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298Dead『授業よりも』

望の言葉に加奈は


「えっと……真田が被害者? どういう事?」


と言った。

すると望は


「まあ確かに瑛代が言ったことも嘘でない事はあるよ……だから嘘と本当の事が入り混じっていてさすがに君でも嘘を看破する事は出来なかったってことだよ」


と言った。

それを聞いて加奈は


「じゃあ真実はどうなのよ! 本当の事を知りたいの! 瑛代ちゃんはどうして嘘を言ったの!」


と言った。

すると望は


「……ああ……多分俺とお前が喋るきっかけを与える為じゃない……あいつそういう計算をして

俺に飲み物用意させたのかよ……おしゃべりして女の子を退屈させないでねってあからさまな事も言いやがって……」


と頭を抱える。

そして


「まああいつの事だ……仕方ない……ここまで来たら俺もちゃんと話さんとなア」


と言って頭を掻きながら望は


「そうだなあ……まず俺がなんで真田に嫌われたって言うとなあ」


と話し出した。


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望は授業を聞いていてふと思った。


(全く授業着いていけねえ……話を聞いてもさっぱりだ……本当にこの人の授業はノートに書くというより話を聞くだけの方が多いんだよなあ……それに不良の声もうるせえし、あまり聞こえんのだよなあ)


と少し不良の声で騒がしい教室内の中

望は、自分の頭の悪さのせいで暇になった。

実際望の頭が良ければきっと授業も少しは大変だと思って次のテストの為の対策やら将来の事を考えて勉強に熱を入れて話も真面目に聞いていたのだろう。

しかし


(そうだ……そういえばペン回しってしたことなかったなあ……やってみよ)


そんなふとしたことが切っ掛けだった。


ボトン! カンカンカラララ! ボトン!


と何度も何度もペンを回すことを失敗して落とした。

授業中に


「おい! 希咲! うるさいぞ! 勉強に集中しろ!」


と真田は音を聞いて怒鳴った。

望は


「先生の方がうるさいと思いまーす」


と言って言い訳をしだ。

真田は


「ふざけるな! 勉強に集中代と言ってるんだ! 分からないのか!」


と言った。

望はペン回しを一旦中止して


「ああ……集中してもなんも分かんないのでいいです」


と明らかに喧嘩を売るような言葉を真田に言った。

真田は


「貴様! 俺に喧嘩を売っているのか!」


と当然怒った。

しかし、望は


「ああ? いや? 別に……でも何で俺には怒るんですか? 不良にはいつも怒らないのに」


と言った。

真田は


「俺は今はお前に言ってるんだ! 分からないのか!」


と怒る。

すると望は


「じゃあ次は不良ですね……頑張って」


とペン回しを止めようとしなかった。

ここまで言われればさすがの不良もキレるが


「あいつ……後で絞めてやる!」


とボソっと一人が言うともう一人の不良が


「止めておけ、あいつは瑛代とかいうヤバい奴の兄貴だぜ」


と言って止める。

真田は


「奴らにもちゃんと怒っている! そしてお前にもな! お前はいつもいつも勉強の態度が悪い! それに怒って何が悪いんだ!」


と言った。

望は


「そうっすね……まあほっとけば良いんじゃないですか?」


とボーっとしながら言った。

真田は


「!! 糞!」


とイラっとしたのかその日はもうないも言わなかった。

だがペンの落とす音のせいで不良以外にも皆イライラしていた。


その後、望に文句をいう者は出ようとしたが生徒会長の兄貴であることが一つのきっかけで文句を言える者はいなかった。

そして、その後も望のペン回しは続いた。

それに対して真田は


「希咲! 貴様! 授業がちゃんと受けられんならもう学校に来るな! そのペンの音で皆の邪魔をしていることに気付かんのか!」


と怒った。

望は


「でも学校来ないと出席日数が足りなくなりますよね?」


と出席についての話題を出した。

真田は顔を真っ赤にして怒鳴ろうとしたが少し頭を落ち着かせて


「フン! お前は本当にダメだな! この屑! お前に比べて妹は頑張ってるぞ! お前みたいな人間が社会に出て窓際族や社内ニートになって給料泥棒をするんだろうな!」


と妹と比較していった。

望は


「そうっすね」


と我関せずと云わんばかりにペン回しに勤しむ。

真田は


「糞が! てめえ! 馬鹿にしているのか!」


と怒る。

そして


「お前は何をやっても駄目だな! どうせ就職も親のコネを使って身の程を弁えない様な職に入って下の者を扱き使って潰すんだろうなあ! お前みたいな人間がいるから優秀な物が潰されていくんだ! 周りを見ろ! お前のせいで授業に集中で自無いものが多いんだぞ!」


と怒った。

望は


「不良共の喋り声は大丈夫で俺のペン回しはダメ何すかあ……そうっすかあ……でも不良と同じく慣れるんじゃねえ? それにまさに俺はそのコネを貰って職に就くんで成績に関してはあまり心配しなくてもいいですよ」


と言い訳をして止めようとしない。

真田は


「糞! ふざけるな!」


と言って真田はチョークを叩きつけて望に


「いいか! お前みたいな人間はゴミとして死ぬんだ! そうなりたくなりなら真面目に授業を受けろ!」


と言ってキレた。

望は


(うーん……不良は怖いから駄目なのか? 俺は怖くないから言えるのかなあ……どうせ俺はあまり勉強好きじゃないから聞いていても分からんしなあ……それに……ついこれしちゃうんだよなあ)


と思った。

望は一向にペン回しが上手くならなかった。 

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