242Dead『パトカー』
瑛代は
「取り敢えず私の家にあるスペアの通信機を用意しよう……取り敢えず日本にいる間はそれで凌がないとまずいだろうし」
と言って計画を立てる。
加奈は
「でもどうやって? 外にはゾンビいるんでしょ?」
と外を見るが未だゾンビは学校には来ていなかったとはいえ自分達の地域を中心に盗聴と盗撮をしている為、それほど時間が掛からず学校にもやってくるだろうし、その前に自分達の家が襲われている可能性もある。
すると瑛代は
「大丈夫……外を見て」
と言って学校の近くにパトカーが止まっており一人の警官がタバコを吸っていた。
瑛代は
「あの警官を私は税金泥棒ニコ中と呼んでいる……よくあそこでサボっている……最近不審者が高校の近くで現れるという虚偽の報告をして……」
と言って指を指す。
それを聞いて京は
「うちの国も終わってるね」
と言って呆れかえる。
すると奈々子は
「あの警察官……バラバラにしてもいい?」
と瑛代に聞く。
瑛代は
「ダメ……貴方の欲望と夢は応援するけど今はダメ……することが多いんだから」
と言って口を指で押さえる。
奈々子は
「うーーーーんん!!!!」
と少し癇癪を起すが黙って
「分かった……我慢する」
と言って爪を噛む。
瑛代は
「大丈夫……外はあんたの好きな状態になってるからそれを見て我慢して」
と言った。
それを聞いて奈々子は
「そっそうだね!! やったああ!!」
と言って喜ぶ。
加奈は
「本当にこの子大丈夫? マジで」
と心配するが京は
「大丈夫ですよ、この子は拷も……いえ情報収集には必要ですから」
と言った。
それを聞いて誠子は
「ちょっと? 今拷問って言った? せっかくの男子はまず尻の穴から攻めるべきでしょ!!」
と言い張る。
加奈は
「腸を引き摺り出すの!! やる!!」
と言うが瑛代は
「はいはい……時間内からさっそく行動あるのみよ!」
と言って皆を注目させて言った。
そして、
「取り敢えずあの警官のパトカーを盗むってことで言いの? 銃使わない?」
と加奈が聞くと瑛代は
「だから排除する、付いてきて」
と言って見んなと一緒に運動場へとまず出た。
そして、一人一人に野球部のバッドを渡す。
瑛代は
「まずは……」
と言ってタバコを吸っている警察官の近くまで行く為にフェンスを上って学校の外へと出た。
そして、恐る恐る近づいて警察官が
「ぶはあああ……仕事ダリイイ……」
と煙草を吹かして落ち着いている間に
「今!」
と言って一気に突っ走る。
警察官は
「へ?」
と瑛代の方を見るが遅く、そのまま
ゴシャ!
と頭を殴られて血を噴き出しながらその場に倒れる。
そして
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
と近くにいたおばちゃんが悲鳴を上げる。
そして、加奈が
「イヒヒイイヒヒヒヒヒヒ!!!」
と笑いながら瑛代の元へと駆け寄る。
「ちょっと!!」
と京の声と共に他の皆も同じく瑛代の元へと駆け寄る。
そして、瑛代は警察官の腰にあるホルスターから拳銃を抜いて
「武器は一つ……取り敢えず警察官を今から捕まえるのは効率が悪いからこの武器も節約ね……死体や見つかり次第奪うしかないわね」
と言ってパトカーのドアを開けて中も確かめる。
すると警棒があった。
しかし、瑛代は
「間合いが短すぎる……これじゃあ捕まるか……でもないよりマシか」
と言って武器として利用することにした。
他の皆もパトカーに乗っていく。
すると
「貴方達!!! こっこっこおこんなことをおしてえええええええええええ!! けっけっ警察を!! 警察をおおおお!!」
とパニックになっていた。
京は
「どうする?」
と聞くが瑛代は
「大丈夫……言わせておけば……どうせ来ないし繋がらない……今ゾンビがいるのにただの殺人事件に構う事なんて出来ないから」
と言ってパトカーにあったキーを使って発進させる。
ブロロロロロロ
とエンジン音と共に瑛代はパトカーを運転させた。
加奈は
「これで一応は安全かな?」
と聞くと瑛代は
「そうね……まあ大量の人に襲われればかなり大変だろうけど……」
と言って車のスピードを調節しながら走らせる。
その時であった。
一つの壊れたパトカーがありそこには二人の死体があった。
瑛代は
「!!」
と明らかに動揺した表情を見せた。
それを見て京はその死体を確認する。
そして、それが瑛代の同様の理由だとすぐに察知した。
しかし、瑛代は
「大丈夫……こうなることは仕方ない……」
と言ってすぐパトカーを止めて二人の死体の元へと近づいた。
そして、男の拳銃を手に入れた。
瑛代はその場ですぐに手を合わせてパトカーへと戻った。
そして、パトカーに戻った後、二人の死体は起き上がりそのままフラフラと歩き出す。
瑛代は
「……行こう」
と言ってそのままパトカーを走らせる。
京は瑛代の姿を見て心が痛んだ。
その後、道はかなり大変な状態になっており車で何度か人を轢きながらも瑛代の家へと向かった。