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48Dead『自分にとっての幸せ』

レリアが自分を犠牲にして旬クリーチャーを倒すと宣言した事によって皆は反対したが、刻一刻と旬クリーチャーは船を襲っていた。

それを見てレリアは


「時間が無い、この薬なら海での戦闘が出来る訳じゃないけど理性を保った状態でゾンビ化することが出来る」


と言った。

それを聞いて


「ならなお駄目だよ!! そんなことしたらレリアさんが死ぬんでしょ!! 自分を犠牲にするなんて!」


と言った。

そんな中剣子は悩んだ。


(糞……望ならやってくれるか……あいつはゾンビになりたいと言っていた……しかしそれでいいのか……そもそもあいつが私たちを守ってくれるか……それに薬の効果は理性を守りながらもゾンビ化すること……それはあいつにとっての望みだったか……もし違うと分かれば我々に逆恨みをして襲ってくる可能性が高い……)


と悩んでいた。

アンジェリスは


「ドっどうしたの? 剣子? さっきから表情が険しくなってるよ……」


と聞いた。

剣子は


「いや! 何でもない!」


と言った。

剣子は


(もう仕方ない! あいつに頼んで襲われるリスクを抱えるより今どうやって皆が無事で助かるかを考えるんだ!)


と自分に言い聞かせた。

レベッカは


「分かった……あなたが決めたなら」


と言った。

それを聞いてアレックスは


「良いのか……レリア……」


と言った。

それを聞いて和子も剣子もアンジェリスも


「な! レベッカさん! アレックスさん! そんな!」

「もうちょっと考えよう! 何とかする方法があるかもしれない!」

「そうよ! レリアさんも! そんなこと言わないで!」


と言った。

しかしレベッカは


「諦めて!!」


と言った。

それを聞いて3人は


「どうして! 元恋人なんでしょ! レベッカさんだって苦しいはずでしょ!」

「そうです! 無理をしないでください!」

「私にとっても大事な叔父なの!!」


と言った。

するとレリアは


「ありがとう、皆心配してくれて……でももう時間はないようだよ」


と言った。

そして、モニターを見ると完全に旬クリーチャーは船に絡みついて食し始めていた。


「!!」

「そんな!」

「いやあああ!」


と3人は悲鳴を上げた。

そして、レリアは


「皆に出逢えて良かったよ……だからちゃんと挨拶させてくれないかな?」


と言ってピエロのお面を取った。

レリアの素顔は×と刻まれた古傷で歪んでいた。

それを見て3人は


「レリアさん」

「その顔……」

「叔父さん」


と辛そうに見た。

レリアは


「やっぱり汚いよね、これはねレイビン家で一番出来なかった人間に与えられる傷なんだ……治療は自分自身でしないといけなくてすごく痛かった……そしてこの顔は皆から恐怖を与えたんだ……」


と言った。

そしてレリアは続けて


「でもある日僕に刀をくれた日本人のお爺さんが言ったんだ……」

『人は幸せを掴むためにあるんだ、その先が例え死だったとしても自分の納得のいくものであればそれも辛く感じることは無い……もちろんそのためには見たくないこともあるだろうがその先の幸せの為なら耐えられる、お前の幸せは何だ? 恨みを晴らすことか? それとも人を喜ばせることか? わしの知ってる限りお前の幸せは人を喜ばせることだ、お前はその傷の痛みで傷ついたんじゃない、その顔のせいで人を喜ばせれなくなったのが一番苦しかったんだ……だからレイビン家を恨んでしまった。その顔を見せるのが辛いなら隠せるものをやろう……これは孫が飽きてわしにくれたピエロのお面じゃ、ピエロは人を喜ばせることが出来る素晴らしい職業だ……そして、いつかそのお面が必要無くなったら必要とする者に上げるといい、自己満足でいいから幸せになるんじゃぞ』

って」


と思い出すように言った。

そして


「だから今から行ってくる、最後まで君たちを笑顔で送るのが僕にとって今一番の幸せだから」


と言った。

そして、操縦室を出た。

ピエロのお面を置いて


それを聞いた3人は


「止めれ……無かった……」

「……」

「叔父さん……死んじゃうのに」


と辛そうにしていた。

レベッカとアレックスは


「これからもっとこういうことがあるわ……慣れなくていい事よ」

「ああ、こんなことを慣れちゃだめだ……我々が人である以上……ちゃんと涙を流して悲しんでやるんだ」


と言った。

そして皆涙を流して


「「「「「ありがとう」」」」」」


と言った。


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レリアは


「さてと……覚悟を決めないとな」


と言って自分の腕に薬を打ち込んだ。


「ググウグウウウウ!!」


と呻きながら意識をしっかりと持ちながら海へと入った。

そして


「グガガアアガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! オニジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア! オネジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


と船に貼りついている旬クリーチャーに向かった。


「ハダゼエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」


と叫びながら


ブクッググウググッグウ!


と体が膨れ上がりその大きい腕で旬クリーチャーを引きはがそうとした。


「ゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」


痛みがあるのか旬クリーチャーは悲鳴を上げながらも船を離そうとしなかった。

それを見て


「マゲルダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! オデエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」


と言いながら腕をブチブチといわせながら無理矢理剥がした。


「ゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」


と悲鳴を上げながら旬クリーチャーとレリアは海へと沈んだ。


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