280Dead『抵抗軍の末路』
セリスター達はラダー達の帰りを待っていた。
彼らを信じて待っていた。
そんな時であった。
「皆あああああああああ! ちゃんと働いていた皆あああああああ! 貴方達はちゃんと頑張ったね! 国に入れるように取り敢えず私から瑛代ちゃんに交渉してあげる! でも反乱を起こした屑共はダメ! こいつらの様に一生我々の為に不死身の体で働いてねええええええ!」
と一人の少女が言った。
セリスターは
「そんな……」
と唖然とした。
その中には
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
とラダーが混ざっていた。
変わり果てた姿で、
他にも自分達と共に一緒に苦楽を共にした仲間達も混ざっていた。
それどころか、先程死んで行った抵抗軍の皆もいた。
彼ら彼女らは再び働かされる。
終わることのない地獄の労働。
感情が無い分マシなのか……否、感情を捨てさせられて肉体だけを使ったあの者たちの道具として一生働かせらるのだ。
セリスターは
「糞!糞!」
と言って少女を睨む。
すると
「私奈々子って言うんですが! そこの人!」
と言って指を差す。
すると
「うん? 何? 俺は抵抗軍に入ってないぞ?」
と少し怪訝そうに言った。
すると
ザク!
「うぐ!」
「!!」
と男は背中から刺されてしまった。
それを見てセリスターは
「きっ貴様! 抵抗軍に属さなかった者まで! 何を!」
と怒鳴る。
すると
「おおおおお!! スゲええ! 力が漲ってくる!」
と言って嬉しそうにその刺さった背中を見る。
「何だこれ! スゲええ! スゲええぞ! これは! まさか! 俺の力!」
と言って刺さった背中の針を奈々子は抜いた。
そして
「どう? 良い力でしょ? ちょっと君は瑛代ちゃんから注目するように言われてたんだよねえ! 君は確か鉱石の班長務めていた人でしょ?」
と聞いた。
男は
「はい! 班長のラマドです!」
と言って跪いた。
奈々子は
「それで君は不死身にしてゾンビから襲われても苦しまないようにした、そしてこの功績で主任として今まで通り奴らを鞭打って働かせてほしいんだけど?」
と言った。
ラマドは
「えっと……私はこの国に入れないのですか?」
と不安そうに言った。
すると
「大丈夫だ、君はここに出勤をする形で雇いたいんだよ、そしてこの国の外に出れる場所の近くに拠点を置いて暮らして貰う、給料は弾むし割引券に今ならお酒も洗剤も着いてくる」
と言った。
ラマドは
「余裕で乗った」
と言った。
そして
「よし、取り敢えず今日の分の割引券とお酒と洗剤と給料だ、給料に関しては前払いでその後の報酬は働いてくれ」
と言った。
ラマドは
「分かりました、お任せください」
と言って近くにいた男の方を向いた。
奈々子も
「そいつは確か抵抗軍にいた」
と言った瞬間男はビクッと震える。
ラマドは
「糞が! 働けええ!」
と言って渡された鞭で叩いた。
ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
と悲鳴を上げてその場でのた打ち回る。
そして
「ひいいいいいいいいい!!」
と言って近くにいた者達は震えあがる。
そして
「とっとと働けええ!」
と言って他の者達は恐怖して酷い目に合いたくない一心に働き始めた。
奈々子は
「うむ、望、取り敢えず抵抗軍をこうやって働かすから君からも一言」
と言って望を前に出す。
望は
「えええ……もうお前一人で終わってるじゃん」
と言うと奈々子は
「いやああ……これ台本を読んだだけなんだよなあ……ここから先望に任せてって言ったんだよなあ」
と言った。
それを聞いて望は
「ふーん、取り敢えず次からそこにいる騎士達に取り入った奴は皆班長さんの思い通りにしてもいいよ」
と言った。
ラマドは
「ラマドです……そうですね! 責任感のある仕事を任されるのは久しぶりです!」
と言って嬉しそうにする。
望は
「適当に指示を出したらなんか勝手にテンション上げた」
と少し苦笑する。
ラマドは
「まあ人の上に立つっていう事は気持ちのいい事ですよ」
と嬉しそうにする。
望は
「それは良かった! まあ上の権限を好きなだけ使ってくれ! でも瑛代に逆らうってことはさすがにしないよな? 社長に逆らうのと同じだからそこだけは弁えた方が良いよ、本当に」
と注意をする。
ラマドは
「確かに……国の方針を破るのはまずいからそこだけは弁えた方がいいですね……私も調子の乗って今の地位を降りるのは嫌ですし」
と言った。
望は
「そうそう、国に反論するにも勝てなきゃ意味ないからね……文句があるなら出ていくか反乱で勝つかだよ、出て行って自分の国を作って戦争で勝つっていう手もあるけどそれが出来なければ意味がないしね……あと残っているのは亡命か……でも今の世界にそれも残ってないよねえ、レイビン家に着くならそれでいいけど……こんな世界にした者の仲間に着くぐらいなら瑛代に着いた方がいいんじゃない? アイツは進化を考えているし」
と言った。