219Dead『服』
その頃一方望は
望はたまたま鏡を見てすぐに気付いた。
「……俺……服びりびりすぎやしねえか……まあそれまでの経緯とか分かるっちゃ分かるんだけど……正直ここまでびりびりになっていると思っていなかった……」
と望自身も少しビビっていた。
完全に前は見えており服ももはや着ているとは言い難いぐらいにボロボロであった。
学生服を着ていたが、ほとんど裸の状態にしか見えなかった。
望は
「どこかに服ないかな……これから死ぬとはいえもし死ななかったら風邪ひくしなあ……ていうか寒い」
と言って仕方なく服を探すことになった。
望は通り場所の部屋を全て開けて歩いていた。
するとクローゼットらしき箪笥が一つの部屋に合った。
それを見て望は
「おお! これは期待をせざる負えない!」
と言ってクローゼットを開けた。
するとそこにはたくさんの白衣があった。
ただ、白衣だけでありそれ以外は無かった。
望は
「裸白衣って……女に着せたら滾りそうだが……俺が着たらただキモいだけかな……」
と言って白衣をもとの位置に戻す。
そして、別の場所も開けて探していった。
だがそこには何もなく望は完全に破れた服を着て行動するしかなかった。
望は
「仕方ない……また探すか……」
と言ってまずは服を探すことに専念した。
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牢屋があった。
そこには一人の少女がいた。
彼女は親の借金により、ずっとこの牢屋で暮らしていた。
彼女自身もそれを望み家族の安全を優先させた。
だが彼女は強かったが無傷ではなかった。
彼女は家族とも愛していた許嫁とも会えず涙を流しながらずっとその牢屋で暮らしていた。
すると
『ハハハハん! おい! カルメリーナん! 元気しているかん! もうそろそろ最終実験をするん! そして! そして俺はお前をん! フアハハハハハハア! 楽しみだぜん!! ああ! お前は可愛いぞん!』
と興奮した様子で言った。
それを聞いてカルメリーナは
「貴方の思い通りになると思わないでよ! 貴方なんか! 強くなったガバンドが倒すんだから!」
と言い切った。
それを聞いてアガストは
『ああん……そうかん……君にはまだ知らなかったん……奴が住んでいる国ならすでに襲ったん! あそこはもう陥落寸前ん! お前の大切な人なんてん! あの時潰れなかっただけでどうせ潰れたなん! お前は結局ここに連れてこられただけで何の意味もなかったん! どうせあの国は亡びるのに無駄にお前を犠牲にした父も! お前を見捨てるしかなかった相手の義父も! お前の許嫁も! 結局意味なかったなん!」
と言って笑う。
だがそれを聞いてもカルメリーナは
「そんなことない! ガバントは絶対に強くなっているわ! あんたなんか絶対に倒すんだから!」
と言って指を指して言った。
アガストは
『ふん! その強がりがいつまで続くんだかん……お前は見捨てられて捨てられたことを自覚していればいいん! ハハハハハハ!』
と笑って言った。
それを聞いてカルメリーナは
「大丈夫……ガバンドがきっと助けてくれる……お伽話でもお姫様を王子様が救ってくれるんだもの……私だって……プリンセスじゃないけど一応は貴族の令嬢よ……お嬢様ぐらいにはなれる……後はガバント君を信じればいい」
と自分に言い聞かせる。
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望は何度か服を探していてた。
すると
「おおおおお!」
と望は興奮しながら部屋を見た。
「この部屋には! たくさんの服があるんだ! ここまでそろえていたら裸じゃなくなるぞ!」
と言って半ば興奮気味であった。
そして、望はまず服を探してズボンを探した。
望は服を着てズボンを履いた。
望は普通ならまず服から履くが今回はまずズボンから履いた。
パンツを見つけれなくてまずズボンを履いて探す為であった。
望は
「取り敢えず……いつもはボクサーだが今はトランクスでもブリーフでもいい……下半身丸出しは落ち着かない……ズボンだけでも履きたい。
と言って少し恥ずかしさが紛れて
「じゃ! 行くか!」
と言って再び歩き出す。
服にはロゴでこう書かれていた。
I LOVE 萌え!
と書かれていた。
望派
「うむ……実に俺らしい服だ……」
と嬉しそうにする。