227Dead『お前がしたことだ』
『……?? 何だん? 真っ暗だぞ? まだちゃんと乗っ取れていないのかん?』
とアガストは辺りを見渡す。
そして、アガストはしばらく待ってみた。
しかし、いつまでもこの空間が終わらない。
アガストは不審に思い
『なんだん……どうしてこんなん」
と戸惑っていると
「うまそおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
と声がする。
アガストは
「なんだ! 何なんだ!」
と辺りを見渡す。
しかし、どこにも声の主がいない。
しかし、アガストは聞いたことがある声であった。
「どこにいる! ドイン・ダンドリー! お前なんだろん! さっさとこの体を俺に寄越せん!」
と叫ぶ。
するとドイン・ダンドリーは
「ああ……くれてやるよ……俺に勝てればな……」
と言って
ガシ!
とアガストは体を掴まれた。
アガストは
「!! 何だん! 何が起こったんだん!」
と言って体の拘束を解こうとする。
しかし、全くピクリとも動かなかった。
すると目の前に
「俺だよ……掴んでるのは……」
と言って大きなドイン・ダンドリーが目の前に言った。
アガストは
「なんなんだん……お前ん……そんなにデカかったん……」
と震えた。
するとドイン・ダンドリーは
「はははははははは!! 面白オオオオオ!! 面白いなあああ!! てめえがこんな風にしたんだろ? 忘れたのか? 俺の体は大きくも出来るし、小さくも出来るんだ! そんな俺が魂の大きさを変えられないとでも思ってたのか?」
と言ってニヤリと笑う。
それを聞いてアガストは
「バッ馬鹿なん! そんなん! あり得ないん!」
と言って涙を流す。
それを聞いてアガストは
「はははははは!! 何があり得ないんだ! お前だって言ってたじゃねえか! 人間には時として信じられない奇跡を生むってよ! 俺だって人間なんだぜ! そしてその中でも俺は頂点だ! そんな俺が奇跡を産まないとでも思ったのか! ああ!」
と言って
ジュルリ!
と舌なめずりをする。
アガストは
「ドっどうするつもりん……俺を……」
とガタガタとずっと震えたままであった。
するとドイン・ダンドリーは
「おいおいおいおい! 俺がどんな生物か忘れたか? 俺は捕食者だぞ? 捕食者が何をするかなんて……言葉を教えてくれたお前なら……分かるだろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
言ってアガストを口へと運んだ。
その時アガストは魂のままで走馬灯を見た。
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「おぎゃあああ! おぎゃああああ!」
「はあ……はあ……」
アガストは帝王切開で生まれた。
母親も命懸けで何とか産むことが出来た。
父親も生まれたことに大喜びした。
だが二人には別の不幸が襲った。
「お子さんの命は短いです……持って4年でしょう」
と医師は俯きながら言った。
それを聞いて母親は
「……どうして……どうしてうちの子だけがこんな……不幸が……」
と涙を流しながら握り拳を作る。
父親は
「どっどうにか! どうにかならないですか!」
と言って医師に言った。
しかし
「正直……厳しいです……」
としか言えなかった。
母親は
「ああ……神よ……」
と言って顔を伏せて泣いた。
だが父親は
「だったら俺がどうにかしてやる!! 俺は研究者の端くれだ! 息子の命を助けて見せる!」
と言って父親は必死のアガストが生き残るすべを調べた。
しかし、アガストの体はどんどんと衰弱していった。
何故か原因は不明であった。
しかし、父親はアガストから血を採取してどうにかしようと奮闘する。
そんな中母親も出来るだけアガストが人生を楽しめるように
「アガスト! これ見て! 面白いでしょ! 今! お祭りがあるの! 元気になったら一緒に行きましょ!」
と笑いながら言った。
アガストは
「うん! 行きたいん!」
と言って母親と楽しそうい笑う。
しかし
「ゲホ! ゲホおお!!」
と血を吐く。
母親は
「だっ大丈夫!」
と言ってハンカチで口を拭く。
アガストは
「大丈夫……ん……大丈夫ん」
と言ってアガストは母親を安心させようした。
彼は昔から咳払いをしてしまっていた。
いつも喉が痰で絡むような感じがしてしまいいつしかそれが癖になっていた。
母親はそんなアガストを見ても哀れむような目では見ないように心掛けていた。
しかし、やはり心配してしまう心まで隠す事は出来ずアガストはいつも悲しそうな表情を一瞬たりとも見逃すことが出来なかった。
アガストもいつも母親と父親に迷惑を掛けているのではと考えるようになり早く病気を治したいと思っていた。
しかし、3歳の頃大きな手術をして何とか持ちこたえたがやはり4歳で命を落とすと父親は思うようになった。
そして、追い込まれた父親が取った行動は
「なあ……アガスト……父さん……見つけたよ」
とアガストの病室に入り話し掛ける。
母親は
「……何を……ですか……」
と慎重に聞いた。
父親は
「アガストを絶対に生かすことが出来る……病気が治る方法……いや……もうこれから病気にならない方法が……」
と言って不気味な笑顔を見せる。
母親は
「な……何をする気……私達の……私達のアガストに! 何をする気! 止めて来ないで! 触れさせない!!」
と言って父親を遠ざけようとする。