50Dead『虫の知らせ』
旬クリーチャーから逃れて数時間後
船は進んで行きもうすぐ日本から脱出が終了する。
そんな時、和子と剣子と望、そしてアンジェリスから涙が溢れた。
「うおおお!! なんかいきなり涙が!!」
他の3人も
「わあ! 何何何!!」
「これは……」
「身震いも!!」
と震えだす。
それを見てアレックスとレベッカは
「だっ大丈夫か!」
「ええ!」
とさすがに驚いた。
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「瑛代ちゃん!! 涙が凄いよ!」
「加奈もだろ?」
「おおお!!」
「何かさっきから止まんないんだけど!!」
「ああ、これはあれかな……」
と京は震えながら
「ついに日本に核が落ちたんだよ」
と言った。
それを聞いて
「……なるほどね、これは虫の知らせかな?」
と言った。
瑛代は
「でも何も物が割れたり人影見たり落ちたりしてないよ」
と言った。
京は
「まあ、それだけが全てってことじゃないんじゃない? そもそも人間が観測出来た事なんてほんの一部でしょ? それに今回は日本自体が全て核によって潰されるんだからそれなりの影響が私たちを襲ったんだよ」
と言った。
それを聞いて瑛代は
「まあ確かにそうか……私にも親以外にも色々と知り合いいたしそれらを見捨てたんだからそりゃ込み上げもするか……」
と言った。
それを聞いて他の皆も
「もう……後戻りは出来ないね」
「そうね、仕方のないことだよ、これに関してはもうどうにもならない」
「生きる為、生き残る為……」
「覚悟しても起きる現象ぐらいでは私達は止まらない」
と敢えて言葉にすることによって自分達に言い聞かせた。
そして
「じゃ、明日到着だね、確か3日後って言ってたし」
「それまではここで平和に……」
と言って加奈と京は
「「ご飯食べよう!」」
と言った。
「「「いいね!」」」
そして、食堂へと向かった。
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「こっこっこれは!! まさか!! 心霊現象!」
「いや! 多分違う!」
「それに対しては同意だ!」
「望黙って!」
と望の意見は潰される。
望は
「おいおい! 酷いじゃないか! これが心霊現象じゃなくてなんだっていうんだ!」
と文句を垂れる。
和子は
「忘れたの? 多分、これは核が落ちたから私達自身の脳が起こしたことじゃない?」
と言った。
剣子も
「確かに……脳は酷いストレスの重圧がかかると何らかの対策をするって聞いたことがある……日本が潰れるということは我々にとっての母国が潰れることだ……それが今のこれのようだ」
と言った。
アンジェリスは
「そうかも……しれないね……それなら止まるまで待った方がいいね……どうせ止まらないだろうし」
と言って4人は涙が止まるまで待った。
レベッカは
「ごめんね……本当に……あなたたちには苦労を掛けてしまったわ……」
と言った。
アレックスは何も言えなかった。
和子は
「大丈夫ですよ……前も言いましたが大切な人を助ける為だったんですよね? だったら私だってそのために頑張ったと思います……悪いのはそれを利用をする者です……それを止める為なら私は戦います」
と言った。
剣子も
「ああ! 私もそのつもりだ! この刀に誓って!」
と言って決意表明した。
望は
「本庄……なんでマジギレズッパアアアン持ってるの?」
と聞いた。
「「「「「……」」」」」
皆は唖然とした。
剣子は
「……お前か……」
「へ?」
「貴様ああああああああああああああああああああ!! 刀を何だと思ってるんだあああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
と言って
バコン!!
「いでああああああああ!!」
と望の頭を鞘で殴った。
「うげでええああああ!! いでえああああああ!」
と泣き喚きながら頭を押さえてのた打ち回った。
レベッカとアレックスは
「剣子! 落ち着いて!」
「そうだ! 落ち着け!」
と宥めようとするが
「もっとやっていいよ」
と和子が目の色を変えて言った。
アンジェリスは
「ちょ! 和子も落ち着いて!」
と宥める。
望は
「何だよおおお!! 何で殴るんだおおおお!!」
と泣きながら聞いた。
剣子は
「貴様! 名刀になるはずだった刀をおおお!!」
とキレていた。
望は
「えええ……まあ名付けたけど……一応理由を聞いてからにして欲しいんですけど……」
と言い訳をしようとした。
剣子は睨みながら
「良いだろう……聞いてやろう」
と言った。
望は
「そう……あれは妹と田舎の爺ちゃんと婆ちゃんに会いに行く夏の帰省ラッシュの時だった……2人共小学生だったかな……」
と語りだした。