53Dead『懐かしき思いでⅢ』
大吉郎は
「糞……あの糞が……あの糞が……」
と望と瑛代が帰省中ずっとブツブツと文句を言っていた。
2人は
「取り敢えず肩でも叩いて機嫌取る?」
「そうしよう、お兄ちゃん、この調子は一緒にいて鬱陶しいし」
と言って2人は
「お爺ちゃん、肩叩きするよ」
「こっち来て」
と言ってあざとく機嫌を取ろうとした。
大吉郎は
「おお!! 流石は我が孫達じゃ!」
と言って嬉しそうに2人へと駆け寄った。
そして
「じゃあ肩叩くね」
「瑛代は揉んであげる」
と言って2人は大吉郎の肩を見た。
そして望は
ヴィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!
マッサージ器を使った。
瑛代は
「くうう、揉む方じゃない方が良かったかも……」
と言いながら大吉郎の腰を揉んだ。
「おおおお!!」
と言って嬉しそうにする大吉郎
すると瑛代は
「ごめん!! 私お兄ちゃんが邪魔で揉むのが出来ないからお兄ちゃんの後に揉むね!」
と言って一旦離脱する。
大吉郎は
「ああ! ええぞ!」
と言って嬉しそうにする。
望は
(文明の利器に頼るのは素晴らしい)
と考えながら肩をマッサージ器で肩を移動させる。
大吉郎は
「おおお! 望は肩叩きがうまいなあ!」
と言った。
望は
(お爺ちゃん……神経通ってるのかな……)
と少し不思議に思った。
だが普通にマッサージ器を数分滑らせて
「次! 瑛代!」
と言ってマッサージ器を渡した。
瑛代も
「お爺、どう?」
と聞くと
「おおおお!! ええぞおおお!!」
と言って嬉しそうにした。
すると大吉郎は
「よし! ありがとう!!」
と言った。
それを聞いて瑛代はすぐさま望にマッサージ器を渡した。
望はバレない様に机の下に入れた。
「よし! お小遣いをやろう!」
と言って2人に封筒を渡した。
2人は
「やった!!」
「いえええい!」
と言って嬉しそうに封筒を貰った。
そして
「じゃ! お爺ちゃん!」
「ご飯食べてくる!」
と言って隠していたマッサージ器を元あった場所に戻してから封筒を見るべく別の部屋に入った。
そして
「いくら入ってるんだろう!」
「きっと万札だよ!」
と言って望と瑛代はウキウキしながら中身を空けると
「……うわ」
「……えええ」
2人はドン引きした。
中には大量の万札が入っていた。
「どおりで分厚いと思ったよ」
「お爺ちゃん……」
そして2人は、お金を床に並べて行く。
そして驚愕の金額が判明した。
「……100枚あった」
「私も……」
2人合わせて丁度200万円あった。
2人は
「さすがにお母さんに話そう」
「うん、流石に子どもがこんな金額持ってたら変に思われるし」
と2人は世間体を気にしてお母さんを探した。
すると
「2人共? 何をしてるんだ?」
と大二郎が話しかけた。
2人は
「あの……お爺ちゃんの肩を叩いたんだけど……」
「そのお礼でお爺からお小遣い貰って……」
と気まずそうにしていた。
大二郎は
「何だ……好きに使えばいいじゃないか」
と言った。
「2人会わせて200万円入ってたんだ」
と望が言った。
それを聞いて大二郎はキョトンとして
「そうか……まあ……そうだな……貯金すればいいと思うぞ」
と言った。
2人は
「「ああ! いつもお年玉すべてをお母さんに渡すあれ!」」
と言った。
大二郎は
「そうだぞ、今そんなに使えんし、中途半端に貰って後はっていう手は普通だぞ!」
と言って2人に進めた。
望と瑛代は
「分かった!」
「お母さんに話す!」
と言って200万円を紗千奈に持って行った。
すると
「分かったわ、一枚は2人に渡して後は貯金しておくわ!」
と言った。
2人は2万円で
「プレスレ5.5買おうぜ!」
「OK!」
と言って帰省が終わった後の予定を決めた。
そして
「元気でね!」
「また来てくれよ!」
「お爺もお仕事頑張ってね」
「刀がどんなものか分からないけど頑張ってね」
と望と瑛代は一応言った。
すると大吉郎は
「ああ、もう止めるよ、刀鍛冶」
と言った。
それを聞いて皆
「「「「「そう」」」」」
と言って特に止めなかった。
こうして2人の帰省が終わった。
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そして
プルルルルルルルル!
と数か月後電話がかかってきた。
「望! 出て!」
「はーい!」
と言って望が電話に出ると
『ああ、望? お父さんかお母さんに代わってくれる?』
と言った。
望は
「分かった」
と言ってお母さんに
「お母さん、お婆ちゃんから」
と言った。
紗千奈は
「あら? 何かしら?」
と言って変わった。
そして
「お義母様? どうしました?」
『いえ、大した事ないんだけどね、ちょっと話さないといけないんだけど』
「はい?」
そして
『お爺ちゃんが失踪したの、マジギレズッパアアアンと共に』
「!!! それ大した事ある!」
「「??」」
望と瑛代はキョトンとした。