420Dead『昔と変わらず』
望は物陰に隠れて覗いていた。
すると男達が数人現れた。
そして
「馬鹿な! 何故ここの鍵が! やはり大臣の子を殺した奴が!」
「糞! ふざけるな! 外道め!」
「ゴミめ! 子供にこんなことをするなんて! 人間じゃねえ!」
と悔しそうに言った。
望は
「……ここの死体は良いのだろうか? ああ! 良いのか! アイツは大臣の息子! ここにあるのはただの有象無象! だから死んでもどうだっていいんだ! ハハハ! 人間って本当に昔から変わらないだな!」
「そこにいるのか!」
望は迂闊に喋った為バレた。
そして捕まった。
大臣が現れ
「貴様が我が息子を殺したのか?」
「え? 違うよ?」
と言った。
それを聞いて大臣は
「じゃあ誰が殺した! 言ってみろ!」
「さっき倒れている男です! 僕怖くて! 逃げて! 何とかあの男殺して………逃げてきたんです! うううう!!」
と明らかな泣いたふりをした。
しかし、望は
(フン、あいつの為に働いたお陰で嘘泣きの涙ぐらいは出るぞ! どうだ! 涙があるのに嘘泣きだとは言えんだろ!)
と考えていた。
大臣は
「ならばあの男が我が息子を殺したんだな! 許せん!」
と言った。
大臣は興奮状態で相手の表情を確認することも出来なかった。
その上望は顔を伏せていた為バレることは無かった。
望は
「何か! あの男! 子供や妻を殺されただとか言って!」
と探りを入れた。
すると大臣は
「ハア! ふざけるな! お前等の様な愚民が何を言ってるんだ! 俺の息子の方がお前等の家族の100万人分の勝ちがあるんだ! それを! それをたった小さな命程度に! ふざけるな!」
「そうですよね! そうですよね! 滑稽ですよねえ!」
(うわああ……フェイクニュースで言ってたようなこと本当に言ってるよ……ネット繋がってたらこれを投稿してバズらせてたわあ)
と笑いながら言った。
そして
「大臣! しかしミサイルの方はいったい誰が! やはりこいつ意外いないと!」
と言うと大臣は
「もし本当なら殺す、子供を殺したならば苦しめてやるつもりだったがあの男の責任と殺したというならば仕方ない……」
と言ったので望は
「ああ、それは僕です」
と言った。
望は
(しゃあああ! ついに! 遂に殺される! フハハハハ! ゾンビではないがでもいい! あ! だが光子のせいで死ねないのか……ならば!)
と考えて
「少し提案があるんですが……僕をゾンビにして敵に襲わせませんか? それならば戦力になるのでは? それに意識を保たないようにすればコストも高くはないかと?」
と提案すると大臣は
「フン、良いだろう……お前をゾンビにしてそのまま使い捨ててやる!」
と言った。
望は
(しゃああ!)
遂にゾンビ化が叶う可能性が見えてきた。