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222Dead『殺れ』

ブシュウウウ!!

ブシャアアアア!!


と望は頭から出血させながら立ち上がる。


「ううっむ……ブフ!! あああ……血が出るなア……なんか痛みがあるようで無いようで……」


と言って手を動かして充填式ドライバーを使って自分を殺そうと試みる。

しかし


「うう! 手が麻痺してる……軽く掴めるが動かせない……まさか……脳が少し削れたのか……でも何で生きている……脳は少し削れただけじゃ死なねえのか? えええ……そんなの知らない……」


と言って動かない両手を見て絶望した。

望は


「糞……癪だが……あの女を見つけて刺して貰うしかないな……どうやれば……」


と言って足が動くかを確認した。


トントン


と動くこと自体は出来るが少し拙かった。

だが


「動くならば大丈夫だ……この出血量ならこのまま待った方がいいのか……だが俊敏性犬が来る前に俺自身で自分を殺す必要がある、ならばあの女を……探して見つけるしかないのか……」


とボヤキ望は歩き出した。


---------------------------------------------------------------------------------------


カルメリーナは急いで走っていた。

刺した相手は知らない男であった。

かなりの罪悪感がカルメリーナを襲った。

しかし、それと同時にあの男を倒す武器を失い死にたくないという恐怖でいっぱいであった。

その為長い廊下をただひたすら走って逃げた。

そして、走っていると突き当りに一つの部屋を見つけた。


ガチャ


と扉を開けてカルメリーナは逃げ込むようにその部屋に入った。

カルメリーナは走り部屋の真ん中に来た。

どこかに隠れる場所を探したが一つのボタンと天井には何か大きな鉄の塊のようなものがあった。

しかし、隠れる場所はどこにも無かった。

カルメリーナは


「そんな……逃げれないっていうの……ここまで来て……せっかく……せっかくガバンドが助けに来てくれたのに……そんな……」


と膝をつく。

カルメリーナは


「さっきの人……そう……今私は自分勝手あの人を苦しめて……自分勝手に逃げて……そして……良いの……私なんかが……本当は死んだ方がいいんじゃ……」


と先程の罪悪感がカルメリーナを襲った。

涙を流してその場で顔を手で塞ぎながら


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


と叫ぶように泣き出した。

カルメリーナは泣き続ける。

あの男の目をドライバーで差し込み彼は未だに苦しんでいるか、もしくは死んでいるかと考えていた。

人を殺した人間である自分を許していいのかと頭の中を駆け巡る。

その時


ガシャアアン!!


とドアがいきなり開いた。

カルメリーナは


(ああ……あの男が……最初に来たあの化け物が来た……もういいや……死んだ方がいいよね……)


と諦めてドアの方を見る。

そこには


「トリックアトリイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイト!!」


と先程の男が目から頭の横を貫かれた状態で血を噴き出しながら叫んでいた。

カルメリーナは


「え……ええ……」


と信じられないような表情で望を見た。

望は


「見つけたよおおおおおおお!! おいいいいい!! 君ちょっと考えてくれるかなああああ!!」


と言ってカルメリーナに近づいた。

カルメリーナは


「何……生きている……どういう……」


と震えながらその場で動けなくなる。

だが望は関係がないと言わんばかりにカルメリーナに近づいた。


「お前えええええ!! ちゃんとっさあああ! 殺すならさあああああああああああ!! 殺せよおおおおおおお!! 痛いのはしんどいってさあああ! 気づけよなあああ!」


と言ってそのままカルメリーナを


ガシ!


と掴んだ。


「大丈夫うううううう!! 君ならさああ! ちゃんと出来るよおおおお!! 今俺の手は麻痺していてさあああ!! 軽く掴む事は出来る! だけどこれで俺を殺す事は出来ない!! さああ! ちゃんと持つんだ!! これを持てええええ!」


と言って大声で唾を飛ばしながらカルメリーナに言った。

カルメリーナは


「ひいいいいい!」


と言って怯える。

望は


「出来るさああ! ほらちゃんと掴んで!! 回すんだ! スイッチを入れて!! そしてそのまま俺の頭を削って殺せええ!! さああ! 早くううう!」


と言ってカルメリーナの


「や! 止めて!! 嫌あああ!」


と悲鳴を上げる。

望は


「悲鳴を上げてんじゃねえ! さっさとやれってのが聞こえねえのかあああ!」


と言ってキレる。


---------------------------------------------------------------------------------------


ガバンドは


「どこに! どこに鍵はあるんだ!」


と探すがどこにも見つからなかった。

そして、部屋の突き当りの部屋に入った。


「や! 止めて!! 嫌あああ!」

「悲鳴を上げてんじゃねえ! さっさとやれってのが聞こえねえのかあああ!」


ガバンドはカルメリーナを望が襲っているのを目撃した。


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