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245Dead『現実を見ろ』

望は


「だったらなんでお風呂に入ってきたんだよ……嫌がるなら入らなければいいのに」


と言って呆れる。

アンジェリスは


「いや……なんか瑛代ちゃんの事が気になってさ……何でそんなに世界を取ろうと思うの? 確かに今なら世界を取れるかもしれないけど……そんな凄い夢……こんな世界になる前だと難しいって思わなかったの? そこが私分からなくて聞きたかったんだけど?」


と言った。

望は


「じゃあ俺がいな時に聞けばいいんじゃね?」


と聞くとアンジェリスは


「望もいた方が話が分かるかと思って、それにさっき望のお陰で夢を断念しなかったって話だし……」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「まあね……確かにお兄ちゃんのお陰で夢は断念しなかったかな……私だって今はとても凄いけど子供の時は夢を言って呆れられてんだよ? 他の友達とかに」


と言った。

それを聞いてアンジェリスは


「まあそうだろうけどね……世界を取るって言ったら今の子供ならそんなの無理って言いそう……」

「まあ荒んだ現代だからな……夢や希望のある物より現実的な公務員になりたいって言うだろうしな……まあ公務員て結構ブラックだったりするけど……」


と苦笑いで望は言った。

それを聞いてアンジェリスは


「そういえば飛虎さんも公務員だったらしいけど上司の命令は絶対パワハラ当たり前などの恐ろしい一面があったらしいけど」

「もし公務員になったなら上司を目指してもその上の上司に扱き使われる……つまりトップにならないとパワハラは消えないってことか……ホワイト企業を目指すのはきつそうだな……やっぱりコネを使って就職して上司的ポジションから下の者にパパに言いつけるぞ業務をした方が確実にホワイトな状況なのかもしれないな」


と望はしみじみ言った。

それを聞いてアンジェリスは


「なぜだろう……屑発言なのに納得してしまった自分がいる」


と少し納得がいかなさそうにする。

瑛代は


「私はお兄ちゃんのその効率のいい生き方は好きだよ」


と言った。

アンジェリスは


「で? 話逸れたけど望は一体どうやって瑛代の夢を断念させなかったの?」


と聞いた。

瑛代は


「それはね……」


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これは瑛代が6歳、望が7歳の時であった。


「ううぇええええ……」


と涙を流しながら瑛代は蹲る。

望は


「どうした瑛代……何で泣いてるの? お父さんから妹が泣いていたら泣かした相手を殺すか泣き止ます為に俺はお前を励まさないといけないんだが?」


と言った。

瑛代は


「おにいぢゃんはどっち?」


と聞くと望は


「この年で犯罪はしたくない……いくら少年法が守ってくれたとしても前科が付くのは嫌だ」


と言った。

瑛代は


「そうなんだ……実はね……私が将来世界を取るって言ったら皆が笑ったの……それだけならともかく先生にそれを言ったらお前が間違っている……そんなこと出来るわけないだろ……現実を見ろ……お前が悪い……って言って私を皆で責めたの……何で私が夢を語ったらそんな言われ難しなきゃいけないの! ああああああああああああああああん!!」


と言って泣いていた。

瑛代も子供の為大人から呆れられながら叱られるのはかなり堪えたようであった。

望は


「はあ……瑛代……現実を見ろ」


と言って瑛代に近づく。

瑛代はお兄ちゃんもと言わんばかりに望を見つめる。

そして望は瑛代の頭に手を置いて


「お前みたいな夢を見て叶えた人間もいる……それが現実だ」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「現実……つまり私の夢も現実に?」


と聞くと望は


「は? そんなん知らんし……でもやって出来たらそれが現実だろ? 出来なきゃそれはそれで現実だ……どうせまだ来てもない未来何て現実でも何でもないんだ……何だ? その先生もクラスメイトも未来人なのか? 違うだろ? なら現実何て知ってるわけないじゃないか……自分には出来ない現実をやろうとしている人間に押し付けてそれを現実だって言い張ってるだけじゃないか……やりたきゃ勝手にやれよ……一々言うから皆つっかかるんだ……」


と呆れながら言った。

瑛代は


「じゃあ何でつっかかるの? 私の子と放って置けばいいんじゃ?」


と聞くと望は


「そりゃそうだろ? 自分に身近に凄い事をしようとする人間がいれば邪魔をする……だってそんな凄い人間がいたら自分が惨めに思えるからだ……そして、そいつも自分の枠に嵌めて同じに

しちゃうんだよ……自分より頑張っている人間なんて見たくないから……自分がだらけたいから相手の努力を否定して同じにしようとするんだ……」


と言った。

それを聞いて瑛代は


「分かった……これからは人に言わないようにするよ」


と言った。

望は


「そうだな……まあ世界を取るって言うからには信用できる人間を自分の側に引き込むぐらいの事はしないと叶えられないんじゃない? 知らんけど……後は頑張れ」


と言ってアイスを食べる。

瑛代は


「分かった! だったら世界が私の者になったらお兄ちゃんを養うよ!」


と言った。

望は


「マジで……やった」


と少し嬉しそうにする。


--------------------------------------------------------------------------------------


アンジェリスは


「へえ……良いこと言うじゃん」


と言った。

望は


「ああ……そうだな……俺も一応はお兄ちゃんだからな……」


と俯きながら照れる。

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