303Dead『可能性0』
真田はしつこかった。
「いや! まだカンニングしている可能性はある!」
と言う。
不良達も
「そうだ!」
「俺等の証言を忘れるな!」
「見た奴がいるんだよ!」
と大声で騒ぎだす。
教頭は
「だが現時点で彼のテストは正当性がある……それに100点を取るのにカンニングは非効率だとも証明された、これ以上続けるつもりかね?」
と本気でうざそうな目で見ていた。
望は
「教頭が本気でウザそうにするって相当ですよ……先生……もう止めたらどうですか?」
と聞いた。
すると真田は
「じゃあこの際お前が勉強をして点数を良くしたのは認める! だが100点を取るのにお前は他の奴のテストをカンニングして正しい答えを書いて点数を満点にした! その可能性があるだろ! 他の問題は解けてどうしても解けなかった問題数問を相手の答えを見て解いた! そうに決まっている!」
と言い出した。
望は
「確かに……その可能性はあるでしょうねえ……でもたまたま相手が答えれた回答をたまたま俺が分からなくてたまたまそれを周りを見て正解を引き当てるって結構確率低くないですか?」
と言うと不良達は
「でもよお! 0じゃねえだろ!」
「そうだ! 0じゃない以上お前がカンニングしたという結論はひっくり返らない!」
と言われた。
望は
「俺がカンニングしていない可能性の方が高いからその可能性は無効で良いだろお」
と言うと真田は
「そんなの子の可能性に比べれば何の意味も持たない!」
と言い切った。
望は
(俺は奴らの可能性を0にしないと解放されないのか……)
と完全に呆れた。
すると
「ふざけんなよ!」
「そうよ!」
「いい加減にしろよ!」
「馬鹿なの!」
「しつこい!」
「俺等の事も考えろよ!」
「頭おかっしいだろ!」
「もうテスト見られたくない」
と望の周りの人達が来た。
すると真田は
「な! なんでお前等が!」
と言うと望の周りの席のクラスメイトは
「俺等テスト用紙を返しに貰いに来たんだよ!」
「今日返されることをお母さんに言ってるの!」
「これが終わらないと俺等帰れねえんだよ!」
「そうだそうだ!」
「いつまで俺等を解放しないつもりだ!」
等の不満を言った。
教頭は
「すまない……真田先生がしつこくて」
と申し訳なさそうにすると他の生徒たちは
「いや……教頭は何も……」
「えっと……」
と他の生徒達は気まずそうにした。
望は
「ほら! お前がしつこいから皆思い空気に包まれたじゃないか! 何てことするんだ! 謝れよお! ほらお前等謝れよおお! ここまで迷惑を掛けた俺の周りの席の人たちに謝れよおお!」
と煽るように言った。
すると不良達は
「ふざけんな! お前等こいつが何の努力もしないで100点取られて腹立たねえのか!」
「そうだ! こいつの罪を露わにする必要があるだろうが!」
と文句を言う。
真田も
「そうだ! お前等を苦しめて入り元凶はこいつだ! カンニングしたに決まってる! お前等はこいつを庇うのか!」
と文句を言う。
すると
「別に庇うつもりはないが、こいつの味方にした方が早く帰れそうだし」
「こっちは部活で疲れてんだよ」
「それにこいつが100点取ろうが私らスポーツ推薦だし」
「それにお前等の方が迷惑だったよ、俺等だって先生に質問があるのにお前等に時間を取る為にその時間を奪われてたんだから」
「それに比べればペン回しで最初は迷惑を掛けてたけど、後半上手くなって勝手にしているこいつの方が迷惑じゃなかった」
「勉強も自分でやってたみたいだし、それに比べればお前等喋ってうるさかったし先生を独占してたんだから」
と不満を述べられた。
望はこれを機に
「ほらああ……みんな迷惑しているじゃないですかあ……考えてくださいよ」
と言った。
教頭は
「そうですね……望君も皆様も帰っていいですよ?」
と言った。
そして
「「「「「「「はーい!」」」」」」」
と言って皆帰った。
真田は望を止めようとするが
「もう止めましょうよ……真田先生」
と言って体育教師も止めた。
教頭は
「貴方はもお……後で話があります……別の退職にはしませんが減俸と厳重注意をさせていただきます」
と言った。
真田は真っ青になって
「そんな……」
と言って膝をつく。
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望は
「えっと……なんかすんません」
と言った。
すると
「あ! 皆! ありがとう! これ! 好きに使っていいよ!」
と言って瑛代が現れて一人一人に金を渡した。
皆
「おっしゃ! 新しいバット買おう!」
「私も新しいシューズ買える!」
「やったああ!」
とそれぞれ喜んで帰っていった。
望は
「お前の計らい?」
と聞くと瑛代は
「さあ? お兄ちゃんのテストを貸して貰うのが聞いたのかもよ?」
とにやっと笑って言った。