439Dead『私の核爆弾』
「望! あんた! ナーマナさんを見捨ててたの!」
「うん」
「お前って奴は……こんなにお世話になっていたのに……屑め!」
と和子の問いに平然と答える望に剣子はゴミを見るような目で侮蔑した。
望は
「生きてたんだ」
「生きてましたよ? 不思議ですか?」
「いやこの世界だとそこまで不思議とは思わない」
「そうですか、では今から奉仕させていただきます」
「え? そんな状態で?」
と不思議そうにしながら望が聞くと
「大丈夫ですよ、体は再生し始めてるので」
と言って首から下がドンドンと再生していた。
望は
「分かった、それではお願いね」
と言って
「オラオラ! さっさと俺をゾンビにしろ!」
ナーマナに言うと
「それはダメです」
と言ってゾンビにはしないつもりであった。
それを聞いて望は
「おいおい、酷いなあ」
と言っていると瑛代は
「さてと、ベルゲザズは分かったかな? 私はすでに入る前から作戦を実行していたことに」
と話し出す。
ベルゲザズは
「ああ! 作戦!」
と聞くと瑛代は
「お兄ちゃんだよ、お兄ちゃんは確実に国が確保すると思ったよ、何かやらかす前に何かすると思って閉じ込めておくんだよ、それがあいつ等に送った私の核爆弾だよ」
と笑って言った。
ベルゲザズは
「まさか……望がこんなバカをして選ばれし国民共を惨殺するって知って」
「ああ! 私はお兄ちゃんを信じてる! だからこの作戦を決行した」
「瑛代? 俺が出来なかったらどうするの?」
「その時はまた作戦を変えて壊していた」
と言った。
瑛代は笑いながら
「でも出来た! お兄ちゃんは私の期待を絶対に裏切らない! そして君達が私と組んで国を壊したいという事を予測できた! だからこそ私は作戦は言わなかったけどそれぞれが自分で出来ることを考えさせるように仕向けた! そうでしょアンジェリスちゃん!」
「そうね、瑛代ちゃんが目の前にいればあんた達は瑛代ちゃんに目が引かれる、そして、私やレベッカやアレックスは俊が始末するって信頼していた、でも? これならどう?」
と言って自分に銃口を向けて
バンバンバン!!
と撃ち込んだ。
しかし、アンジェリスは死ななかった。
再生を始める。
俊敏性犬は
「ガウン!」
と吠えてベルゲザズ達を見る。
ベルゲザズは悟った。
「まさか……これを狙ったのか」
「ああ! そうだよ! お前等の失敗は国の技術力を利用して国の権力を使って国を利用した! でも私は一から作り直した! それが違いだよ! あんた達と私の世界略奪の違い! 自分の仲間と自分を頼るならともかく元リーダーを抱え込むとこうなるだよ!」
と笑った。