308Dead『偉大さ』
瑛代は地図を見た。
「ああ……取れてないなあ……」
と唸った。
それを聞いて京は
「そうですねえ……でもそんなに簡単ではないことは瑛代ちゃんが一番分かってるでしょ?」
と言った。
瑛代は
「そうだよねえ……取り敢えず兄貴に何とか研究所を壊して貰わないと」
と言うと京は
「でも彼はしてくれるでしょうか? 今じゃ安全なここに引きこもる可能性も……」
「まあ京の言いたい事は分かるけど……兄貴がそんな簡単な事を考えてると思う?」
と言った。
それを聞いて京は
「えっと……どういうことですか?」
と聞くと瑛代は
「兄貴は確実にここに住んでいて安全であることは無いと思っているよ」
と言った。
京は
「……どういうことですか……」
と少し怒り気味で言った。
瑛代は
「そう怒らないで……怖いよ」
と言うと京は
「ごっごめんなさい」
と謝った。
瑛代は
「まあ良いよ、それに兄貴の思いはこうだよ」
と言って説明が始まる。
「そもそも兄貴の住んでいた世界は安全と言われていたしいきなり滅びることもわかってなかったでしょ?」
と言った。
それを聞いて京は
「まあ、私達も住んでいてそんな簡単に滅びるとは思ってなかったけど……まさか」
「そう、兄貴は今ここもいづれ滅びるんだろうなあ……過度な期待はしないでおこう、そして自らここから出ることでゾンビになる際の恐怖を和らげておこう」
と言った。
それを聞いて京は
「でもそれってそんな」
「すぐではないとは思うけど兄貴はすぐに来るかもって思ってるかもよ」
と言った。
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望は顔を赤くしながらナーマナに
「いや……違うんだ……これはその、故意だ」
と言った。
ナーマナは濡れたシーツを干しながら
「ほう、故意とはどういうことですか?」
と聞くと望は
「ほら、色々とかあるだろ! 大の大人が赤ちゃんになったらすごくカッコ悪いけどでも一言言葉を換えればそれだけで大人な感じになると思わない?」
と言った。
ナーマナは
「なるほど……これもだと言いたいんですか?」
と言った。
望は
「そう! これは寝小便でなくそういう奴だ!」
と言った。
ナーマナは
「寝てしたらてそれは寝小便と思いますが?」
と言うと望は
「ほら! 最近そおういうをしないとアレするだろ! それと同じだって! それに俺だって今回は初めてなんだぞ! 子供の頃はしてたけどまさかこの年になってするなんて! ならばこれは寝小便プレイだ! それならば格好も着くだろう!」
とドヤ顔で言った。
ナーマナは
「そうでしょうか……まあ別にどっちでも構わないんですけどねえ」
と言って望の股間を見た。
そして
「その後はどうですか? そこ蹴り潰されたって聞いたんですが? それの様子も聞くように仕事を与えられたので」
と言った。
望は
「は! そういえばあれをされてから寝小便が増えたかも! 新しい世界への新境地へと向かったのか! 俺は!」
と驚いている。
ナーマナは
「それは治療した方がいいのでは? まあどうしても別のアレにこだわるなら止めませんが……」
と言うと望は
「しっしばらくはこのままで! もしかしたら飽きるかもしれないし!」
と言った。
それを聞いてナーマナは
「そうですか……早めに飽きるといいですね」
と少し
苦笑しながら言った。
そして
ガチャン
「望! 行くよ……望……あんた」
とアンジェリスはドアを開けるともに寝小便の後を見て引いた。
望は
「股間を蹴られて以来寝病気になっちまったんだ」
と言い訳をした。
アンジェリスは
「そう……まあいい、取り敢えず次の研究所に向かうから!」
と報告してその場を去った。
望は
「ふむ、やはり仕方ないな!」
と自慢げに言うとナーマナは
「そうですねえ……良かったねエ」
と棒読みで言った。
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そして、皆が会議室に集まると
「お兄ちゃん……潰された影響がここまでとは……」
と濡れたズボンを見て瑛代は涙を流した。
他の皆も
「アレックスさんの禿事件と同じ悲しみだね……その年で寝小便何て」
と悲しそうに和子は言った。
と剣子は苦笑した。