340Dead『真の敵はリア充男』
望の手にはパンツが握られていた。
「これは……」
と言って取り敢えず嗅いでみた。
「はあ!! 血生臭い!」
と言ってパンツを見ると血が付いていた。
望は
「うむ、なんか……」
と言って何故か失ったはずの興奮が蘇ってきた。
「うおおおお!!」
と叫びながら望はパンツを
被った!
被った!
被った!!
そして、望は
「これは……これはああああああああああああああああああああ!」
と言って先程まで血生臭い匂いだったのになぜか甘く嗅ぐわしい臭いへと変貌していた。
望は
「そうだ……」
と頭の中であることを思い出した。
それは望が股間を蹴り潰された事であった。
望はあの時、あまりの痛みと恐怖と絶望で女に対して恐怖をしていた。
しかし、それは、あれは男が行った事でありやられたことと言えば顔面を燃やされたことであった。
しかし、すぐに治りその状態からでも女を襲う為の元気は残っていた。
望は考えた。
(どうして……どうして俺はあの時を持ってリアルが無理になったんだ……燃やされても女を、リアルを恐怖しなかった……しかし、しかしだ! 股間を潰されて女と寝ようとするとこんな目に合うというトラウマに見舞われていた……しかしあの場で壊したの全て男! 否! 燃やされたときだって男の責任であった、余計な男のせいで自分の喜びを達成できなかった、ならば恨むべきは)
と考えて望は
「うむ、男は基本どうでもいいでいける! つまり女は! 女は!」
と言ってスウウウ! ッと臭いを吸って
「女は今まで通りにせねばならん!」
と考えて望はやっと女からの恐怖を克服できた。
そして、恨みはリア充の男へと向けられた。
あの時もあの時もリア充男が全て望から奪った。
苦しめた。
そんな奴に慈悲を掛ける理由はもうなくなった。
その為、望はリア男に凄まじい八つ当たりをすることによって心の安定を望んだ。
しかし、ゾンビになることを諦めてはいない。
望はそれだけは忘れずにいた。
だがリア充男がいればそいつを苦しめることだけは忘れないようにと本能に刻まれた。
先程の本能も本当に恨むべき相手を倒すと体にあった怒りが反射的に働いたのであった。
なので、望はリア充男を殺すのではなく苦しめる方法を取る。
これからも
そして望はパンツを被って研究所内を歩き始めた。
「うむ、先程の悲痛は素晴らしかった……リア充男め、自分の愛する人間が汚され殺され抉られ泣き叫び姿を聞き見るがいい! ヒャアアハハハハハハハハ!!」
と下種に笑いながら進んで行った。