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282Dead『ナーマナ』

瑛代はアルベルガーダ国の貴族や残っていた騎士達を無理矢理ゾンビ化して働かせた。

反乱を起こさないように自分達に歯向かわないように武器になる物を取り上げて、戦えなくした。

ゾンビとしての力はあるがそれでも彼女達が用意したゾンビ兵達には敵わない。

その上、瑛代達自身にも何か特別な処置を施している可能性もある為、彼ら彼女らは従う以外の権利は与えられなかった。

そんな中


「お願いです! 私も貴方方の国に入れてください!」


と一人の少女が現れた。

その少女はナーマナと呼ばれた少女であった。

瑛代は


「えっと……君が私に従うという保障は? 私は君の故郷を奪った張本人だから信じることは絶対に無いんだけど?」


と聞いた。

するとナーマナは


「大丈夫です! 別に瑛代様の御傍にいられなくても私はあんな貴族とは別の世界を生きたいんです!」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「それって貴族としての道で自由に将来を選択出来なかったってこと?」


と聞くとナーマナは


「はい、その通りです、私はあのまま大人になり騎士の誰かと結婚して子供を産んで他の従者に勝手に育てられてお人形として死ぬ運命でした、何かしようと色々と計画したんですけど全部バレて全く上手くいきませんでした……もっと上手くと思い作戦を考えても全てバレていました、そして、分かったことは私の従者が私の事を全て調べ上げてその作戦を見破るんです……結局私は親を殺そうと考えてたんです……だけど」

「だけど?」


と瑛代は聞くと


「この世界がやってきた……そうなればどうするか何も考えられなくなりました……情けない話……私はそこで絶望して終わりました」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「ふーん、私とは違い何かをしようとは思わなかったってわけか……それで同情するとでも? 貴方は酷使する……それだけだけど?」


と聞くとナーマナは


「それは構いません、ここで働けと言うなら一生働きます……とにかく自分で何かをしていたいんです……ただ、私の親が最近働こうとしても私を働かせません、それって瑛代様にとっても無駄な事では?」


と聞いた。

それを聞いて


「なら監督を置いて君も働かせればいい、それにどうしてもいやというなら君を人質に取り働かせれば取り敢えずは生きていくれると思って働かせるのでは?」


と聞くとナーマナは


「ええ……監督役に頼んで言いました……しかし、親は私が酷使されるぐらいなら殺された方が一層楽だとか勝手なことを言い出したんです」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「ええ……マジで?」


と真顔で聞いた。

ナーマナは


「それではその監督役に聞いてください」


と言ってナーマナの現場の監督を務めていたゾンビ兵は


「はい……それで瑛代様に相談をしようと……これじゃあ私の立場もありません」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「うーん……確かにそれは困ったな……別に殺してもいいが奴らの思惑通りになるのも癪だ……うーん……まあいいか、殺そうとしたら私自身が対抗すればいい……着いて来い」


と言った。

それを聞いて京は


「な! 何を! こんなどこの馬の骨とも分からない小娘の!」


と反論すると瑛代は


「京、貴方の言いたいことは分かるけど王座の安全圏にいすぎるともしかしたら油断が生まれる可能性がある……こいつみたいな奴がいれば私は今以上に世界を取れる存在になると思うの、その為には油断を産まないように危険な私の寝首を掻くような存在がいた方がいいかもしれない……もし大変になったら京が守ってよ」


と言うと京は


「お任せください」


と一瞬にして了承した。

それを聞いてナーマナは


「え! 本当に! やった!」


と言って嬉しそうにする。

それを聞いて瑛代は


「へえ、働きたいんだあ」

「はい……暇って思ったより苦痛ですよ? 私13歳なんですけど、3年間はほとんどすることは無かったです……バイオリンも礼儀作法も他の習い事も簡単にできて同じ繰り返しになったころもう何もしなくてもお前はお嫁になれるとか言われて本当に何もしていませんでした……10年間のあの忙しさから解放されて嬉しかったと最初は思ったのにその後本当に苦しかった……時間が私を殺しに来る夢ばかり……それは本当にもう嫌だ」


と震えあがった。

それを聞いて瑛代は


「兄貴にも見習ってほしい」


と言って頭を抱える。

それを聞いてナーマナは


「兄貴とはお兄さんがいるんですか?」


と聞くと瑛代は


「君も見たでしょ? 希咲望」

「ああ、セリスターを苦しめて手榴弾で試合に勝ったあの結構奇抜な人……あの人凄いですね……そこから何かしないといけないきっかけになると思っていたんですけど……変わらなかった……なのでこれがラストチャンスなんです」


と身震いしながら言った。

瑛代は


「分かった……兄貴の世話係ね」


と言った。

それを聞いて京は


「えっと……大丈夫なんですか?」


と聞くと瑛代は


「光子ちゃんがいるから大丈夫」


と言った。

それを聞いて京は


「光子ちゃんの力ってずっとは使えないのでは?」


と聞くと瑛代は


「大丈夫だよ……あの子は食事と眠りさえちゃんとすれば力は永久的だから……まあ研究所へと兄貴たちを送ったら君には別の仕事を任せるよ」


と言うとナーマナは


「はい!」


と嬉しそうにした。

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