400Dead『京の過去2』
時間はお昼ぐらいであった。
給食を食べている最中であった。
壊れた。
全てが。
私のがあって当然の者が消えた。
いや、消えただけならば寧ろそっちの方が良かったのかもしれない。
消される程度ならば本当にそっちの方が良かった。
消えたのでなく、汚され壊された。
「町田さん!! ご家族が!!」
妹が学校に来てないという事はその時知った。
先生が私を呼びに来たその時に
「何で!! 何でええ!! 何でええええええええええええ!!」
私は目を見開きながら必死に走った。
叫んで走った。
泣くことすら出来ず走った。
信じたくなくて走った。
否定の為に走った。
「違う! 違え! 違てええええええええええ!!!」
言葉すらちゃんと発せていない事すら分からなかった。
途中で道を歩いていた人を押し退けて転ばしてしまった気もする。
だが気にすることも出来ない。
そして、家に着いた。
そして、ドアを開けるとそこには
汚れがあった。
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああ!!」
その後は誰かに連れられて自分がどこに座っているのかすら分かっていなかった。
ただ、汚く壊された者が頭から離れなかった。
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「聞いた? 町田さんのご家族さん強姦されて殺されたらしいわね?」
「父親とお爺様は無惨にバラバラですって!」
と噂が流れる。
(止めろ……)
「娘さん、葬式に出席しなかったそうよ」
「いやだ、家族の最後の別れに出席しなかったの? 最低」
(うるさい)
「本当は仲良くなかったのかも?」
「虐待されてたんじゃないの?」
(何も聞きたくない)
ずっとそんな声に対してそんなことを考えていた。
犯人は見つからなかった。
警察とキャスターや報道では、
私は見かけた。
話していた。
裕福そうな恰好をしており不気味に笑っており、母親らしき人物が
「貴方は何にも悪くない、貴方はただ誘惑されただけなの、誘われてこんなことをしてしまったんでしょ? 大丈夫、お父さんとお母さんに任せて、貴方は何も悪くない」
(悪いって何だろう)
(罪って何だろう)
(裁きって……何の為)
「ねえ? 話せる?」
と一人の少女の声がした。
私はただ顔を上げた。
聞こえた声に反応しただけの様に
少女は
「私に協力すれば貴方の家族を汚物にした奴をそれ以上の汚物に出来るよ! お願いできる? 言われたことをやってくれればいいから」
私は取り敢えず頷いた。
何かしている方が気が晴れるかもしれないと思ったのか
それとも言われたからただ何となく体を動かしただけなのか
少女の手を取った。
ただ何となく