416Dead『勝手な望』
エイズアは呆れながら
「全く、レイビン家に完全に支配されていると思ったらまだ元! 国の偉いさん方は諦めていなかったんですか? 勘弁してくださいよ……これ以上敵を増やしてどうするんですか? 三つ巴ですか? そんな事をして負けたらカッコ悪いですよ?」
と溜息をしながら言った。
するとオッサンは
「フン、お前等は何もわかってない……国が動き出すんだ……上級国民達の力を思い知れ」
「てめえもただのリーマンだろうが……」
とエイズアに煽られながらもオッサンは
「フン、来い」
と言うと
「はい、マスター」
と一人の皮膚が変色した男が現れた。
望は
「ゾンビい?」
と聞くとオッサンは
「違うな……貴様等の様な汚れることに対して全く躊躇のないイカレタ連中とは違うのさ」
と言った。
それを聞いて望は
「何だと! イカレテルだと! その通りだ! もっと言ってやれ! どうだ叔母さん! お前等がおかしいってことを今国が証明したぞ! 国の人が言ってんだ! きっと正しい!」
と笑いながら煽る。
するとナーマナは
「で? それが何ですか? 我々を殺すのですか?」
と聞いた。
するとオッサンは
「その通りだ、しかし望意外な」
と言った瞬間
ズバアアあ!!
とエイズアは体を斬られた。
「ほほう、確かに凄いスピードです……なるほど……調子に乗るわけだ」
と笑いながら上半身が落ちた。
ナーマナは
「ああ、私の命運もここまでかあ……」
と遠い目をしていた。
望は
「ばいばい」
と言った瞬間ナーマナは
「因みに、望様は私が見ていないと余計な事をする可能性が飛躍的に上がりますが良いんですか? 連れ去るなら別にそれでも構わないですよ?」
と言った。
それを聞いてオッサンは
「フン、命乞いか? そんな事で助かるとでも?」
と言うとナーマナは
「まあ無理でしょうね……まあこれで望様が少しでも生きることに対して執着を持ってくれればと思って……言ったまでです、でも言ったことは本当なので望様を攫うならそこだけは気を付けてくださいね」
と言った。
オッサンは
「フン、参考にさせて貰う」
と言ってナーマナの首を
ズパン!
と斬った。
エイズアは
「あらら、可哀そうに……さて望は」
「はあ、早くしろよ……攫うなら攫えよ」
と言うとオッサンは呆れたように
「言うのが遅いな……もしお前が庇えばその子も少しは違う未来だったかもな……」
と言うと望は
「……ああ……そう」
と我関せずだった。
エイズアは
「さすが屑、ナーマナちゃんのこれまでの思いを一気に無駄にするその独善的でゴミ屑同然のような考え方」
と心底呆れていた。
望は
「じゃあ叔母さん行ってきます」
と言った。
エイズアは
「二度と帰ってくるなゴミ」
とだけ言った。
そして
望は立ち去った。
エイズアは
「それが……貴方の答え何ですね……ナーマナちゃん」
と答えることのない首に問いかけた。