238Dead『家族の再会』
和子は
「何? チャイム?」
とキョトンとしていた。
「なんだろう? ここってチャイム無かった気がするんだけど」
「そうだよな……何で?」
とレベッカと剣子がキョロキョロしていると
『おにいいちゃあああああああん! お帰りいいいいいい!!』
という声がした。
それを聞いて和子は
「お兄ちゃん? 誰の事だろ? そもそもここに来たならお帰りじゃなくない?」
と疑問に思う。
そして
『勝手に入らせてもらいまあす!』
という声と共にアナウンスの声が聞こえなくなる。
すると
「大変だ! 研究所に侵入者が!」
「何で罠が作動しない! 警報も鳴らないぞ!」
「一体なんで!」
と騒ぎ始めた。
それを聞いてレベッカは
「ただ事じゃないわね……」
と少し険しい表情を見せる。
剣子も
「武器は持って行った方がいいだろうな」
と言って刀を持った。
和子も
「私はどうしようか? 料理も途中だし……ここで作っていた方がいいかな?」
と聞いた。
剣子は
「確かに銃もあればいいが……でも声に敵意が無かった……これも念の為だ、だから和子は料理をしてくれるか?」
とお願いした。
レベッカは
「大丈夫よ! 貴方ほどではないけど……銃は私だって命中はさせれるわよ!」
と言ってグッドサインを送って剣子と
「行くわよ!」
と言って研究所の人が行く方向へと向かった。
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「お邪魔しまああす!」
と瑛代は研究所に入っていった。
瑛代は
「ホーリーちゃん! 制圧は?」
と聞くと誠子は
「大丈夫! 私の固く禁じられたBLの画像を沢山開いたり、相性の悪い奴らのグループに核発射のパスを見せて脅してこっち側に入れ込んだ私の力の敵ではない! だって国じゃないもん! 専門家じゃないみたいだし!」
と言って嬉しそうに自分専用のパソコンでクラッキングしていった。
瑛代は
「良し! いいよ! そのままお兄ちゃんの位置を!」
と言うと誠子は
「見つけた! 向こうの階段を上って!」
と言ってパスコンを持って移動する。
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「うわ」
と望はすぐさま瑛代に見つかり引いた。
瑛代は
「お兄ちゃん……生きてたんだね……良かった……本当に良かった」
と言って口を手で押さえて目に涙を浮かべながら
「おにいいいいちゃあああああああん!!」
と言って手を広げながら望に向かい走った。
望は
「ふむ」
と言って近くに合ったスパナを手に取り振りかぶる。
瑛代は
「良かったあああああああああああ!」
と言いながら望に近づき望は瑛代が間合いに入った瞬間スパナで殴ろうとした。
しかし
グギ!
と望の振りかぶった手首を瞬時に瑛代は掴みそのままへし折った。
「うぐう!」
と言って望は怯んだ瞬間望を走った勢いで腰まで手を回してそのまま仰向けに倒した。
そして、マウントを取り
「おにいいいいちゃあああああああん!! 会いたかったよおおお!」
と言いながら
ボゴ! ドガアア! バシン!!
と望を殴りつける。
望は
「ぐう! うっがあ! べはあ!」
と血を噴き出しながら呻き声を上げる。
すると
「何……この状況」
とベナは引きながら言った。
アンジェリスは
「この二人……仲良いの?」
と疑問に思う。
するとレベッカと剣子も走ってきて
「何してるの?」
「まあ……良い様だな」
と言って剣子は少し笑っていた。
すると瑛代は真顔で立ち上がり
「……」
と皆をしばらく見る。
レベッカと剣子は警戒して瑛代を見る。
すると
「皆ああ! お兄ちゃんと一緒にいてくれてありがとう! これからもよろしくね!」
と言って二人に抱き着く。
2人は
「……えっと」
「お兄ちゃん?」
とキョトンとして見る。
するとアンジェリスは
「どうやら……瑛代ちゃんは望の妹さんらしい」
と言った。
それを聞いて
「そういえば言ってたわね」
「ああ……この子が」
と言って見ていた。
すると瑛代は
「やだなあ! 忘れたの? 剣子ちゃん! 私私! 一年で有名な!」
と言って胸を揉みしだく。
剣子は
「……え? 嘘? 委員長? 生徒会でも色々と活躍したって聞いたけど……性格がちょっと違うような」
と言った。
それを聞いてレベッカは
「どういうこと?」
と聞くと剣子は
「いや……もっとお淑やかで正義に燃える人って感じがしたんだけど」
と戸惑っていた。
すると
「おいおい……妹の猫かぶりに何誤魔化されているんだ? 危ないぞ? その考え」
と言って望は腫らした頬と折れた鼻を押さえて立ち上がる。
瑛代は
「来るか! 来るか!」
と言うと俊敏性犬が噛み望は回復する。
瑛代は
「これが俊敏性犬かああ! 会いたかったぞ!」
と言って俊敏性犬を撫でまわす。
俊敏性犬は初めは嫌がっていたがすぐに気持ちよくなりその場で寝っ転がる。
望は
「で? 何しに来た?」
と言って残念そうに見る。
瑛代は
「ああ……お兄ちゃん携帯落したでしょ? 海に……拾って上げたよ」
と言って携帯を望に返した。
望は
「そうか……とっとと出ていけ」
と言った。