279Dead『入れ替わり』
ラダーは
「ふざけるなああああ! お前は誰だ! 希咲は! 希咲望はどこだ!」
と怒鳴る。
すると
「ああ……私の名前は柳田奈々子、さっきいた希咲望は私が化けてたんだよねえ……ちょっと頼んで顔恩形の型を取ってその覆面を作ってたんだよねえ……まあスプラッター映画を作る身としては当然持っていても不思議ではない技術ってことだよ……まあ話はそこまでにしようか!」
と言って笑う。
ラダーは
「貴様! 何を! ううが!」
と吐血させてラダーは倒れ込む。
奈々子は
「まだまだ勉強をしたいんだよねえ……取り敢えずはそうだな……絶望をして貰おうか」
と言って近づく。
ラダーは
「貴様! ふざけるなああ! 仲間達を! あの兄弟達を! お前の余興如きの為に! そんなことの為に殺したというのか!」
と大声で怒る。
奈々子は
「当たり前じゃん……何を言ってるの?」
と何を言っているか分からない様に言った。
ラダーは
「な!」
と真っ青になる。
奈々子は
「私はね! ちゃんとリアルでも見たいんだよねえ! ちゃんとリアルで見ることで芸術センスを磨くんだよ! 分かるのと分からないとでは全然作品の質が違うんだよ! 分からないまま作るなんて意味がない! やっぱり勉強をしないと作品は良くならない! これ常識!」
と言ってキレる。
そして、
「それにいい! ちゃんと生き返るよおお! みんなみんな生き返るよおお! 私だって生き返るんだよおお! さっきの頭の傷だって治せてるでしょ! ゾンビ化しないようにするにはなかなか難しかったんだけど沢山の実験人間達を使えば可能だったんだよ! 本当に頑張って作ったんだあ! やっぱりねエ! スプラッター映画を作るとなるとそういう大変なことが起こる可能性があるんだよねえ!」
と言って笑う。
ラダーは
「実験だと……お前……いったい何を」
「何をって不死身の実験だよ? それを使えば色々と見れるんだよ!」
と言った。
ラダーは
「人間を……貴様は人間を何だと思っているんだ!」
「まあ人間は人間の為に使われる者だと思っているよ? だって社会だって同じじゃない! 人間を使って大きくなるもんだよ! それなら私が人間を使う事に何がダメだと言うの! 意味が分からない! 不死身なんだし! 寧ろメリットでしょ」
と当たり前の様に言い切った。
奈々子は
「だって……不死身って人間として一生生きられるんだよ! 悪い事じゃないでしょ! 兄妹だって一生一緒にいられる! それに安全な場所で! 私はとても良い事をしている! 悪い事をした者にしか苦しみは与えていないんだから!」
と自分の言い分をしっかりと言い切った。
しかし、ラダーは
「ふざけるな! これのどこが安全だ! 貴様は! 貴様だけは許さない!」
と言って無理矢理立ち上がろうとするが
「あがばあ!」
と血を噴き出しながらその場に倒れ込む。
ラダーは
「なぜだ……体が言う事を聞かない……」
と言って動けずにいた。
奈々子は
「そりゃ君もこれからゾンビになるんだよ……ちゃんと私が言う事を聞けるように設定しているから安心して! そして私のスプラッター映画の参考にさせて貰うよ!」
と笑いながら言った。
そして
「他の騎士も! さっきの兄妹も! 元に戻るんだ! あああ! 本当に最高だよ!」
と笑う。