410Dead『望は監視して』
望は
「バアアカ!! 俺はもうここでじっとしてお前等が負ける様を笑ってやるぜ! バアアカ!!」
と指を差して言った。
瑛代は
「はあ、どうしてこんな子に……」
とさすがに頭を抱えた。
望は
「な! 何だよ! 何でそんな言い方するんだよ! 今更だろ!」
「自覚はあったんだ」
とその言葉にアンジェリスは呆れた。
レベッカは
「こいつを無理矢理連れて行けば俊敏性犬を従わせることが出来ると思うけど……どうする?」
「うーん、そうだね……あんま変わんないと思うからいいや」
と言って先を急いだ。
ベイエーンは
「ク! こいつを足止めしていなければ止めれるのに!」
「……俺もついて行こうか?」
「あんたはじっとしていて!! 余計な事しないで!」
と言ってベイエーンは怒鳴った。
ナーマナは
「そうですね、なら私とベイエーン様で見張るのでエイズアさんが追いかけるのはどうですか? それなら問題はないかと?」
と提案した。
エイズアは
「それね! 良いね! 私は賛成!」
と言うがベイエーンは
「ダメよ! あんたナーマナは望の味方の様に見えるけど瑛代の指示を聞いている部分があるでしょ! なら裏切る可能性はあるわ!」
と言うとナーマナは
「チ」
と舌打ちを軽くした。
エイズアは
「ふむ、ならばそのままで行きましょう、どうせ望様以外にあの犬を従わすことが出来ないかもしれないですしね……ナーマナも舌打ちしたことですし」
と言ってベイエーンの指示に従った。
望は
「ナーマナ、お前やっぱり俺の味方じゃないだろ?」
「望様の生の味方です」
「生きろってこと?」
「はい」
「マジか……何だよこいつ……本当に」
と嫌そうにする。
--------------------------------------
瑛代はそのまま道を進む。
すると
「ベルゲザズ! このまま旬のみで任せるのか! さすがに心もとないぞ!」
とゲズアゾは怒鳴った。
ベルゲザズは
「安心しろ……秘策もある」
と言った。
瑛代は何となく覗き込むが
「アレ? 今声したよね?」
「うん、多分地声が聞こえる仕掛けがあるんだと思うよ? ほら! あそこ!」
とアンジェリスが指さす方にメガホンがあった。
瑛代は
「なるほど……あれを改良しているってことか……」
ズパン!!
ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「アが!!」
瑛代は途端に真っ二つになった。
京は
「……瑛代ちゃん」
と真っ青になった。
瑛代は
「まざがあ……ごれ」
と言ってそのまま体が一瞬で引き裂けた。
そして
ブシャ! グシャ! ゴシャ!
バアアアアン!!
の瑛代はバラバラになって肉片が床に散らばる。
「え……嘘でしょ……瑛代ちゃん」
と言うと
「ハハハハハハハハ!! ついに討てたぞ!! 殺せたぞ! 俺から奪った何もかもを奪った女から! 猫かぶりやがって! この屑が!!」
と一人の少年が現れた。
「お前は……清田賢人……お前はあの研究所で怪物として放置されてたんじゃ……」
と京が言った。
和子もアンジェリスも剣子もレベッカもアレックスも冷汗を掻いた。
清田は
「俺の怒りと呪いと辛みをあの方達は理解してくれた! 俺の言葉を聞いてくれた! 俺はベルゲザズやゲズアゾと同じなんだよ! そして、体をゾンビ化してお前等を討つように言われているんだ! てめえらは俺の正義の名の元に死ぬことになる! そしてあの糞の兄も俺をあんな目に合せた報いは受けて貰う!! 覚悟しろ!」
と言って腕を変形させて剣に変えた。