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262Dead『動かなかった人間』

アルマは


「お願い! 私の命だけ奪って! トーラスと弟と妹は開放して!」


とお願いする。

しかし


「え? ダメ……一人を裁いて他の咎人を許す方なんて事は私の方には存在しない」


と言った。

トーラスは


「低俗だと……お前等みたいな人間を見下す奴らこそ低俗だ! 貴様等は自分達さえよければと他の者達見捨てたんだ! 平然と! 貴様みたいな人間に上へ立つ資格なんて無いんだ!」


と怒鳴る。

瑛代は


「はあ? 何を言ってるんだ……貴族と平民との暮らしが違うのは当然だろ? 何だ? 貴族に平民と同じ生活することが素晴らしい君主の在り方だと思ってるのか? そういう奴らもいたかもしれない……中にはな……だがそうでなく平民とは違う暮らしをした君主だって沢山いる……寧ろ多数だ……それを自分の尺度のみで世の中を計ってどうする」


と言い切る。

トーラスは


「違う! 人間は皆で手を取り合えって生きていくんだ! そうして人間は日々進歩してきたんだ! 強き者は弱き者に手を伸ばして助けるんだ! お前等みたいな弱い者を利用して自分達の優位な国を作る者はいつか滅びるんだよ!」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「そうですか……なら来世で貴方がそれを作れば? 私はそんなの興味もなかったし……私は私の国を作れればそれでいい……それに今までそうやって生きてきた人間で死ななかった人もいるんだから私は今のやり方を変えるつもりはない……ま! 来世で頑張ってね!」


と話を切る。

それを聞いてトーラスは


「何が来世で作れだ! 貴様等には罪悪感が無いのか! こんな酷い状況でどうしてそんな考えが出来るんだ! どうして弱き者を酷使することが出来る! 貴様等は悪魔だ! 今すぐこんな酷いことを止めようとは思わないのか!」


と睨み着ける。

瑛代は


「はあ? 止めるつもりはないよ……」


と言う。

トーラスは


「糞野郎が! この国は本来お前等の国ではないんだぞ! 貴様等の国は滅んだんだ! それをまるで自分の国の様に好き勝手しやがって! 俺等を裁く前にお前等は領土侵犯したお前等が裁かれるべきだ!」


と言う。

瑛代は


「はあ……次から次へと自分達を助けるためのしょうもない言い訳のオンパレード……しかも全部が子供が言いそうな陳腐な意見……あのな……この世界はもう滅んだも同然なんだ……ならば新たな人間がここに現れて国を作ればそれは国だ……前の領主達はさっさとこの国を捨てて逃げたか死んだかしたんだろ? ならばこの国は今領主がいない……ならば私がこの国を奪い自分の国を作ればいいだけだ……そうすれば私にとって都合のいい自由の国が出来る……それはとても自然なことだ……ほら! ヤクザだって日本から撲滅されると他のマフィアが日本に入ってそこを拠点にするのと同じだよ」


と言った。

トーラスは


「ふざけるな! そんなバカな事があるか! もし国を作るにしても俺等を蔑ろにしていいわけがない!」


と言う。

瑛代は


「だから……そんなのは自分で作ればいいだろ? 何故それが分からない?」


と言う。

トーラスは


「そんなことが出来るわけないだろ! 俺等には家族もいたんだ! そして、ゾンビも徘徊している! そんな状況で勝手なことが出来るか!」


とキレる。

瑛代は


「でも私は出来た……それが真実だ……お前等は私達の様に世界が壊れたことをチャンスと思って国を作ろうなんて思いもしなかったんだろ? そうしているうちに自分達がいた国を私が乗っ取って国を作ってお前等が酷使されていることに文句……全部自分達が悪いんじゃないか……自分達が何もして来なかったから国を作ろうと思う者達に好き勝手にされる……ただただそれだけの事……それ以外に何も理由は無い!」


と説明した。

瑛代は


「ああ……どうせ鼬ごっこだろうし……もういいわ……京……奈々子のところにお願い」


と命令する。

京は


「ハ! 瑛代様!」


と言って2人を連行する。

トーラスは隠していた武器を持って京を


「フン!」


と攻撃する。

しかし


「はあ……そんな程度喰らうとでも?」


と言って避けて顔面を


グウシャア!!


と殴る。


「ぐっぐう!!」

「トーラス!」


と言って倒れるトーラスを支える。

京はそのまま二人を連れて行く。

そして


「京ちゃん! 新しいおもちゃ!」

「ええ、好きにしていいわ、あの二人も」


と言うと前にアルマの弟と妹が縛られていた。

アルマは


「ジェシカ! ライド!」


と言って叫ぶ。

2人は


「「お姉ちゃん!!」」


と泣く。

すると奈々子は


「まずは二週間ぐらいこの独房に入ってね……大丈夫! ご飯は用意するから!」


と言って嬉しそうにする。

京は


「あれ、手に入ったわよ」

「ありがとう! 必要なんだ!」


と言って4人を独房に入れて二人は楽しそうに話す。

トーラスは


「アルマ……大丈夫か?」

「……二人を……トーラスも……巻き込んでしまった」


と罪悪感に苛まれていた。

トーラスは


「大丈夫! きっと逃げ出そう!」


と言って3人を慰める。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 程よくウザさと爽快さが含まれている所 [一言] これからも頑張ってください 応援しています!!
2020/06/09 00:34 退会済み
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