49Dead『満足感』
レリアによって旬クリーチャーは海に沈んだ。
レリアが生きているかは5人には分からない。
だが船が再び動き始めたことによりレリアが助けてくれたことだけは理解した。
そんな中、通風孔から
「フー、一安心のようだね瑛代ちゃん」
と加奈が言った。
瑛代は
「そうだね、あの人達は仲間を失った苦しみは持っただろうけどそれは私達には関係のないことだね、取り敢えず脱出方法を探しに行った奈々子と誠子、それと食料を調達している京に大丈夫という報告をしようかな」
と言ってトランシーバーを使って
「皆、船の脅威は無くなったわ、ここに入れるわよ」
と言った。
それを聞いて
『なーんだ! これで動かせもしない敵が乗って来たであろう潜水艦の困惑しないで済むよ』
『全く! ビビらせやがって!』
と奈々子と誠子が言った。
そして
「京、食料も緊急に集めないといけないことは無いみたいよ」
と言った。
『分かった、でもいずれここを出た時の食料保存用は持っていきましょう』
と言って準備した物は持っていくようだった。
瑛代は
「それならいいよ」
と言って瑛代はそのまま継続させた。
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京は保存用の避難食をリュックに入れて
「あなたはこれからどうするの?」
と聞いた。
そして
「はあ、良く聞こえなかったけどさっきの会話だとゾンビは来ないだろ? なら俺はゾンビになれないしここから出ても苦しんで死ぬみたいだから残るよ……生きる為に逃げるだっけ? 別にそれ自体は否定しないけど逃げる場所もないこの世界で無理して生きるつもりもないし」
と望は言った。
そして、目の前にある食事を食べていた。
それを見て京は
「それ……昨日みたいに私達の為に用意された食事だと思うんだけど……」
と言われたが
「そんなの知るわけないだろ! 置いてあったから俺の食事分だと思ったんだ! 今酔い止め飲んで結構酔いもないし薬を効く様には食事を取らないといけないんだ! この矛盾したような行動に関してはむしろ薬の効き目に対して文句を言ってくれ!」
と言って望は言い訳をした。
それを聞いて京は
「まあいいわよ、皆の分の1人分を食われたって言えば誰かが我慢するでしょ」
と言って残念そうに言った。
京は
「じゃあ私は行くは、また会えたら」
「おう」
と言って2人はさっぱりと別れた。
それを聞いて望は
「まあどうせこの船に乗っている間は合わない可能性は少ないだろうけど」
と言って食事を黙々と取っていた。
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その頃5人は涙を流しながらレリアの勇気を称えていた。
「レリアさん……ありがとう……」
「あなたの勇気絶対に無駄にしません」
と和子と剣子は言った。
アンジェリスは
「叔父さん」
とやはり少し辛そうにしていた。
自分の身内で一番優しかった叔父さんが死んでしまったのだから仕方なかった・
レベッカは
「このお面、私が貰ってもいい?」
と皆に言った。
それを聞いて皆
「当たり前だよ」
「ああ、大丈夫だ」
「むしろお前が持っておけ」
「私も賛成よ」
と言った。
それを聞いてレベッカは
「ありがとう」
と言いながらピエロのお面を胸に抑えて
「はああ」
とため息をつきながら険しい表情になった。
そして
「ありがとう、レリア」
と言って鞄に入れた。
そして
「行きましょう、もしかしたら希咲君が起きてるかもね」
と言った。
それを聞いて
「この非常事態で寝てたら無理矢理起こそう!」
「そうだな! 酔ってても関係ない!」
「むしろ吐いてそうだけどな」
「いや、酔い止め飲んだら結構耐えれるから大丈夫じゃない?」
と皆で話しながら望のいる部屋へと向かった。
そんな時
「あれ? どうしたの?」
と望が食堂から出てきた。
それを見て
「「「「「はああ」」」」」
とため息をついた。
望は
「へ? 何?」
と聞くと
「いや、空気読まないなあって思って」
「ああ、皆が満身創痍になってるのに」
と和子と剣子に呆れられていた。
望は
「何で食事しただけでそんな風に言われんだよ」
と文句を垂れた。
だが望でもさすがに皆の表情が少し暗い事なんとなく気づいた。
そして望は
「皆……」
と俯きながら
「なんか……ごめん」
と取り敢えず謝る。
すると
「ゴっごめん、流石に感じ悪かったね……まあ! これからの今は船で安全に移動しましょう!」
「そうだな、いつまでも引き摺るのは良くないし!」
「ああ! 忘れるのは良くないがだからってそれを枷にするのも良くない!」
「皆! 頑張ろう!」
「ええ!」
と言って皆気合を入れた。
それを見て望は
(皆……俺が知らないところで悲しみを乗り越えたんだな……うんうん)
と1人で何故か満足そうにした。