい」
とひたすら謝る。
ライベダは
「ナリザ……ナリザあああ」
と言って泣き続ける。
しかし、エルゲスターは
「だがこれで恨みの石は守り通せた、すまなかった、ナリザ……」
と言った。
そしてその後3人は彼女を弔った。
******************************************************************
「レアズ……あんなに時間を稼いだんだ、盗めたよな」
「はい、すべてはベルゲザズ様のために」
「よろしい」
と言ってカプセルの容器を見た。
そこには禍々しい石が入っていた。
「これがあれば私達の研究は進み世界を取れる、全く神父やシスターは頭がお花畑なのかね」
と言って嬉しそうにして帰って行った。




