45Dead『ゲロまみれ』
「ブ!! ハハハハハハハハ!! 何だあいつ! 不運にも程があるだろ!! ゾンビになりたいのになれるチャンスが訪れると共にそれが途絶えるだなんて!! もしあいつが生きたいと思っていたならばすでにゾンビ化してたろうに!! クウウハハハハハハ!!」
とベルゲザズは腹を抱えて笑っていた。
「お前もそう思うだろ! レアズ!! ああ!」
と1人の女性に向かって言った。
レアズはライダースーツに黒いヘルメットをしていて姿があまり分からない状態であった。
そして
「私はあなた様の命令に従うだけの存在です。笑うべきでしたら笑いますが?」
と聞いた。
ベルゲザズは
「チ……面白くもない……まあそうしたのは俺なんだけどな」
と言って不機嫌そうにモニターを見る。
そして
「まあ、これ以上の深追いはしないでおいてやるよ、こっちもお前らだけに構っている暇なんてないんだ……研究が控えている、このモニターを確認して何かあったら呼べ、レアズ」
とベルゲザズは指示をした。
レアズは
「ハ!」
と言ってその場に残った。
レアズは
「……」
ただじっとモニターを見た。
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「うわあ……くさいなああ」
「確かに臭うね……」
とアンジェリスとレリアは言った。
和子は
「取り敢えず服を着替えさせようよ……さすがにこのままじゃ……」
と言って運ぼうとした。
すると
「くっさ!!」
と言って手を離した。
レベッカは
「もう俊敏性犬に任せた方がいいんじゃない?」
と言った。
それを聞いてアレックスは
「だが俊敏性犬はこいつの言うことしか聞かないだろ……」
と言った。
レベッカも
「確かに、そうよね……俊敏性犬! 運んで!」
と一応なのか命令をした。
それを聞いてアレックスは
「ハッハッハ! 出来るのか?」
と笑っていると
「ガウン!」
と言って望を背中に乗せて運んだ。
「シュッ俊敏性犬が!」
「望君以外の言うことを!」
と和子とアンジェリスが驚いていた。
それを聞いて剣子は
「なあ……そういえば俊敏性犬なんか綺麗になってない?」
と言った。
それを聞いて他の者は
「「「「「!!」」」」」
と普通にビックリしていた。
皆は知らなかった。
俊敏性縫がクリーチャー型ゾンビと戦って体を回復させたこと。
そして、体の結成でゾンビの細菌を無効にするようになったこと。
それを知るのはもう少し先になったのであった。
「うう!! ゲエエエエエエ」
「望! 俊敏性犬の上で吐かないで!!」
とアンジェリスは望に注意をしたが
「ゲエエエエエエエ」
と噴水のようにゲロが背中から垂れる。
とにかく汚れてしまった為、望はお風呂にぶち込まれた。
そして
「さあ……洗うぞおお」
とアレックスが男ということとレリアは諸事情により一緒にお風呂に入れないとのことでアレックスが望の付添になった。
そして
ザーーーーーーーーー
とシャワーを使ってゲロを落して。
「ガガガガガガ」
とうがいをさせた。
そして、望は
「ありがとう……少しマシになった」
と言って顔色を戻していた。
お風呂に入って頭がシャキッとしたのであった。
そんな頃他の皆はレリアに話を聞いていた。
「ねえ、この船いつ頃到着予定なの? てかどこに向かってるの?」
とレベッカが聞いた。
レリアは
「どうせ戦うんでしょ? だから研究所のある国にしたよ」
と言った。
それを聞いて
「そう……でもアンジェリスちゃんは?」
と聞くと
「それも問題はない……僕の知り合いの研究施設で安全に暮らして貰える準備はしてあるよ、後はアンジェリスちゃんがどうするかだけど……後和子ちゃんと剣子ちゃんと望君かな」
と言った。
それを聞いてアンジェリスは
「私は一緒に戦う、もしかしたら足手まといかもしれないけど皆と離れたくないし」
と言った。
和子も剣子も
「私も戦います……すべてが上手くいく可能性も低いですし生き残る為の戦闘慣れをした方がいいですし、それにこんな状況を黙って見るだけなんて嫌だとレベッカさんやアレックスさんと一緒にいて思うようになりました、だから一緒に行きたい」
「私もだ! 和子も守りたいし戦いたい、そして自分の手で平和の生活を取り戻す、もう失うのを見てるだけなのは嫌だから!」
と言った。
それを聞いてレベッカは
「もう……後戻り出来ないし死ぬかもしれないよ? いや、死ぬよりひどい目に合うかもしれないよ?」
と聞いた。
3人は
「「「分かってる!」」」
と言った。
それだけを聞いて
「分かった……ここまで来た仲間だ……正直ついて来てくれて心強いよ」
と嬉しそうにした。
そして
「後は希咲君だけだけど……」
「あいつは……来るだろうな」
「へえ……そうなの?」
と剣子の言葉にアンジェリスは疑問に思った。
剣子は
「あいつは特殊だからな……俊敏性犬がいるから反対はするつもりないしあいつにも助けられたことはあったからなあ……」
と微妙そうな表情をした。
和子は
「はああ……また私がツッコまないといけないのかな……」
とため息を吐いた。
アンジェリスは
「私も手伝うわ!」
と言って和子は
「ありがとう」
と言った。
そしてレリアは
「そうか……取り敢えず船は3日後には着くよ、それまではゆっくりしよう」
と言った。
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ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
船が海を進んでいる中船の後ろに
ギュジュルウウウ
何かが引っ付いていた。