423Dead『飼い潰される』
剣子は物凄く不満そうにしていた。
それを見て和子は
「確かにレイビン家と手を組むのは嫌だろうけど……仕方ないよ……今更国が自分達の独善的理由で敵になったんだから」
と言って説得しようとした。
すると剣子は
「ああ、それに関しては別に仕方ないと理解はしているから……私が不満なのはそっちじゃない……」
と膨れていた。
和子は
「じゃあ一体何が不満なの?」
と心配そうに聞くと剣子は
「私の父は……ずっと国の為に貢献した、剣道の指南役として警察官や国の重役の為に稽古をつけてきた……それが今までこんな状態を放置して今更正義面で現れたのが嫌なんだ……それに……多分そこには父もいると思う……多分おそらく父の場合は誇りとして一緒に国の為に頑張ってるんだけど……その誇りを利用して都合よく使われているのが不満なんだ……何か尊敬する父を自分勝手に都合よくその……何だ……」
と上手く言えない剣子に変わって
「つまり戦力として期待しているといって結局捨て駒の様な扱いをされているのが嫌なんだね……自分の大好きなお父さんを今まで何もして来なかった人達の為に使われるのが嫌だと」
と聞いた。
剣子は照れながら
「……うん」
と言った。
それを聞いて和子は
「そうだね……それは嫌だね……私も剣子ちゃんを都合よく使い捨てられるのは嫌だもん……今まで望の馬鹿を制御しながら一緒にやって来たのに……望君がゴミの様に死んだところで何とも思わないけど剣子ちゃんが死ぬなんて私嫌だし」
と言った。
瑛代は
「ほほう、妹が目の前にいるのに良くも言えたねエ」
と笑いながら言った。
剣子は
「ごめん瑛代ちゃん今は目を瞑ってくれる?」
「了解! 兄貴がダメダメの屑野郎なのは昔っから知ってるし」
と言って黙った。
剣子は
「私は……父と戦う事は嫌いじゃない……まあ私の手で倒すとなると少し抵抗が出そうだけど……それでもやっぱり音無先輩を失うぐらいなら私は戦いたい……そして、今のお父さんの立場から解放してあげたい……本人は満足してるかもしれないけど……まあそれはそれとして私が父に勝つ事は父にとっても良いことだし……そういう部分は公平な人だしい……」
と言って和子の方に頭を置く。
和子は
「もう甘えん坊だね……この剣豪様は」
と言って頭を撫でた。
それを見ていた瑛代は
「百合はお兄ちゃんの性欲の大好物だから今惜しがってそうだね」
と言って笑っていた。
京は
「瑛代様、私と百合ません?」
「……はいはい、後でね……今は頑張って戦おうよ……その後楽しませてやるよ!」
と言って投げキッスした。
それを見てベルゲザズは
「こいつら遊び気分だな」
と呆れていた。