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299Dead『不良の勉強』

次のテストが近くなってきた。

そんな時でも望はペン回しにかまけていた。

真田は


「貴様! 本当に屑だな!」


と言って授業を止めて再び怒る。

不良共も


「俺等の事散々いう癖に自分は良いのかよ」

「そうだよなあ、人の迷惑が分かんねえのかよ」


と言っていた。

その不良達は望を睨みながら言った。

その不良達はいつの間にか普通に勉強していた。

望は


「お前等勉強とかするタイプだっけ?」


と言った。

すると真田は


「お前に馬鹿にされてから心を入れ替えたんだよ! お前みたいな屑とは違ってな!」


とドヤ顔で言った。

望は


「そうすか……じゃあ俺のお陰だな」


と言ってペン回しを続けた。

真田は


「お前みたいな屑がいると邪魔だ! 出て行け! 二度と学校に来るな!」


と言った。

望は


「え? 何で? 不良には今まで何も言わなかったのに俺にはそういうことを言うんですか……そうですか……」


と言っていると


「もういいじゃないですか」

「私達こいつのそんなに気にしないですよおお……あいつ等の声に比べればまだ気にはならないですし」


と言った。

望のペン回しは多少上手くなり落とすことがかなり少なくなり殆ど落とすような音が無くなり、もはや他のクラスメイト達は気にしていなかった。

しかし、真田は


「黙れ! お前等は黙っていろ!」


と言った。

しかし、


「いや……もうそいつほっとけばいいじゃないですか……一々授業止められるのがうざいです」

「ああ……俺もだ……気にしてるのあんただけだぞ?」

「どうせそいつがテストで苦しむだけでしょ? まあその為の対策をしている可能性はあるけどそれは私達に関係ないし」


とうんざりとしていた。

真田は


「糞!」


と言って授業を続けた。

望は別にクラスに好かれているわけではなかったが関わろうと思われていもいなかった。

生徒会長の座に確実に座るであろう瑛代の兄貴という事で瑛代に恨まれることをしないようにと心の中で思っていた。

その為、望が多少うざい行為をしても無視していたのであった。

因みに望もあまり他のクラスメイトを気にも留めていなかった。

しかし、真田と不良は違い望に因縁をつけていた。

だが授業をしないのも問題の為真田は


「分かった! 授業を再開する」


と言って望を無視することにした。


--------------------------------------------------------------------------------------


真田はある時不良達と話をしていた。

不良は


「真田……俺等に話ってなんだ?」


とリーダー格の不良が話す。

茶髪に染めて顔にはピアスをしている厳つい男であった。

真田は


「お前等……あいつに馬鹿にされて悔しいって思ってるんじゃないか?」


と言った。

すると別の不良が


「……ああそうだが? それがどうした?」


と聞いた。

真田は


「ならお前等勉強したあいつを逆に馬鹿にしないか? 今の状態だと奴は寧ろ調子に乗ってお前等が報復しても寧ろ問題になるだけだ、ならば奴は次のテスト確実に悪い点数しかとらないだろう! なら今勉強を頑張っていい点数を取って勉強していない奴をコケにした方が気持ちが良いって思わないか?」


と聞いた。

すると一人の不良が


「ああ! だったらボコせばいいだろうが!」


と力で訴えようとするが真田は


「止めておけ! アイツの親は警察の官僚だ! お前等の人生を潰されるぞ!」


と言った。

すると


「警察が怖くて不良が出来るかよ!」


と言うがリーダー格の不良が


「止めろ……確かにそうかもな……だから勉強をして見返せってことか?」


と言った。

真田は


「そうだ」


と言い切る。

すると


「卓夫さん! 言いなりになる必要ないですぜ!」


と言って止めようとするが


「お前……奴をボコしてもし自分の大切な奴の人生も奪ったりしたらどうする」


と言った。

それを聞いて


「そ……そんなことが」

「奴ならするかもしれない……奴の妹は明らかに異常だ……何か俺の勘が関わるなと囁く程にな」


と言った。

真田は


「確かに一見奴は優等生だが俺からの目を見ても俺等とみている次元が違う……それもあいつの危険な部分の一つだ」


と言った。

そして、卓夫は


「分かった……良いだろう……ただし今回だけだ」


と言って勉強を受け入れた。


そして、不良達は望に勝つつもりで勉強に励んだ。

もし裏で努力して良い点数を取っている可能性を考えて念入りに。

そのうちに勉強をして小テストの点数が上がることを知り、少しモチベーションが上がった。

そして、望は勉強していないからか少しずつ点数が下がっていた。

だがそれでも望は点数自体は今までサボっていた不良よりかは上であった。

不良の一人が


「おやおや? どこかのペン回しをしている屑は俺等を散々馬鹿にしてた割には点数が下がってませんかあ?」


と煽る。

望は


「……あ、落とした」


と言ってペンを拾う。

不良は


「おめえに言ってんだぞ! 返事をしろよ!」


とキレると望は


「放って置けばいいのに……で何?」


と言うと不良は


「てめえの点数が下がってるって言ってんだよ!」


と言うと望は


「あんたらいつの間に自分が上に立ったつもりでいるんすか……俺の点数にまだ負けてるのに俺が点数下がって煽るとか……」


と鬱陶しそうに言った。

不良は


「この糞が!」


と言って殴ろうとするが


「止めろ! 殴れば奴の思う壺だ!」


と言って止めた。

不良は


「糞!」


と言って悔しそうに席に戻った。

そして卓夫は


「覚えていろ……テストでてめえより良い点を取って見返してやる」


と言ってそのまま立ち去った。

望は


「はあ……そうですか……突っ掛かったのは君らのくせに」


と言ってペン回しを続ける。


--------------------------------------------------------------------------------------


そして、テストも終わり結果が返り、

順位が貼られる。

望も一応そこにいた。

不良達は


「はっはっは! テストの結果が楽しみだぜ!」

「あいつの悔しがる顔が目に浮かぶぜ!」


と笑っていた。

望はボーっとしていた。

そして、真田が俯いて順位表を貼った。

そこには


『希咲望……100点 一位』


と書かれていた。

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