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266Dead『犠牲の』

「あああ!! 最高! 最高のシチュエーション! やはりスプラッターには一部の悲しみが必要! 見てよ瑛代ちゃん! あの未来を失ったような顔をしたアルマ! 絶望した弟君の顔! スプラッターには必要な絶望と恐怖が心の先から頭の先まで沈んだ顔だよ!」


と言って笑った。

瑛代は


「うん、良かったね! 私も兄貴の仇を取れて嬉しいよ!」


と言って奈々子を褒める。

他の客も


「良かったぞおおおお!!」

「うおおおおおおおお!! 最高だああああ!!」

「アハハハハハ!! こういうのも悪くねええええ!!」


と言って楽しんでいた。

瑛代は


「うむ、余興としてはなかなか上々だ、やはりこれで金儲けするのも最高だな! で! 奈々子はこれでどうやって偽物を作る?」


と聞くと奈々子は


「まず人の皮膚に似た肌触りのマスクとエグイ演出をする為のCGや特殊メイクを試すよ! やっぱりこういう勉強は最高だよ! リアルだからこそ偽物をよりリアルとして作れる! また呼んでね!」


と言って嬉しそうに去る。

瑛代は


「京、貴方はどうだった?」


と聞くと京は笑いながら


「はい、とても良かったです」


と言って嬉しそうにする。

瑛代は


「やはり犯罪を犯したなら裁かれるべきだと思うね……私の国ではちゃんとそういうところをきっちりすることによって国民は守られているんだという喜びを与える」


と言った。

京は


「そうですね、しかし、あの者たちは何を考えていたんでしょうか? あんなにこっちが譲歩して仕事も食事も与えたのに……食費と生活費と兄妹がいても大きくなればもっと暮らしが楽になるんだからそういうところは考えて欲しいものです……こんな状況で全ての人間を飢えさせないだなんて無理なんですから……それに娯楽を与えてるんだからちょっとは感謝して欲しいですね」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「そうだね……こっちも結局キツイ部分はどうしても我慢してもらってるんだけどね……結局どんだけ譲歩しても納得しない人は何を与えても納得しないからね、もしこの世界を奪って楽になっても文句は出るんだ……どんな生活も慣れてその中での不満は出て来る……王なると絶対に避けられない障害だよね」


と言った。

京は


「まあ全部無視できたらいいんだけど……そうすると革命とか変なことを考えたりするから困るんだよねえ……結局人間はどこかで苦労しないといけないんだけど」


と言って髪を弄る。

瑛代は


「そういえばあのアルマとか言う女と弟君はどうなるの?」


と聞くと京は


「奈々子によるとその後、別のモンスターを作って自衛に回すどうです」


と言った。

瑛代は


「化け物だけどコントロール出来る?」


と聞くと京は


「それは大丈夫かと、奈々子も考えて作っているみたいですし……感情をコントロールするボタンすらも開発しています……それに我々の周りは防弾ガラスが守っています、相当な事が無い限りは大丈夫かと」


と報告する。

瑛代は


「そうね……ありがとう」


と言って京に微笑みかける。

京は


「は……はい」


と言って照れる。


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奈々子は再び牢屋の前に立った。


「どうだった? 面白かったでしょ? 貴方の妹ジェシカちゃんはちゃんと生きているよ! 死んでないよ! 理性が無くなっているけど感情は一応は残ってるよ! 私がボタンを押せば少し戻るんだ! 見てみる!」


と聞くがアルマは


「……」


と黙ったまま


フルフル


と首を振った。

ライドも


「よくも! よくも妹ジェシカを!」


と言って奈々子を睨み着ける。

そして


「ふざけるな! 俺達はお前の玩具じゃない! 貴様等はいつか神から裁きを受ける! そして破滅して苦しんで死んでいくんだ! 後悔しろ! 呪われろ! その時に罪を償う時が来ても! 謝っても無駄だ!」


と言う。

奈々子は


「ふむ、確かにそういわれることは多いが私が思うに……神は死んでからしか罰を与えない! 生きている間はただの幸運と不幸のバランスのいい反動! それだけ不運があれば幸運も来て! 幸運があれば不運もある! それが人生なんだ! それに君達は動かなかったから不幸になった! 約束を守らなかったから不幸になった! それらはこちらのせいではない! 君達のせいだ! 君達は自分の失態を認めたくないから神という存在を上手く利用して心の安寧を保っている! ただそれだけ! じゃ! 次はアルマちゃんかな? あ! 弟君! もし君達が神に見守られていることを自称するなら私! 今から君を解剖して解剖して臓器を摘出して色々薬を打ち込んで反応を見て記録を取って体がどれだけ分解しても大丈夫か確認するよ! 君の言う神様は果たしてそんな状況をどうにかしてくれるかな?」


と言ってニヤッとして言った。

ライドは


「ク! この外道!」


と言うと奈々子は


「うううん? 違うよ? そもそも君達だって私のような外道共が作り上げた安寧や医療を受けたことがあるんじゃないの? 飲み物や自衛隊に守られたんじゃない? 法律に守られたんじゃない? それらって君の知らないところでは沢山の死者や虐殺や人を玩具の様にして扱った結果が含まれたりするよ? 人間はそうやって進歩したんだ……だからこれは外道じゃない……人間として道は外れていない……もしこれが外道と言うなら人間は生まれた時点ですべてが外道共だ……動物だって人間の餌として喰われているんだ……きっと親に引き離された子供の動物もいる! それでも私達は美味しいから食べる! 医療を受けたいから殺す! 平和に生きたいから環境を潰す! そうやって生きてきた! だから外道ではない! これはとても普通の行為だ!」


と言ってライドを無理矢理出させる。

ライドは


「離せええ! 違う! 人間はお前の思っているような者ではない! そんなふうに思えないお前は寂しい人間なんだ!」


と言うが奈々子は


「違うわ!」


と言って頭を叩き連れて行った。

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