243Dead『若本』
瑛代達は家に到着してすぐさま中に入った。
すると部屋には誰か小太りのオッサンがいた。
それを見て瑛代は
「何をしてるですか? 若本さん」
と呆れながら聞いた。
すると若本は
「ハアッはああ……僕は心配だったんだよ……君が死んでいないか……はああはああ」
と息を荒げながら涎を垂らしながら瑛代に近づく。
瑛代は
「そうですか……で? 心配だから私の家に入ったみたいですけど……それで何か意味があったんですか?」
と聞いた。
瑛代は
(もし私が心配なら学校に直接来るだろうし……それに家に入っている意味も分からない……何かしてるなこいつ……)
と残念そうに見る。
すると若本は
「な! なんでそんな目で見るのおおおおお!! 僕はいつまでも君の味方なんだよおおおお!! 君が4歳の時に約束したじゃないかあああああ!! 僕の約束は永遠有効だよおおおお!!」
と言って汗を噴き出しながら瑛代に近づく。
それを見て瑛代は
「そう……勝手に考えるのは良いけど……今はそんなことをしている場合じゃないの……部屋にある物を取りに行かなくちゃ」
と言って若本を通り過ぎようとするが若本は
「……通さない……ここを通るのは僕に答えてからだ……それが出来ない君じゃないでしょ?」
と険しい表情で言った。
瑛代は
「はいはい……そうですね……永遠ですね」
と言って一応は答える。
それを聞いて若本は
「そんな適当なあああああ!! 僕はああああああああああああああ!! 君を愛する権利が今はあるんだあああ!! 僕は君に一生を捧げたんだああああ!! それを返すのが普通だろうガアアああ!!」
と言って通せんぼをする。
瑛代は
「そう……別に適当じゃないんだけど……邪魔をするならいいや」
と言って隠し持っていたバッドで若本の脳天を叩きつけようとした。
すると
「イアアアアアアアアアア!! ううらぎいいだあなああああああああああああああああああああああああ!!」
と言ってスタンガンを構えた。
瑛代は
「それを使って攻撃するつもり?」
と聞いた。
若本は
「君が悪いんだ……黙ってついてくれるなら僕は……こんなことをしようと考えたこと何ってないぞおおおお!!」
と言ってスタンガンにスイッチを入れて襲い掛かる。
瑛代はスタンガンに触れずに若本の腕を掴みそのまま力を利用して投げ飛ばす。
「ああがあああああbbbん!!」
と悲鳴を上げながら
バリイイイイイイイイイイイイイイイン!
と窓から落ちる。
それを見て京は
「……大丈夫なの……こんなに人を殺して……もしゾンビがすぐに収まったら瑛代ちゃんが逮捕されるんじゃ……」
と不安そうに聞いた。
それを聞いた瑛代は
「大丈夫よ……私は親を上級国民に上げて何とか自分が出来ることを増やした……あるんだよ……下の者と上の者で出来ることは明らかだ……意外と親がトップに立ってるとかお金持ちだとかって子供にとってはブランドなんだよ……」
と言った。
それを聞いて京は
「そう……そうだったね……私はそれをよく知っている」
と言った。
瑛代は
「気にしないの……貴方は何も悪くない……力が無かっただけだし運もなかった……だから私が手を貸して今は力を持っている……だからこそ貴方は昔の貴方じゃない……」
と言って京の頭を撫でた。
すると加奈は
「時間かかるね……早くしよう」
と急かす。
すると誠子も
「セットにも時間が掛かるよ……取り敢えず作業はすぐに行うよ」
と言って近くにあったノートパソコンを用意した。
それを見て瑛代は
「お兄ちゃんのパソコンにも細工はしてあるから普段使っているパソコンとは位置がいは無いと思うよ」
と報告する。
誠子は
「大丈夫……私のパソコンも持ってきてるよ……かばんはいつも持ってるから」
と言って専用のパソコンを使う。
瑛代は
「必要かなッと思っただけだけど……大丈夫みたいね」
と言って笑う。
そして、二人は盗聴器や盗撮器、そして服や下着をいくつか用意をした。
そして、携帯食料を見つけ出来るだけカバンに入れることで何とか日本での生活を耐えようと考えたのであった。
そして、
「ふうう……一通り手に入れたね……行くか」
と言って瑛代は皆を連れてカバンに入れたものを車に移動させる。
すると
「待ってえええ! 僕の瑛代おおおおおおおおおおお!!」
と言って泣きながら手を伸ばしていた。
血を流しながら懇願するように言った。
すると瑛代は
「もうさよならですね……」
と言ってパトカーに乗って皆と一緒に逃げた。
若本は
「まttでえええええええええええええ!! いがないでええええええええええええええええええええええ!!」
と言いながら泣き喚く。
その声に誘われて他のゾンビ達がやってきて
ガブグシャガブググアガアアダバギイイ!!
と鈍い音が鳴り響き
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
と悲鳴を上げた。