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401Dead『湧いて出る悪意』

やることは簡単だった。

ただただデータをある所へ送るだけであった。

一体こんなに沢山のデータを送って何をしようと言うのかすら分からなかった。

1人増えた。

誠子と呼ばれる少女であった。

そう呼ばれていたから私もそう呼んだ。

そして、私を動かしていた少女は瑛代だった。

希咲 瑛代、彼女は私にその行為をさせるだけであった。

誠子は


「私にあの素晴らしき芸術を教えてくれるなんて! 瑛代ちゃん! ありがとう! 張り合いが出たよ!」


と何か嬉しそうにしていた。

そんな事を聞きながら取り敢えずどこかにメールを送っていた。

いつも送られてくる返信は


『まかせて』


の一言であった。

私はあまり気にせずその分からないデータを送り続けた。

学校には行っていない。

精神の回復の為ずっと病院での療養を余儀なくされていた。

しかし、瑛代が私をある場所に連れて行き食事を貰いながらその廃坑のビルでその作業を続けていた。

そんな時だった。

仕事が終わった。


--------------------------------------


「ねえ瑛代ちゃん、これで何があるの? 言われたとおりにし続けていたけど何があったの?」


と終わった後に瑛代に連れられて歩いている最中に聞いた。

瑛代は


「うーん、そうだね、まあ汚物を一つ作ったのを見て貰う為かな?」


と言ってあるビデオを見せて貰った。

そこには見たことのある裕福そうな男と母親、父親、そして学校にいた瑛代に突っかかっていた少年がいた。


『出てこい! ゴミ共が!』

『お前等は人間じゃねえ!』

『罪に向き合え!』

『FUCK YOU!!』


と様々な罵声を飛ばされて震えている姿であった。

家族はもは窶れていて裕福そうな場所とは似ても似つかない状態であった。

もう、そこら辺のホームレスの様な姿へと変貌していた。

父親は髭をボーボーと生やしてふけが飛んでいた。

ハエやゴキブリが飛び交っていた。

母親は前見た時は若々しかったがもはや老婆の姿をしていた。

2人は目元に隈を作っていた。


瑛代は


「後は訴えるだけだよ、ネットに上がった場所は例え上級国民でも手の出せない外国だよ」


と言った。

私は瑛代に聞いた。


「一体だれが……しかも外国って……」

「私の叔母が今外国にいるんだよ、それでその伝手を使って利用してるんだよねえ……そして、向こうも上級国民に仕事を貰ってるから手も出せないよ、さ! 訴えて金をぶんどろう! 全て貴方の金になる! 貴方はそれを使って生活するの! サポートは任せて! 代わりに私の野望を叶えると約束するなら」


と言った。

私は


「えっと、ここまではまあ感謝するよ……財産とか関係なく家族の仇を取れたのは嬉しいし……貴方の要求も分かる……一つ聞きたいんだけど……貴方の野望って?」

「世界征服だよ」


と言った。

それを聞いて私は


「その世界は私の様な人間は生まれない?」


と聞くと瑛代は


「いや、無理だよ……ああいうのはいくらでも湧いて出るよ、一人いたら何千人いると思った方が良いよ? 今までの歴史を見てもそうでしょ? 綺麗な世界を目指しても今そうなってたでしょ? 身をもって体験したでしょ? 誰が何と言っても同じ結果がこの世界には生まれる、ほんの少し綺麗な世界になっても再び汚れは発生する……まあ探ることは悪い事ではないよ? もしかしたら完成する方法はあるかもしれないしね? まあ諦めなければ可能性は数%ぐらいはあるんじゃない? するかしないかはこの返事に掛かってるかもよ?」


と言ってきた。

私は


「……」


黙ってしまった。

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